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9日目:地域の“文化”祭は、最大の自己表現で溢れていた。

10月22日木曜日。

さて、前回は運動会のことを書いたけども…、書くことありすぎてめちゃんこ長くなってしまった(笑)あれ、一日分の量じゃなかったね。

運動会の一連の流れを書くだけでも情報量が多すぎて、こめ氏のこととか終わった後のことまで入れるとだいぶ長い。
書いた後、自分で読んで「長えぇ!」ってなった。
次からはまとめ方を考えてもいいかもしれない。

今日は運動会と同日に行われた文化祭について紹介していきます。

文化祭の作品は23日まで講堂に展示することになっていたので、運動会中にはじっくり見られなかった私も、今日はゆっくり見てまわれそうです。

大保木公民館には文化的なサークル活動に、大正琴、手芸、かずら細工があります。

今年は大正琴の演奏発表はなく、手芸とかずら細工、そこに人権団体も加わって、3部門から各々の手掛けた作品を展示することになっています。

まず、こちらは手芸のコーナー。
落ち着いた色のハンドバッグから始まります。

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次に隣の和風タペストリーが目を引きます。

え、これ本当に大保木の皆さんが作ったの!?

そう驚くくらい、一針一針、丁寧に縫われている作品。仕上がりは大したもので、商品としても十分通用するレベルと思います。

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十二支を並べた柄はもう、呉服店の入り口や和風の雑貨店に掛けられていてもおかしくないんじゃないかっていうくらい。細かくきちんと縫われています。それにかわいい。

ふっと下を見て、
わっ、かわいいいいい!
と思わず女子モード全開になった私はあるものを見つけました。それは…

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重箱入りのかわいいお花たち。
色とりどりの花々が、ぎゅっと箱の中に納まって、縦に4つ、横に4つ並んでおります。

すべての花の形や大きさを整っているので、隙間なく詰まっていて、それでいてちょっと溢れている感じが程よく個々の花を主張しているようで、なんとも可愛らしい作品。

お重の蓋を開けた瞬間、こんな光景が目に飛び込んで来たら素敵すぎるんですけどっ!
可愛いもの好きな女性のサプライズに持って来いなのでは。
こめ氏がそんなサプライズされてみたい…。。。

会場の端から作品を一挙に写真に収めようとすると…

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こんな感じに…!
創作タペストリーがずらっと整然と並び、下には花のお重など花小物、さらにはもう一つタペストリーが。
多くて収まりきらなかったっ…!

これ全部、この一年の間に作ったものなんだそうです。
60歳以上、なかには70歳を超えている皆さんが一年かけて作った作品です。(2回目)

見る限りは大きな作品をみんなでつくる、というスタイルではなく、作品のテーマや作るものを決めて個々に制作を行っているようなので、一人で6作品ほどは作っていると思われます。

これだけの数を一年って…。
手芸サークルの方のなかには大正琴など他のサークル活動にも参加している方々もいる。
そう考えると、日々やることが盛りだくさんだぁ。

もちろん、家にいる時間が長い人は多いのだろうけど、それでもその時間をもっぱら費やしているのではと思うほど、こなしている量がすごく多いなと思う。
手際よくというか手馴れていないとここまでできなそうだ。

続いて、かずら細工コーナーへ。

かずら細工とは、かずら(つる草)を編んで作られる工芸品で、日本各地でもよく作られている。大保木の人は大保木でとれるかずらを使って、平成11年から今日までずっと作り続けているとのこと。素朴でありながら文化的な作品なのです。

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きれいに編み込まれてカゴの形ができています。

自然のものっぽく作ったり、ニスでコーティングしたりすると、しっかりしているし高級そうにもなるのだけど、そうではなくて自然の素材をそのまま活かしているというのが、ほんとのかずら細工の見どころです。

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作った商品のいくつかは販売もしていました。
心を込めて作った小物が勢ぞろい。多くの人の手に届いたらいいな。

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今日は、体育館を一周して文化祭の品々を紹介してきました。

ちなみに前日準備のときの様子がこちら。

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皆さん協力し合って、展示の準備に励みます。
準備のときは時間の都合で、講堂中央にあったこちらの置物にしか注目できなかったのだけど、

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よーく近くで見てみると…、

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実は手づくりなんです…!大半は紙で出来ているのだそう。ぜんっぜん気づかなかった!

