2024年、9月10月の観ておきたい作品ズ
自分の趣味って何かを、考える。
映画鑑賞も、スポーツも、確かに好きだがそれは果たして「趣味」と言えるのか、最近どうもわからなくなってきた。
世の中にはいろんな趣味の使われ方があると思う。
例えば会社や学校で聞かれた時に
「あぁ、この人はアクティブな人なんだ」
と思われたいがために、スポーツや何かしらの観戦の趣味を使ったり「自身が無害である」という、ある種の特徴のなさをアピールする文脈に依った趣味もよく見かける。“映画鑑賞”も体よくそこで使われがちかもしれない。
そういったアイデンティティの外化としての趣味の使用の一方で、本当に内在的な嗜好性としての「趣味」も変わらず存在している。
色々なことがビジネスと結び付けられてしまう現代で、この境界線はかなり曖昧になっているように感じる。
しかし、やはり趣味として掲げるのであれば、自分自身の内なる探究心や好奇心、止まることなく巡るめく思考のタネとして、しっかりと抱いていたいと、そうあって欲しいと私は思ってしまう。
そういう文脈で、最近の趣味はもっぱら古物である。なぜもっと早くにハマらなかったのかと自分でも疑問なほどに古物には果てしない面白さがある。
とにもかくにも、外に持っていくようなものでない時点で、もしくは家という至極私的な空間に意味を加えていく存在である時点で、自身の内在的な部分との対話が必須となる趣味になる。
考えてみれば、服や音楽、映画やアートと、自身を作り上げつつも、どこか外界との接点になっていた物事をほどほどに楽しみ切り、家づくりに傾倒し始めていたこのタイミングでこそ出会ったのかもしれない。
運命的なこととして、スピるのも今は良しとしたい。呪物とか集めたいし。
今は手始めに、祖父の蒐集していた木彫の熊と、やっぱり動物のオブジェクトから集め始めている。民族系のものは惹かれるものとそうでないものの差分が明確にあるが、何がそうしているのかさっぱりわからない。
自分の感性の中に、全くわからない部分があるってすごく幸せだ。
このまま言語化も理解もしないまま、自分の中の完全に不明な一部分が、時折ピーンッと弾かれ続けるものこそ、我が人生の趣味としておきたい。
ところで本来の趣旨に戻すと、このnoteを通じ、映画鑑賞が私にとっての古物のように、誰かにとってはまだ魅力があるのであれば、それをいつの間にか失ってしまった私であっても、その一助になれたのなら嬉しい。
9月10月はかなり楽しみなラインナップ。ガンガンいきましょう。
✔︎7月、8月のBest3
1,La chimera / アリーチェロルバケル
2,HOW TO HAVE SEX / モリーマニングウォーカー
3,きみの色 / 山田尚子
「夜の外側」は結局タイミングがなく、そのうち配信が来たらどこか貸し切って観たい。
三つ星トロワグロはまだ諦めてない。
✔︎「絶対に観にいく」2作品
月に一回、映画館に行く生活がしたい人向け
・ぼくのお日さま 9/13公開
「僕はイエス様が嫌い」の奥山大史監督最新作。
カンヌでの選出に裏付けられるように作品強度は折り紙つき。奥山監督といえば、個人的にはとても緻密な構成や映像を撮る監督とイメージしている。
ティザーのスケートリンクにおけるライティングの仕方だけで圧巻。カラーリングもすごく好みだ。
ストーリーはこれもまた、池松壮亮演じる元スケーターの講師とフィギュアスケートを習う少女、その少女に惹かれる吃音の少年による3人構成の物語。
池松壮亮×若葉竜也がこのタイミングで観られるというだけで、かなりの人気作品となる可能性も。
9月で最も誰かと行きやすい一本。
・JOKER Folie a Deux 10/11 公開
ジョーカーシリーズ2作目。DCコミック、ユニバースとは全く異なる扱いとして作られている作品であるため、今作から登場するレディーガガ演じるハーレイクインの持つ意味にも注目したい。
