【はじめての北欧旅行】幸せを運ぶ馬
「幸せを運ぶ馬。」
スウェーデン中部に広がるダーナラ地方で生まれた伝統的な工芸品。「ダーナラホース」。
北欧の雑貨屋さんでもよく見るこの形。
スウェーデン土産にはこれだろう。
と、お土産リストの1番上に書いていた。
「魔女の宅急便」の舞台のひとつになったともされている、ガムラスタンにはお土産屋さんが立ち並び、たくさんの観光客で賑わっていた。ダーナラホースは、やはりスウェーデン土産としても大人気のようで、ほとんどのお店に置いてある。
可愛いダーナラホースがたくさん。
でも、持って帰るのは1頭と決めていたので、
この日は買わず、翌日にSlussenからフェリーで10分ほどにあるSkansenへ。
そこに「Skansenbutiken 」というお土産屋さんがある。
一番気になっていたお店だ。
店内に入ると、
「ディズニーみたいだね。」
そんな感想を2人でこぼしたくらい、テーマパークのようなワクワクする店内で、スウェーデンの伝統的なお土産から、おしゃれなデザインの雑貨や本。
もちろんダーナラホースも。
色々散策してみてきた中でも、なんだか心温まるデザインのダーナラホースが見つかった。
とはいえ、同じ色でも手作業で作られたものだから、形や絵の具のタッチも微妙に違う。
デザインと形を見て性格判断されるダーナラホースたち。
色はネイビーと決まり、
3、4体を並べてどの子を我が家に持って帰ろうかと彼と会議をしていたら、
「高いからね!ちゃんと選んだ方がいいよね!」
と、真剣に選ぶ私たちに優しい笑顔で話しかけてきたのは、愉快なドイツ人のおじさんだった。
「ぼくはドイツ人だけれど、スウェーデン語が話せるんだ。何度も来ているからね。うちの嫁が選んだダーナラホースは安いと思ったら中国製のものだったんだよ。ホースのお腹を見てみてみな。こうしてちゃんと名前が書いてあるから、これはちゃんとしたダーナラのものだね。」
英語が得意ではない私には理解しきれなかったが、そんなようなことを言っていた気がする。
彼は目についたスウェーデンの伝統行事が描かれた本のカバーを指さし、楽しそうにその行事について説明してくれた。
なんだかすごくいい人そうなおじさんが、自分の好きな国ことを教えてくれているわけだから、何とか聞き漏らさないように一生懸命耳を傾けた。全ては分からなかったが、なんだか理解した気になっていた。
伝えられることは、伝え切ってくれたのか、満足したように私たちのもとを離れて行くと、そのあともおじさんは、
店内の可愛いブロンドヘアの店員さんと楽しそうにお話を続けていた。
一体どんな話をして盛り上がっているのか。
このあとおじさんはどこへ行くのか、
英語をもっと話せれば、聞き取れれば世界は広がるのではないかと、
手に取ったダーナラホースを見ては、
その時の気持ちが蘇る。
その気持ちは、どこか幸せな場所へと連れて行ってくれるという、シグナルなんだろうか。