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猫背の祈り
つづき。
推しのトレーナーは、健康的な美人。写真よりも実際に会ったほうがかわいらしい。石田純一の真っ当に育った娘に似ていると思ったけど、これは褒め言葉になるか怪しいと思って口に出していない。
スポーツジムのトレーナーなので、体のラインがわかるウエアを着ているけど、目のやり場に困る感じがない、全くいやらしさがなくて健康的。どこに行っても、強烈なキャラクターのユーザーはいるもので、多分私よりもずっと彼女推しだった会員の女性と久しぶりにジムで一緒になった。女性の言うことには、トレーナーたちは某SNSをやっていて、そこに私のもう1人の推しも辞めてしまうということを知ったという。
そんなことを聞いて、私も下世話な人間のひとりなので、ついつい検索してしまうわけですよ。
そこで理解したのは、私の推しは2人とも摂食障害的な悩みを経験してトレーナーになっていたこと。
ああ、だからあんなに優しかったのか。痛みを知る人だから、出来ないことがあるお客さんたちにも優しかったのか。
優しいから、辞めていくのだな。心を削られるようないろんなことがきっとあったんだろうなと、察してしまった。
退職の話を聞いた、次のトレーニングの日、トレーナーさんの顔が柔らかく見えた。辞めると決めたら、こんなに若返るのかとびっくりした。
私もたくさんの職場を辞めてきている。そんなときの私も、こんな顔になっていたのだろうか。いまの私の顔はどうなっている?
他人だからわかる変化があるらしい。
幸せな人生を送ってほしいと思う。心から。
しかし…SNSってのぞき見感覚で見るものじゃないね。私は全く知らない人たちだけど、インフルエンサーみたいな人たちが、こぞって体験トレーニングしましたとキラキラ投稿しているのを見ていたら、なんだか滅入ってしまった。
なんでみんな、あんなに金太郎あめみたいなんだろう。本当にキラキラと文章通りに楽しめているのだろうか。書き手の心が文章以上に読み取れなくて、みんな同じに見えて読む必要を感じられずにそっと閉じた。そのジムが楽しいのは知ってるし。