日常生活であの回数が少ない人はセルフコントロールが得意な傾向にある
日常生活における経験サンプリング
日常生活を送る上で人は様々な葛藤を経験する。理由は、ダイエット決心した人の目の前に甘くて美味しいシュークリームがある時にダイエットをしている自分との葛藤が起きる。試験があるが時間があるとどうしても漫画やアニメに手を出してしまう。この日常生活においての葛藤経験回数、度合いについて調査した結果、208名の調査から7割が欲望を感じて、15ー60%が欲望を抑えようとしたことがわかっている。
セルフコントロールの定義
このように、日常生活で様々な欲望、衝動的欲求を日々人はコントロールしている。このことを心理学的にセルフコントロールという。(後藤 2020)によるとセルフコントロールは、衝動的欲求を意志の力で乗り越えようとすることであり、目的、抽象的、規範的な目標を追求するプロセスであるとまとめている。
セルフコントロール能力と社会的スキルとの関係性
セルフコントロールについては、社会的指標と関連性があると言える。セルフコントロールの個人差を測る尺度として、36からなる質問を自己評定によって測り指標を特性セルフコントロールと呼ぶ。結果、特性セルフコントロールの得点には、学業、就労、食事、ウェルビーイング、依存行動と逸脱行動の低さ、対人関係と関連性があることがわかった。つまり、セルフコントロール能力は目標達成において重要な能力と言える
セルフコントロールを構成する要素
(後藤 2020)によると、セルフコントロールを構成する要素として、実行機能による認知的能力、心理的価値と習慣化が関連している。短期的衝動に対して、認知的生業によって行動を制御して、心理表象による目標への行動が重要であると述べている。一方で、2つの関連性よりも目標に対する行動の習慣化が重要であることを示唆している。セルフコントロールが得意な人は、目標に対する行動が自動化されていることがわかっている。つまり、行動が自動化されるということは、葛藤経験が少ないということと言える。
自我消耗と目標達成
一方で、習慣行動が自動化されていないということは、日常生活でセルフコントロールを多く必要とすることである。セルフコントロールを多く必要とするということは、自我が消耗される。セルフコントロールは次のセルフコントロールを阻害して、目標に対して好ましい行動を取った後に短期的な行動を行うセルフライセシングを引き起こすことがわかっている。短期的な目標にはセルフコントロールは有効だが、長期的な目標達成には、習慣化が重要である
経験による価値の更新
セルフコントロールが得意な人は、経験によって、心理的価値が更新されて行動の習慣化へと行ったている。そして、誘惑に対してセルフコントロール力を発揮した場合心理的消耗があることがわかっている。
短期的な衝動に左右されずに長期的な目標を追求するためには、葛藤経験を減らすために行動の習慣化が効果的であり、経験によって価値の更新が重要であると言える
参考文献
後藤崇志(2020)「「セルフコントロールが得意」とはどういうことなのか「葛藤解決が得意」と「目標達成が得意」に分けた概念整理」pp.129-144 心理学評論刊行会
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