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コミュニケーションの心理学9 メラビアンの法則
人は「中身が大切」だといわれますが、「見た目が9割」ともいわれます。
もちろん中身も大切ですが、人と接するときには、言葉ではないコミュニケーションにも気を配ることが重要です。
メラビアンの法則は、仕事や日頃のコミュニケーションはもちろん、恋愛の場面など、人と接する様々な場面で活用することができます。
1.メラビアンの法則とは
アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアン先生が、言葉・声・表情で矛盾する情報を発した場合、どの項目が一番相手に影響を与えるのかを実験したところ、次のような結果になりました。
言語情報(Verbal) 7%
聴覚情報(Vocal) 38%
視覚情報(Visual) 55%
この結果から、メラビアンの法則は3Vの法則、7-38-55のルールとも呼ばれます。
2.メラビアンの法則の活用方法
コミュニケーションは、大きく分けて2つあります。1つは言語情報を使ったコミュニケーション(バーバル)、もう一つは聴覚情報や視覚情報による非言語のコミュニケーション(ノンバーバル)です。
メラビアンの法則から、非言語のコミュニケーションが相手に大きな影響を与えていることがわかります。
ですから、相手に受け取ってもらえるように伝えるためには、話す速さや声のトーン、身だしなみや顔の表情など、非言語のコミュニケーションにも気を配るようにしましょう。
相手に伝えたい大切なことを受け取ってもらえるように話すためには、次の3つのポイントを意識するといいでしょう。
①表情で話す
例えば、嬉しい話や楽しい話は、口角を上げて、笑顔を意識して話します。悲しい話やまじめな話は、真剣な表情で話すなど、表情を豊かに話すことを心がけましょう。
②気持ちを込めて話す
例えば、嬉しい話や楽しい話は、嬉しい気持ちや楽しい気持ちが伝わるように、明るい声のトーンで、抑揚をつけて話すように心がけるといいでしょう。悲しい話や、真面目な話は、真剣に話します。
③わかりやすい言葉で話す
相手に伝わるように話す上で、相手にもわかる言葉を使うことが大切です。専門用語や、難しい言葉ばかりを使うと、相手はその言葉が引っかかって、話の先にある大切な部分を理解するのが難しくなってしまいます。わかりやすい言葉を使うことを心がけましょう。
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3つのポイントを意識して話すことは、あなたの印象を高めることにもつながります。
仕事やビジネスの場面や、恋愛の場面など、相手に伝えたい大切なことを受け取ってもらえるように話す必要があるときには、非言語のコミュニケーションにも気を配るようにしましょう。
3.メラビアンの法則の注意点
メラビアン先生の実験結果では、言語情報(バーバル)が相手に与える影響は1割未満となっています。
このため、「見た目が大切」「話の内容よりもテクニックが大事」といった誤解が生じることがあります。
しかし、コミュニケーションには目的がありますので、実際には何を話すのか「話の内容」も重要です。
メラビアンの法則からわかっていることは、話の内容はもちろん重要で、その上で非言語のコミュニケーションにも気を配ることが大切なのだということを忘れないようにしましょう。
まとめ
メラビアンの法則から、何を話すかはもちろん大切ですが、どのように話すかがとても重要だということがわかります。
より良いコミュニケーションを通じて、相手との関係性を深めていくために、日頃から言葉ではない非言語のコミュニケーションにも気を配るようにしましょう。
「伝わるように話すために、何を心がけますか?」