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2024年、7月8月の観ておきたい作品ズ

少しだけ、筋トレをしたりしている。
学生時代から、ものの数年で10キロ超も太ってしまった私は、ついにメタボの診断を受け、因縁の習慣に挑んでいる。

筋トレをしていると、翌日の筋肉痛が少しだけ愛おしくなってくる。
「ガンバレ!俺の筋肉!回復しろ!」
そういう日々になる。心なしか、歩き方も綺麗な気がする。

しかしながら、かつて筋トレは恥ずべき行為と思っていた。これには自分なりの哲学がある。
「筋トレをして得た筋肉、つまり身体の主導権を持つこちらから働きかけてようやく目覚めてくる筋肉程度に、いざとなった時頼れるのか?」
そういう疑問が芽生えてしまったことに始まる哲学である。
こと、彼ら筋トレによる筋肉に主人である私を守るほどの覚悟がないのであれば、いざとなった時に頼るべくは日々の生活で無意識下に培われてくれている筋肉たちである。つまりこれこそが真に愛おしく、守り守られる、まさに一生をともにする筋肉である。
本当に大切な存在はすぐそばにいるのだ。

つまり筋トレはこのような覚悟のある親愛なる筋肉では不足していると伝えるような行為であり、裏切りだ。そして私が彼らを裏切った時、彼らはこれまでのように私を守ってくれるだろうか。もちろん、そんな都合のいい話はないのである。

私は今日も筋トレをする。学生時代のトレーニングを思い返しながら、手探りで筋肉を痛めつける。しかし、その裏で自らの旧友に後ろ指を刺されながら、新たな存在が逃げてしまわないように日々継続する。

そんなことを考えることで、筋トレの罪悪感に苛まれた私は、次の唐揚げに箸を伸ばしている。これが平和への唯一の道なのであれば、多少の不健康も受け入れる。新たな覚悟が芽生えているのである。

ところでお腹がいっぱいになり、これは映画のnoteであることを思い出したので、本題に入ります。


✔︎5月、6月のBest3

1,チャレンジャーズ / ルカ・グァダニーノ
2,バティモン5 望まれざる者 / ラジ・リ
3,ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ / アレクサンダー・ペイン

上位2本、映画好きでも観ていない人もいる印象。
至上のエンタメも、鋭利な社会派も通用しないなんて、難しい時代だなと、あらためて思う次第。


✔︎「絶対に観にいく」2作品

月に一回、映画館に行く生活がしたい人向け

・墓泥棒と失われた女神 7/19 公開

チャレンジャーズで再びかなりホットな俳優となったジョシュオコナー主演最新作。
原題「LA CHIMERA」の通り、幻想と現実をテーマに、各カットの魅力で話題の一作。
80年代イタリアについては以前も触れたが、その舞台設定だけでも今観たいと思わさせられる。

古代の墓を見つけられる特殊能力を持ったジョシュオコナー演じる主人公の行き着く先と、揺れるように切り替わる(らしい)表現に大注目。

・ツイスターズ 8/1 公開

今夏の大穴映画。
圧倒的に面白い可能性と、気づいたら2時間ぐっすりの可能性の両方を秘めている。
予告、ちょいダサい。評判意外と良い。
そんな印象の本作だが、製作陣を見るとかなり本気度が高く、思いもしない映像体験の連続になるかもしれないなと期待している。
B級映画なんて存在しないので、斜に構えず観に行こう。


✔︎おそらく観にいく、期待の作品リスト
月2〜4(年間で24〜50本)の新作を映画館で観たい人におすすめ。

・フェラーリ 7/5 公開 

フェラーリ創設者、エンツォ・フェラーリの人生を、彼が起死回生の一撃の舞台として選んだロードレース「ミッレミリア」への挑戦とともに描いた一作。
映画でフェラーリといえば、2019年の「フォードvsフェラーリ」だが、そこで製作総指揮を務めていたのが、本作監督のマイケルマンであるところもかなりの胸熱ポイント。
もはや期待するなという方が無理な話になってくる。ティザーで既に美しい。

・メイ・ディセンバー ゆれる真実 7/5 公開 

トッドヘインズ監督最新作にして、なんだか久々な気もするナタリーポートマン主演(ジュリアンムーアとのダブル主演)作。
実際に起きた「メイディセンバー事件」を元に、映画というコンテンツそのものの倫理的な危うさや破壊性に触れる。
なお、本事件は「あるスキャンダルの覚え書き」として小説化、そしてケイトブランシェットら出演のもと一度映画化されている。
本作はそれらよりも、事件後の姿と映画というコンテンツへの示唆に富んでいるらしく、トッドヘインズの手腕も楽しみなところ。

・HOW TO HAVE SEX 7/19 公開 

モリーマニングウォーカー初長編監督作品。
同監督は「スクラッパー」の撮影監督だったらしく、映像については期待が膨らむ。
友情、恋愛、クラブミュージック、セックスをこれまた今季ヒット作を多く出す3人で構成される物語として描いた一作。
「うわー!あるなー!」と少し恥ずかしくもなりそうだが、かなり楽しみ。

・至福のレストラン 三つ星トロワグロ 8/23 公開 

この手の作品はあまりこれまで紹介してこなかったが、本作は楽しみ度合いが高いので選出。
55年間連続ミシュラン三つ星のフレンチレストラン「トロワグロ」に迫るのは、ドキュメンタリー映画監督の重鎮ワイズマン。
これは公式サイトで知ったが、トロワグロはパトリックブシャンが建てたらしく、映像に映る構造自体にも楽しみがある。

ドキュメンタリーをあまり観ない人には是非観てほしい。ワイズマンはかなり高齢なのでもう次はないかもしれない。


✔︎他注目作品(タイトルとティザーのみ)

個人的な興味は👀のマークで!

・ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ 7/12 公開 👀

・ある一生  7/12 公開 

・時々、私は考える 7/26 公開 👀👀

・幸せのイタリアーノ 7/26 公開

・コンセント 同意  8/2 公開 👀

・夏の終わりに願うこと 8/9 公開

・夜の外側 イタリアを震撼させた55日間 8/9 公開 👀


おしまい。笑ってるだけで腹筋割れたら楽だよね。

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