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高齢期リハビリのココロエ28 『歩けないなら家に帰ってくるな!』

「車椅子なら家に帰ってくるな。」
「家に帰るには歩けないといけない。」
高齢者リハビリ(わたしは老健施設勤務:介護保険サービスのリハビリ施設)に関わってますとそんな言葉をよく耳にします。これはご家族の発言なんですが、反対に自分が同じ立場ならどうでしょうかね。「車椅子でも帰らせてくれ!なんとでもなる!」って言うんじゃないでしょうかね。
 私達、リハビリの専門家からみればご家族のストップにより在宅復帰できない方をみると『十分、帰って生活できるのになー、本人の想いが届かず悔しいな。」と思ったりします。しかし、のっぴきならない家庭の事情や環境、家族関係も考慮すると、『いたし方無いのかな』とも思います。本人と家族の同意がないと帰られないわけですし。帰られない方は特養やケアハウス、有料老人ホーム等、違う施設へ移られ二度と自宅へは戻れません。
 しかし、納得がいかないのは『歩けない・車椅子=自宅生活は無理』のステレオタイプです。「車椅子?家で生活できるわけないし、介護なんてもっと無理!!」とこちらの話を聞く前に決めつける方です。
 「おい、こら、話を聞けい!下手に歩けるよりも車椅子の方が安全ってこともあるし、いろんな福祉用具も借りられるし、サービスだって受けられるんですよ!それをあんた!車椅子だったら帰ってくるな、だと?自分がその立場なら、帰りたい、車椅子でも工夫したらなんとでも帰れるって思うんじゃないの?」と、まくし立てたい気持ちもありますが、はじめて車椅子の家族を迎え入れるときはそれはもう不安でしょうし、、強くは言えません。
 つまり『車椅子でも自宅生活はできます!』ということが言いたいわけです。とにかくご家族の在宅復帰を望むならケアマネさんや、介護保険サービス専門職に意見を聞いてみてくださいね。

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