Folie a Deuxは、フランス語で「2人狂い」の意味らしい。片方の狂乱性が他方に移っていく精神障害を意味するそうで、ハーレイクインとジョーカーことアーサーの関係性をそのまま。といった感じ。
前作は貧困問題と世の中における善悪の観念に強くインパクトをもたらしていたが、今作はどうなるのか。IMAXで観なくてもいいかな。
✔︎おそらく観にいく、期待の作品リスト
月2〜4(年間で24〜50本)の新作を映画館で観たい人におすすめ。
・エイリアン・ロムルス 9/6 公開
この規模の作品がリアルタイムに観られるということも、そう長くは続かなさそうな昨今で、やはり観ておきたい大作。
海外では既に軒並み大ヒット。国内ではどうかなと思ったが、初動はそれなりな様子。
そんなことは置いておいたとして、リドリースコットも製作に名を連ねた本作。その映像を体験するということには確かな価値があると思う。
舞台となる宇宙船艦内の感じを体験するという意味でもIMAXがおすすめ。
いやはや、とてもキモチワルカッタ。
・ナミビアの砂漠 9/6 公開
国内注目度の高さで言えば、「ぼくのお日さま」よりも高いかもしれない本作。
山中監督の、想像を裏切ってくるコミュニケーション感覚が魅力的に思えた。
ただ、なんといっても主演の河合優実の演技に惹き込まれ、巻き込まれる。
好き嫌いは別れるかもしれないが、一方でどハマりする人続出の作品になりそう。
・Kinds of Kindness 9/27 公開
「Poor things」が記憶に新しいヨルゴス・ランティモス監督最新作。
私個人は、の話だがもうランティモスの作品をストーリーとかテーマとかでは観ないことにしたので、とにかく音楽と映像、カットに陶酔したいと思う。
しかし長い。寝たとしても、仕方がないと思う。
・悪魔とよふかし 10/4 公開
個人的なおすすめ作品。
このレトロ感を最大限誇張したような作風や、「TVショーに出た悪魔と繋がれる少女が実は悪魔そのものでした。そしてその裏で色んな人の思惑が交わってました。」的なストーリーも実にツボなのです。
と、まあただの趣味嗜好で推しているのみではなく、観てのお楽しみではあるものの10月の列強ラインナップに潜む良作だと期待している。
ホラーが苦手でなければ、試しに見てほしい。
・私は憎まない 10/4 公開
やはり1つは、映像や音響を手離しに、内容としてこういった作品も観る習慣をつけてほしいと思う。
パレスチナ難民であり、3人の娘と姪を戦争で失った医師が、敵国とされるイスラエルにおいて初のパレスチナ人医師となるまで、そしてその後の実話に基づく物語。
映画だって全てが正しい情報だとは到底思わないが、ネット上の数分で得られる情報に終始せず、劇場で2時間前後をそこに向けてみる。遠い国の話だからこそ、そういうフィジカルな体験から始めたいと思う。
✔︎他注目作品(タイトルとティザーのみ)
個人的な興味は👀のマークで!
今月来月は、邦画のラインナップが凄まじいです。是非、見てほしい。
・石がある 9/6 公開 👀👀👀
・ヒューマン・ポジション 9/14公開
・ぼくが生きてる、ふたつの世界 9/20 公開
・SUPER HAPPY FOREVER 9/27 公開 👀👀👀
・西湖畔に生きる 9/27 公開
・ふれる。 10/4 公開
・シビル・ウォー アメリカ最後の日 10/4 公開 👀
・二つの季節しかない村 10/11 公開
👀
・若き見知らぬ者たち 10/11 公開 👀👀👀
・ソウ X 10/18 公開
・ジョイランド わたしの願い 10/18
公開
おしまい。趣味だなんてたいそうなものにならないくらい、映画観まくろう。日常にしよう。
ベイビーわるきゅ〜れはもちろん観るよ。
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