母の不思議
母が亡くなって…あれ?何年経つんだろう。9年ぐらいかな。10年は経ってないはず。いまの職場で働き出す前の年だから9年。いま8歳の猫をもらう前の年だから、うん9年だ。来年10年なんだね。
ここ数年はずっと、命日に休みをもらっている。2日間。日が変わってすぐに亡くなったので、ある年にその時間帯に職場にいて、ふと周りを見渡したら景色が滲んで見えて、その時間に働くのはやめようと思って今に至る。
私はいったい、ここで何をしてるのだろう。生きるために働いているので仕方ないんだけど、別に無理して東京にいなくても良くて、でも故郷にポンコツな私でもできる仕事がない。ただそれだけの理由。
親の死に目に合わなくてもいい仕事をしてるかなあと、つい自問自答してしまう。
精神を病んでいて、私をちゃんと育てられなかった母は、それを悔やんでいてくれたのか、なんとなく守られているような気がするという話をよく書いている。気のせいの範疇かもしれないけど。
さて、今年も2日間休みを取った。何しようかなと思った。
「シン・ウルトラマン」の影響か、ウルトラセブンのいくつかのエピソードを映画館で観られるらしい。
私は両親と2人の兄と年齢が離れていて、兄たちがウルトラマンから影響を受けている人たちなので、私もウルトラマンの類いが好きなのだ。
子供のころ、大人になった兄たちが「ウルトラマンやセブンは勧善懲悪じゃないんだよね」「子供向けではないよね」と語り合っているのを見て育った。
子供向けと見せかけて、子供にはしっかり「この世界は単純ではない」という種を蒔いていたのがウルトラマンとセブンらしい。
Twitterを見ていると、映画館で観られるウルトラセブンのエピソードの感想がよく流れてくるので、この休み期間に観られるのかしらとネット検索してみた。観られる。予約した。
その予約の数字4桁に見覚えがある。組み替えると母の誕生日だ。
お母さん…!!と思って。2人の兄が好きなウルトラシリーズなわけですよ。次兄が初めて喋った言葉は「ジラース」という怪獣の名前だったと、母子手帳には書かれているのですよ。
私の母子手帳は、精神病んでる真っ盛りなので真っ白なんだけど!
くっそ、と思いながら映画館で観てこようと思います。
むかーしもらった、私のマイナンバー通知カードの発行日が母の命日で、なんとなく捨てられずにいる。そしてまだ、発行していない。
何年か前に更新した車の免許の交付日も母の誕生日だ(これは私の誕生日が母の誕生日と近いことに影響するけど)。
幼なじみの誕生日が母の命日だったりするしね!
母にまつわる数字が、いまも身近にある。