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~多様な経験が導いた天職~人生を楽しむ講師から「好き」を仕事にするヒントを探る(後編)
人生を楽しみながら仕事に取り組むライフシフト社Senior Vice Presidentの藤田さんへのインタビュー。
前編に続き後編です!
基礎を大切にすることの重要性
感謝の気持ちと言えば、モノづくり産業界の発展のために身を粉にした自分としては、松下幸之助さんこの言葉が大好きです!
「物とあわせて心をつくり 物とともに心を売り お金とともに心をいただく」。多くの日本の商売人が無意識のうちに行っていることを言語化したものだと思います。私は小学校の時に少しだけ剣道をかじったせいか、「基本・基礎」を大切にすることがとても大切だと思っています。
野中郁二郎先生のSECIモデルの最初のステップである「S:Socialization」共同化の大前提に、守破離で言うところの「守」即ち、徹底的に基礎を鍛え身に着ける。眼をつぶっていても出来る、動く、体得する境地になることが大切だと思います。「鉄は熱いうちに打て」というのは真実だと思っているのです。
その上での応用であり、普遍化ではないかと思います。但し、基本を学ぶ過程でも、先生や上司に言われるがままの受け身ではなく、自分の頭でああでもないこうでもないと考えてみることが大切です。そうやって試行錯誤して身に着けた基本や基礎は、自転車や水泳と同じで生涯忘れずに身を助けるものとなるでしょう。
自足で高める幸福感
今、ライフシフト大学でミドルシニア向けに様々な学び直しのプログラムを提供し、時には講師として、自分より若い皆さんに活を入れたり、気づきを得ていただいたり、モチベ―ションを高めていただいたくことをやっているわけです。これを傍目から見ている方には、「藤田さん、それは天職じゃないの!」と言われることがあるのですが、天職かどうかはわかりません。もしかしたらもっと相応しい面白い仕事があるかもしれません。しかし、私は「自足」という言葉も好きなので、中庸で、自ら足りるという状態が幸福度が高いということを実感しています。
好奇心が未来の土台をつくる
特に若い時に才気煥発であった「流動性知能」が衰えを見せ、じわじわと忍び寄る老いと死の影(人間誰もが迎えます!!)の中、「結晶性知能」の発揮どころとしては、「利他」の精神と「ひとに教える」、いやいや「教えさせていただく」という機会がとても貴重であり、やりがい・生きがいを持てる時間と空間だと感じています。シニアになって結晶性知能をより発揮するためには、前にも述べた豊富な経験、多くの挫折や蹉跌、成功や完遂、若かった頃の好奇心、そして私としては豊富な読書体験がものを言うと思っています。
もちろんシニアになってから生きがいを感じるために、若いうちから冒険や豊富な体験を心掛けよと言っているわけではありません。それでは本末転倒です。若い時から「いま、この時」を大切にしてほしいと思っているだけです。「今、この時」を夢中に楽しみ、あるいは時には我慢して努力した結果として、流動性知能から結晶性知能への橋渡しがスムーズにできていく可能性が高まるのではないでしょうか!
どうしたら好きなことを仕事にできるか?
どうしたら好きなことを仕事にできるか?という問いではなく、好きなことを発見し、どうしたらそれにはまり(あるいはもう一度はまり)、継続できるのかを考えるべきだと思います。運と縁はそれについてくるのではないかと信じています。
読書は、自由自在に時空を飛び越える旅であり、先人の思索や英知や行動を追体験できるすばらしい機会です。100年が寿命の個人でも数百年~数千年の人生を読書により生きることが可能です。私は読書の素晴らしさをライフシフト大学の講義でももっと伝えていきたいと思っています。今世間ではリスキリングが人気となっていますが、ライフシフト大学を単なる手段としてのリスキリングをする場ではなく、「大人の学校」として本質や真髄に触れる学び直しを楽しみ、人生の価値を再発見する場に皆さんと共にしていきたいと思っています。共に学びましょう!