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大坂なおみ選手の快挙とお笑いネタ・「マサラ王国の落語家 ヨギータ」~外国人に対するアンコンシャス・バイアスについて

大坂なおみ選手の全豪オープン優勝に感動し、素晴らしい優勝スピーチの余韻もさめやらぬ中、直後の「ENGEIグランドスラム」という番組で芸人・徳井義実(チュートリアル)が「マサラ王国の落語家 ヨギータ」というネタを披露しているのを見かけました。
 
とにかく、ひどい。
「外国人の拙い日本語」の真似をしながら、下ネタまがいの品の無い言葉を連発します。
会場の他の出演者も(また視聴者の中にも)、それを聞いて笑う人がいます。
 
外国人をステレオタイプで演じる芸は過去枚挙にいとまがありませんが、いいかげんにやめたらどうか。
徳井のネタを文字起こしして、仮に日本人が話したことにすれば、面白くも何ともありません。
つまり、彼が笑いの拠り所は、外国人のたどたどしい(言葉を選ばずに言えば「変な」)しゃべり方に尽きるわけです。
その上で、「外国人」が助兵衛な話をするという、新たなステレオタイプを増幅しようとしていることにもなります。
そして、本人にはその自覚はない。悪気はないのです。(おそらく)
「外国人分野」の森喜朗のような人、それがこの芸人です。
 
たまたま徳井という人の外国人ネタを見かけたので、こんなことを書いています。
彼個人の話だけをしたいわけではありません。
私が小さい頃には(たぶん昭和40年代)、芦谷雁之助がターバンを巻いたインド人(それ自体が、インド人の2%くらいしかいないシク教徒のステレオタイプですが)に扮し、「インド人もびっくり」のコピーで広く知られたヱスビー食品のS&BカレーのCMがありました。
昭和生まれの私もそういう時代を生きてきました。
でも、時代は変わりました。
「無意識の偏見」は、「差別」と完全に同義ではありませんが、彼(徳井)は、無意識のうちに外国人への差別をも助長しています。
 
森喜朗氏は女性に対するアンコンシャス・バイアスで辞任に追い込まれました。
社会にはこの種の「無意識の偏見」があふれています。「〇〇に関する森喜朗のような人」は大勢います。
そして、そのことへの無理解は、いつかどこかで、自分自身の内なるマイノリティ性に対し、ブーメランのように返ってくるのです。
他人にあげつらわれて傷つく可能性のある何かを持たない人はいません。自分のためなのです。
放置することが、社会の心理的安全性を脅かしていることを、私たちは少しだけでも知る必要があると主張するのは、そのためです。
 
自分がされて嫌なことは、他人(ひと)にしないこと。
私は親にそう言われて育ちました。何も、特別なことではないと思います。
誰かの属性をあげつらい、揶揄することで笑いを取らなくても、ほかに人を笑わすことのできる芸の可能性はたくさんあるはずです。
 
こんな環境の日本に、私たちは何百万人もの中長期在留外国人を労働者として招きいれようとしているのです。
マイノリティの日本人として生を受けた方々が母国・日本を捨てるのは容易なことではありません。
でも、外国人は、好き好んで外国人に対するアンコンシャス・バイアスのある国・日本を目指す必要はありません。
 
私は日本に来る外国人が少しでも日本を好きになってもらいたいと願い、仲間とともに活動しています。
日本に来た以上、外国人の皆さんには日本の社会のルールを理解し、日本語コミュニケーション能力を高めてほしいと考えます。
でも、私たち日本人の方が変わらねばならないこともあります。
「外国人」に対する無意識の偏見の払しょくです。
強調したいのは、アンコンシャス・バイアスの根っこは、女性(ジェンダー)でも性的マイノリティでも、障がい者でも外国人でも同じです。
 
#アンコンシャスバイアス #ダイバーシティアンドインクルージョン #EDAS #来た時よりももっと日本を好きに #お互い様 #OTAGAISAMAを広めたい

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