こういう木や花があるのかと思った。すごく丁寧に繊細につくられてるなぁ。枝は拾ってきたものに茶色や黒、緑などをペンキで塗って仕上げたとのこと。
手芸サークルの中にはこんなものを作り上げちゃう人もいるのかと、こなす幅の広さにも驚きました。

また、文化祭当日、会場の一角は人権団体による作品展示コーナーになっていました。
(作品が染みて思わず気持ちが高ぶってしまったので、以下、個人的な内容をとても含みます。興味の無い方は太字だけ読んでとばしてください)

三重県在住の中森宜光氏による、手書きの置物や額が間隔を程よくあけて並んでいます。

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作品には名言や格言が綴られていて、人生 先が見えなくなったときに触れたい言葉がたくさんです。
こめ氏もすべての作品に目を通しました。沁みます。文字も味があって、柔らかくって、読んでいる人を包み込んでくれるようなやさしさを感じます。

中でもこめ氏の心に響いた作品の言葉を2点、ご紹介したいと思います。

※最初は写真を掲載していたのだけど、展示されているからと言って撮影許可をいただいるわけではなかったので、あんまり載せるのもどうかなと思い、主に文章により紹介させていただきます。

まずはこちら。

『なげたらあかん 流されたらあかん悔やんで泣いて 悩んで苦しんで  太くなる』


自分のやっていること、全部ではないけど、こんな言葉が響いてくる局面ってある。
悔んで泣いて悩んで苦しんで、また一回り成長するんだよね。
人って、どうしても楽な方に…ってなってしまいがちだ。
でも、この文章にもあるくらい、頭も体も心も使うことの方が、あとあと自分に返ってくるものが大きい。
あんまり負荷がかかりすぎると、全体的に自分を壊すこともあるので注意が必要だけど、

楽な方ではなく、誰かが悔むほど楽しい方を。
誰かを頼って涙したり、その誰かと泣けるほど感動できる方を。
寝ても覚めても考えて悩んでしまうほどの、わくわくする方を。
その気もないことをただこなして苦しむのではなく、苦しくても自分の力を伸ばせる方を。

選んでいけるようになるのが理想的かなあ、と思うなあ。

続いてこちら。

『能力じゃなく 経験でもなく    姿勢なんやね』


一目見て、頷いた。
うん、そうだと思う。そうです。

この言葉を見ると、就活のときのことを思い出す。と言っても、こめ氏はろくに就活らしい就活をしてこなかったので、実際の就活とはだいぶ違うと思うけれど。

就職の件で企業に問い合わせたときに「どういう技術やスキルを持ってるの?」って質問されると、うっ、てなった。
そんな答えられるようなもの、持ち合わせてない。

就活でも言われたことがあるけれども、学生のときに、そこに行ってみたいです!それをやってみたいです!的な連絡をある方にしたことがある。
それはそんなに能力的なものはとくに問うような内容ではなかったと思う。

だけどもその方に言われて、どきっとしたうえに、少し悲しくなった言葉に
「あなたは何ができるの?」という一言がある。

けっこう、刺さった。ありがちな質問だけど、実はけっこう攻めている一言だと思うし、言われて一瞬怯んでしまうというか、えっと…ってなってしまう人も多いと思う。

逆にいうと何かできなきゃだめなの? 何かできる私じゃなければ認めてもらえない? 逆に聞くけど、あなたは何ができるの? あなたが何かできる、と言うとしたら、もしくは私をできると認めるとしたら、それはどういう基準で決めて言うの?誰かとの比較?他人?過去の自分?
なんかもうすごいもやもやした。
この「どういう基準で"できる"と言うのか問題」はいつか取り上げたい。議論しましょう。

…はい、話がだいぶそれましたね。途中、息が上がりました(笑) 話し始めると止まらなくなって思うままに綴ってしまう。
これでまた長くなるのだから。いかん。

まあ、要するに、私だって、特別優れた能力も目立った経歴もない。
でも、「そうしたいんだ!」という気持ちがある限り、その気持ちを大切にしたらいいと思うし、しっかり相手に伝えていけばいい。
それで、わかってくれる相手を選んでいったらいい。
姿勢はとことん見せる。そしてその姿勢を買ってくれる人のところや場所へ行くべきだ。
それでこそ、自分は活かされる。能力と経験は二の次だと思う。


大保木の人による、大保木のものの、大保木の人が作ったものの発表、
まさに大保木の人のための文化祭。

売れるものとか、同じものを大量生産とか、そういうことではなくて、
だからと言って時代に逆行しているとかそんなことは全くなくて。

一つ一つ少しずつ見せる姿が違うところに、個々の味とか良さが出るし、
似ているようで違うからこそ見る甲斐があって、
手づくりだから温かみや趣もあって、
生きている"時"を作品にして、丁寧に紡いでいるように思える。
最大の自己表現だなぁって。

そもそも作品展示って、文化祭ってそういうものなんだよなあ。


世の中には、自己満足って言われることがあっても、それでいいことって、思ってるよりけっこうあるのかもしれない。

なんとなく、そんなことを思った時間でした。

数々の素晴らしい作品と出会えたことに感謝して、大量のかかしがお出迎えしてくれた講堂を去りたいと思います。


以上、今日の大保木でした。
30分も講堂に籠っていた人より。

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