LIFE University(ライフ・ユニバーシティ)の目指す、「自然科学✖️デザイン」の話。
こんばんは、LIFE University(ライフ・ユニバーシティ)運営事務局です。
今日は記念すべきnoteへの投稿第1弾ということで、LUのファウンダー/プロデューサーの菊池が担当します。2021年8月から開講する『LIFE University』の生い立ちや背景、目指すことを少しお伝えできればと思います。
LIFE Universityのご紹介
『LIFE University(ライフ・ユニバーシティ) 』は、”自然科学をベースに社会デザインを手がける人材(イノベーター)を増やそう!”を目指してスタートした、新しいラーニング・コミュニティです。
『LIFE University』開校のプレスリリースは、こちら。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000050576.html
社会課題の解決や未来のビジョンを描くデザイン・スクールなど、ラーニングやアクションの場は多々あります。しかし、LIFE Unversityはそのいずれとも異なり、国内初・世界初のコンセプトを掲げています。
それは、「サイエンス(特に自然科学)を社会の基礎リテラシーにする」ことです。自然科学をベースとして、あらゆる事業や暮らし、社会制度を再設計(デザイン)し直す…そうした人材を増やすことがLIFE Universityのミッションなのです。
自然科学ってなんだろう?
では、「自然科学(ナチュラル・サイエンス natural science)」とは何でしょうか?
私たちは「自然における観測可能な対象や過程に関する科学または知識」と定義しています。その範囲はとてつもなく広く、生物学、生態学はもちろんのこと、気象学や気候学、資源学、地理学などの地球科学、植物生理学や農学、さらには人体を対象とする医学や生理学などの生命科学にも及びます。
強いて言えば、人間が作り出した文化や社会(経済、芸術、文学、法律、規範、倫理 等々)を扱う「人文科学(humanities, cultural science)」や「社会科学(social science)」以外の領域、ということですね。
生物や資源、生態系などのテーマについては、大人になっても”大好き”という方もいらっしゃるでしょう(私もそのクチで、今や研究者としての活動もしています)。
しかし大抵の場合、自然科学分野は小さな頃に一番ワクワクと関心を持ち、中高生が(一部は選択科目として)最も学んでいます。しかしこれをピークに、就職に直結しなそうな同分野に進む人は僅かとなり、大学卒業時には見事に「自然科学リテラシーが低い集団」が出来上がります。それ以降、自然科学リテラシーを上げるような学びの場が増えることは無いのです。
しかし、私たちは今、この「自然科学」分野を本気で学ばなければいけない時が来ています。語弊を恐れずに言えば、今も昔も「多くの大人・企業の自然科学リテラシーが極めて低い」ことが、次の環境課題や社会課題を生み出しているのです。
自然科学なき、社会課題解決はない。
近年、SDGsの達成などが世界全体の目標となり、2030年、2040年、2050年を目指して多くの取り組みがスタートしています。CO2削減や気候変動対策、地下資源からの脱却、環境調和型ビジネスの模索などが”ホット・トピック”になっています。私たちは、ビジネスシーンでも暮らしの中でも、「地球にも、人(人間社会)にも良い」選択を求められるようになりました。
しかし、私たちの中のどれだけの人が、水循環、大気循環、エネルギー循環などの基礎的なことを理解しているでしょうか?食料、石油、石炭、木材、繊維まで、生活に不可欠な資源についてどれほど知っているでしょうか?
先述の通り、残念ながら「ほとんど知らない」のが現状です。
そして「私たちがほとんど知らない」以前に、「研究者の中でも分かっていない、断定できないこと」が多々あるのです。しかし、社会全体の科学リテラシーが低い状態では、多くの人、企業、自治体がメディア等の情報に基づいて、一斉に「他の人と同じような(批判されにくいだろう)」選択・行動をします。そして、それを「今はこれで良い(正しい)」ことにしてしまいます。これが社会問題・環境問題の「本質」なのです。
私たちが「自然科学を社会の基礎リテラシーに」と掲げているのもこれが理由です。もっと小さく、もっと多様に(たくさん)、もっと丁寧に観察や実証を続ける「自然科学(観察科学)的姿勢」が必要なのです。
そして、気づいている人たちや企業は、既に行動を始めています。LIFE Universityへの参画に限りません。メディア等の情報を鵜呑みにせず、資源や生態系に関する先端的な研究に触れながら、研究者さんと進める丁寧なアクションを増やしているのです。
「自然科学×デザイン」で作る、新しい社会。
しかし自然科学分野を深く学ぼうとすると、あらゆる学部・学科に通い、膨大な書籍や論文を読まなければならず、その労力やコストは膨大です。また、組織の壁を超えて、多くの先端的なサイエンティストとワンストップで対話・協働できるような場づくりも必要です。
また、サイエンスの研究成果を知る・学び続けるだけではなく、ビジネスや暮らし、ひいては社会全体の設計を新たにしていく「デザイン力、社会実装力」も同時に向上させていく必要があります。
LIFE Universityは、こうした「自然科学✖️デザイン」を身につけられるラーニングの場を目指しています。日本中のサイエンティストが参画し、誰でも先端の生命科学や自然科学の研究成果に触れながら、社会生活やビジネスを再デザインする力をつけられるスクール&クラスを構築しました。
スクールはテーマごとに3つに分かれています。
①生物や生態系を深く学び、地球にも人にも良い社会をデザインする『BIO&Ecology School』、通称『BE School』。
②食料や繊維、生活に必要な素材を深く知り、持続的な資源と社会をデザインする『Food&Material School』、通称『FM School』。
③そして、私たち人間自身の身体や生理作用を深く知り、人間にとってより良い社会をデザインする『Human-Being School』、通称『 HB School』。(※こちらは2022年春に開講する予定です。)
今週からスタートする「BE School」や「FM School」のクラスリード(講師)には、各大学や研究機関で先端的な研究をされている生物学者、生態学者、気象学者に加え、バイオミメティクスの技術者やマテリアル・エンジニアなど、多くのサイエンティストの方が登壇されます。
詳しくはFacebookページ等でも発信しておりますので、ご覧ください。
きっと話を聞いてみたい、議論してみたい講師ラインナップになっていると思います。
『LIFE University』facebook:https://www.facebook.com/univ.life.jp/
皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。
『LIFE University』公式サイト:https://univ.life/
『BIO & Ecology School』サイト: https://univ.life/BE_School/
『Food & Material School』サイト: https://univ.life/FM_School/