知ってて得するシニアのからだ評価方法①
沖縄のシニアの生きがいを支援する作業療法士・健康コンシェルジュのカワミツです。今回はシニアの方が知ってて得する自身のからだの状態を知る方法をまとめたいと思います。この方法を知っていることで、自身のからだの状態を把握することができます。数回に分けて記事をまとめる予定なので、まずは足腰の状態を把握するためのテスト方法をまとめたいと思います。
開眼片足立ちテスト
●方法
素足で両手を腰に当てて片足立ちを左右実施します。
片足立ちの姿勢をとり時間を測定します。2回実施してよい方の記録をとります(1回目が120秒の場合は1回のみ)
●注意点
滑りやすい場所では行わないでください。転倒による怪我のリスクがあります。周囲に物を置かず広い場所で行ってください。
実施前に片足でできるだけ長く立つテストであるということを事前に共有してください。片足立ちの姿勢は、支える方の膝はしっかり伸ばし、もう一方の足は前方に挙げて支える方の足に触れないようにしてください。
①挙げた足が床に着いたりもう片方の足に触れる②立つ方の足が移動してしまう③腰に当てた両手もしくは片手が腰から離れた場合はその時点で終了です。
基準値
・40歳以上:180秒
・60歳代前半:70秒
・80歳代前半:10秒
を目安に取り組んでみてください。この秒数以下だとバランスが悪いと評価されてしまい、転倒リスクが高まっていると予測されます。
TUGテスト(timed up&go test)
●方法
背もたれに軽くもたれかけた状態で座り、手は大腿部の上に置いた姿勢で両足が床に着いた状態からスタート。
椅子から立ち上がり、3m先の目印を回って、再び椅子に座るまでの時間を測定します。
●必要物品
メジャー・コーン(代替品可能)・ストップウォッチ(スマホでも可能)
●注意点
椅子の前脚から測定し3m地点はコーンの中心とします。
通常の歩行速度と最大歩行速度を1 回ずつ、計2回行ってもらいます。
身体の一部が動き出すときからお尻が接地するまでの時間を計測します。
コーンの回り方は対象者の自由とします。
タイムの良い方を採用。秒数の小数点以下 1 桁(2 桁目は四捨五入)を記録してください。
日常生活において歩行補助具を使用している場合には、そのままご使用ください。
●基準値
・13.5秒以上:転倒リスクが予測される
・30秒以上:起居動作や日常生活動作に介助を要する
以上の目安を数字を基準に測定してみてください。もし基準値以上であればなにかしらの取り組み・対策が必要だと考えられます。
5回椅子立ち上がりテスト(Sit to stand-5)
●方法
40㎝程度の椅子に座った姿勢から5回の立ち上がり時間を計測します。
椅子に浅く腰掛けた姿勢で膝を90度程度曲げた状態を維持し、左右反対の肩を触るようにして組みます。5回目に立ち上がるまでの総時間を測定します。
●注意点
計測の際、膝の角度が90度より深いと脚への負荷が高くなるため、膝の90度屈曲位を基準にし、変形性の疾患がある場合などは必要に応じて高さを変えてください。
●基準値
Bohannonの機能低下基準値
11.4 秒(60-69歳) 12.6 秒(70〜79 歳) 14.8 秒(80〜89 歳)以上
Buatois らは65 歳以上の健康な被験者から転倒のリスクを 15 秒以上と報告
あくまで目安ですが、年齢別でみていくことと15秒以上は要注意という結果の解釈になりそうです。
さいごに
その他にもBerg Balance Scale(バーグバランススケール)や6分間歩行テストなどもあるのですが、簡易的で限られた時間で評価できるものをピックアップしています。
次回も簡易的で限られた時間でも行える評価という視点から握力測定や柔軟性のテストなどもまとめていきたいと思います。