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コミュニケーションの心理学10 確証バイアス

苦手な人の嫌なところばかりが目についてしまうという経験はありませんか?

人には確証バイアスという、考え方のクセのようなものがあります。

バイアスとは、先入観や偏りという意味です。私たちは、無意識のうちに自分に都合のいいことばかりを見ています。

そして、都合の悪いことは無視したり、見ようとしなかったりする傾向があります。

1.確証バイアスとは

確証バイアスとは、無意識のうちに自分に都合のいい情報ばかりを集めてしまい、都合の悪い情報を無視したり集めようとしなかったりする傾向のことをいいます。

たとえば、嫌いな人の嫌なところばかりが目についてしまうのは、確証バイアスによるものです。

同じことを注意されても、尊敬する上司だと納得できるのに、苦手な先輩だと反発したくなることも、確証バイアスによるものです。

確証バイアスは、仕事やビジネスの場面はもちろん、日常生活の様々な場面で見られます。

2.確証バイアスが起きる理由

①固定観念や先入観

誰にでも、物事に対するその人なりの考えや意識が固定観念としてあります。しかし、固定観念による思い込みから、無意識のうちに物事に対して先入観を持ってしまうことがあります。例えば、「血液型がA型だから几帳面な人」「運動部の人はガッツがある」などです。

②正当化

人には自分が正しいと思う傾向があります。このため、自分の考えや意識を正当化するために確証バイアスが働きます。たとえば、購入したいと思う商品について、良い情報ばかりを集めて、ネガティブな情報には目がいかないことがあります。問題のある恋人の欠点や問題点を無視して、良い面ばかりを信じてしまい、別れられないということもあります。

確証バイアスが強まると、物事に対して適切な判断ができず、人間関係でも悪影響が生じることがありますので注意が必要です。

3.確証バイアスと上手に付き合う

苦手な人と接するときは、つい嫌な面ばかりに目がいきがちです。

しかし、たとえ嫌いな人だったとしても、良いところがまったくないということはないはずです。

確証バイアスが強いと、不合理な判断をしてしまいやすくなります。確証バイアスがあることを理解し、できているところや、上手くいっているところ、良いところにも意識を向けることで、苦手な人とでも仲良くできる可能性があります。

また、確証バイアスがあることを自覚し、他人の意見にも耳を傾けることを心がけたり、メリットだけでなくデメリットについても考えてみたりすることで、心の視野を広げて物事を判断することにつながります。

まとめ

確証バイアスは、誰にでもあります。

ですから、まずは自分にも確証バイアスがあることを自覚することが大切です。

確証バイアスと上手に付き合うことで、大事な場面で物事を適切に判断できるように心がけましょう。

「周りの人の意見に、耳を傾けていますか?」

おりやまあさひ

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