【9/1は防災の日】あのとき、どうだった?施設給食の被災状況【2018年大阪北部地震・台風21号】
9月1日は防災の日。これは1923年(大正12年)に起きた関東大震災が由来です。政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備するための日として設定されています。
わたしたちは大阪を中心に老人ホーム「はっぴーらいふ」を運営している会社です。特に北摂地域に施設が多数あるため、2018年6月18日に起きた大阪北部地震では、一部の施設に甚大な被害がありました。
あれから6年。あの時のことを、当時を良く知る方にお話を聞く本企画。
第一回となる今回は、ライフケア・グループの給食会社、株式会社イートハピネスの新崎社長に貴重なお話をお聞きしました。
2018年6月18日 あの日起きたこと
あの地震が起きたのは家を出る前だったと思います。その時は「いつもより大きく揺れたな」と思うくらいでした。
いざ出勤したら、はっぴーらいふ吹田にあるセントラルキッチンの電気・水道・ガスのインフラが全部止まっていたんですね。
調理が全くできない状態になっていて、僕が出社して2時間後くらいにガスと電気は復旧したものの、水が一番の問題でした。大きな製氷機があるので、その氷を溶かして浄水を作ったことを覚えています。
いざ復旧しても、蛇口から黄色い水が出てくるので、衛生面の不安もありました。なんとかその日の施設で作る分は調理できましたが、時間がたつとともに高槻市と茨木市方面が大変なことになっていることが明らかになってきました。
北摂地域の施設の被災について
はっぴーらいふ高槻、高槻富田、高槻大塚、茨木の4施設のインフラが全部止まっていたんです。
その頃はまだ高槻・富田・高槻大塚の3施設の給食は別業者に委託していましたが、その委託先から「この被害状況で食事提供の対応はできない」と言われてしまったんですね。復旧するまでの間ですが、急きょイートハピネスで食事提供することになりました。
急いで業務スーパーに買い出しに行って、セントラルキッチンで調理後にクックチルパック(急速冷却)にして、各施設に配達しました。ライフケア・ビジョンの祝嶺社長をはじめ、職員があるだけの水やカセットボンベなどの物資を買い集めてはっぴーらいふ吹田に集め、それを積んで食事と一緒に配送ました。
地震当日は簡単なカレーみたいなものしか作れませんでしたが、通常の献立とは別に調理したと覚えています。
1週間くらいその対応が続いたと思います。一番最後まで復旧が遅れたのは茨木でした。
勤務している職員も被災者ということを強く認識しました。
その時に勤務されていたパートさんのなかには、2週間以上も断水と停電が続いていた方もいて、家でご飯も作れないなかで出勤してくださっていたんですね。なので、職員のご自宅の分も食事を作って、持って行ったりもしました。
家から遠い銭湯に行かないとお風呂にも入れないという話も聞きましたし、そんな方々が仕事してくださっていたので本当にありがたい限りでした。
ほかにも、宅配クック123の東淀川店(配食弁当事業。現在は閉業)の配達員からは、10階建てマンションのエスカレーターが止まっていて、階段の昇り降りが大変だったと報告がありました。配達先に大きな被害が無かったのは不幸中の幸いです。
2018年9月4日 台風21号の話も
そういえば、同じ年の台風もしんどかったです(2018年9月4日 台風21号)。
あの日は家からも出ることができない職員も多く、僕ははっぴーらいふ泉大津の応援で車を出したんです。
そこらじゅうに横転している車があったり、信号が曲がっていたりしました。施設に辿り着くにも大変でしたね。
到着したら水道とガスは無事でしたが、ずっと停電の状態が続いていました。ランタンやスマホの小さい光で調理や盛り付けをして提供しました。もう二度とやりたくないですね(笑)。
その時も職員さんの自宅は2週間ほど停電していて、そんな中でも働いてくださっていて、本当に感謝してもしきれません。
最後に 現在の施設での備蓄状況について
備えあれば憂いなし。あの年の教訓もあり、施設と分担して最低限の備蓄をしています。イートハピネスでは、カセットコンロとボンベ、水をそれぞれ3日分各施設に備蓄しています。他の非常用食料は施設側で備蓄をしてもらっています。
おわりに
2018年、大阪で立て続けにあった災害時の食事対応についてお聞きしました。定期的に実施する防災訓練だけでなく、過去の体験や経験を忘れず、そこを教訓とし、可能な限りの災害対策を行っていきたいと思います。
また、こちらは予約投稿となります。
執筆現在(2024年8月28日AM)、日本列島に台風10号が通過直前です。いつ巨大台風が上陸するんだ…とソワソワしております。
どうか、どうか最小の被害で、皆様が無事でありますように。
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