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Mrs.GREEN APPLE『コロンブス』のMV問題、批判されるべきは我々のほうではないのか?

このご時世、本当によく炎上しますね。

ミセスの最新曲、コロンブスについて
MVでコロンブスはじめ偉人たちが
未開の地に踏み入れ、類人猿に教育する画が問題になっている。

「歴史的教養がない」と批判されているけれど、
さすがに無自覚にしては意図的な表現がありすぎますし
むしろ「先取りすぎて」あの表現になり、
「視聴者の教養(解釈力)がない」ため炎上
したように思われます。

文は全然ミセスのファンではないのですが、
誤解を見過ごすことはできないので、
思ったことをてきとーに書き下ろします。

all想像(私的解釈)です。

なぜあのMVになったのか

コカ・コーラへの高度な解釈/イメージ

前提として、この曲はコカ・コーラとのタイアップです。

大森さんのことをそんなに知っているわけではないけれど
真面目で完璧主義、平和主義な側面は
ファンじゃなくてもなんとなくわかります。

声をかけてくれたコカ・コーラの期待に背かぬよう
最大のリスペクトを込めたのは、容易に想像できます。

大森さんの謝罪文にこのような記述があります。

『年代別の歴史上の人物』『類人猿』『ホームパーティー』『楽しげなMV』という主なキーワードを、初期構想として提案しました

それは恐らく、コカ・コーラのイメージとして、

・年代や国を問わず飲まれ続けた
・水、炭酸、爽やか
・ホームパーティーで飲まれる
・砂糖や添加物の塊(身体に悪いもの)※重要
(↑大森さんの口からは絶対に言えないでしょう)

の要素があったのでしょう。

まーぶっちゃけ「悪」だけど、
それを「遊び」として昇華して、
「パーティー」という場で
「年代や国をまたいで」つなげるツールになるのでは、
それでいいのではないか?

といった視点で楽曲の作成に取り掛かっていそうです。

そこで、一見「悪=コロンブスの高揚」と思われるものの
「おかげ」で、「年代や国をまたいで進化を遂げた」。

そしてそれは、「炭酸の創造=泡=生命」があってからこそ、と。

楽曲とコーラへのリスペクトをつなげたのではないでしょうか。

アメリカへの高度な配慮

こんな歌詞があります。

「ごめんね」
それは一番難しい言
大人になる途中で
僕は言えなかった

まだまだまだ傷つけてしまう
哀に教わってる 今日も

そして、楽曲で一番伝えたいことの詰まっていることの多い
ブリッジの歌詞が以下です。

あなたとの相違は
私である為の呪いで
卑屈は絶えないが
そんな自分を
本当は嫌えない
あぁ 愛すべき名誉の負傷が
盛大に祝われる微妙が
大切な様な

「傷つけてしまったこと」や
「名誉の負傷」を
「謝りたい」。
そんな願いが、楽曲の随所から感じられます。

コカ・コーラ生みの親であるアメリカ。

支配されたから「文明の進化」や
「歴代の大逆転」がおきたアメリカ
に、
楽曲を通じて謝罪の意を代弁することで
間接的に励まし
平和を促進したかったのではないでしょうか。

「砂糖が多く身体に悪い」けど
「だからこそうまい!」コーラ。

「支配されて大虐殺が起きた」けど
「だからこそ文明の進化がおきた!」アメリ
カ。

この共通点を
大々的に宣伝されるであろうこの楽曲に
平和への願いとして、乗せたかったのではないでしょうか。

ミセスは視聴者にどんな反応を期待してMVを作成したか

恐らく、
意図して「侵略者ひどい!」というふうに
描きたかったんだと思います。

そして、それでも
過去をずっと悔やみ謝っていることを歌詞で知らせ
我々はやはり許し合おう、
コーラを通じて平和になろう、
悪だって遊びで盛り上げてパーティーに変換させよう
というメッセージが伝わり

「すごい、そういうことか!!」と感動する
視聴者の姿を期待したんだと思います。

(たしかに、誤解が起きることを先読みして
日本侵略のMVにしても良かったと思いますが、
そしたら自分の国に対して「ごめんね」と謝っていることになるので
自作自演チックな謝罪、慰めになってしまうのです。)

しかし、伝わりづらかったのでしょうね。

上記のキーワードが意図と異なる形で線で繋がった時に
何を連想させるのか、
あらゆる可能性を指摘して別軸の案まで至らなかった
我々の配慮不足が何よりの原因です

生まれると想定しなかった誤解の経緯が
この文章に表れています。

アーティストと一般人の感覚のズレ

アーティストは、一般人と異なる感覚を持っているからこそ
アーティストたりえますよね。

我々視聴者と、常に感覚の乖離があるということです。

なので、伝えたいことの真意について
視聴者が理解できるかは最後までわかりません。

感覚の乖離があることの解決策として、
きっと関係者を信頼したんだと思います。

自分たちはこのMVが視聴者の方に誤解なく伝わるかわからない
「しかし、これだけ一般的な感覚を持つ大勢のスタッフが良いと言っているのだから、きっと良いのだろう

そして、「きっとわかってくれるはず」、と
視聴者を信頼したのでしょう。

批判は、
果たしてMrs.GREEN APPLEだけに
向けていいものなのでしょうか。

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