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パキプス100粒実生チャレンジ vol.01
インテリアグリーンを探していたらオペルクリカリア・パキプスを好きになってしまいまして、タネを100粒買ってイチから育ててみようというチャレンジを始めてみます。たくさん芽が出て家中パキプスだらけになったらどうしましょう。
きっかけ
灌木系で葉っぱの小さいものが好みでオペルクリカリア・パキプスにたどり着き、これいいなと思って価格を見たものが40万円だったことに驚き、どうせならイチから育ててみたいなと思ったのが始まりでした。
メルカリで一番安いタネを探したら3粒1000円のものがあり、合わせてヒーターマットなども買って播種してみたものの全く発芽せず。ハズレを掴まされたんだなと理解。
ここで悔しくなって「どうせなら100粒くらいどーんと撒いて、大きくなって場所がなくなったらメルカリで売ればいいか」と考えてしまったのです。いろいろ調べた結果、国内だとそもそも在庫があるショップさんが見当たらず、いくつかのネット記事でケーレスをおすすめしていたので100粒購入してみました。タイミング悪く円安がひどい時だったので
タネ100粒:3万くらい
検疫証明書や送料:1万くらい
で@400円くらいになりました。
到着
2022年の12月頭に注文してから3週間くらいで到着。Google翻訳等も使いながら英語が多少読み書きできれば大丈夫そうです。送金はWiseを使いました。
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播種
せっかく100粒もあるので色々パターンを変えて検証してみます。
削り方違いで3パターン。
タネの側面を削る
タネの上下どちらかを削る
削らない
水1Lに対しメネデール10ml(=100倍希釈)+ベンレート1包0.5g(=2000倍希釈)を溶かし、小さいビニールバックに入れて24時間置いておきます。
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さらに好光性なのか嫌光性なのかをネットでがんばって調べたのですがなかなか良い情報が得られず、自分でテストしてみようと思い
覆土あり (用土の上に種を置いて赤玉細粒を5mmくらいかける)
覆土なし (湿度維持のために透明のプラスチックでフタをする)
も用意。削り方3パターン ✕ 覆土ありなし2パターン = 合計6パターンとなりました。それぞれ10粒で、合計60粒。残り40粒は検証結果次第で撒き方を変えて、発芽確率を上げようという魂胆です。
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これを簡易温室に入れてヒーターで30〜35℃くらいになるように管理しています。1日に2〜3回、余分に作っておいたメネデール+ベンレート水を霧吹き。腰水は水道水です。
最初は温度計を入れて目視していたのですが、追ってSwitchbotを導入して一定の温度になるとヒーターのスイッチをオン/オフするようにしました。Swithbotはとても便利でおすすめなのですが、たまに指定の温度に達してもヒーターがオフにならないことがあって、40℃オーバーになってしまうことが2回ほどあり…徐々に設定温度を細かくチューニングするスキルを身に着け、だいぶストライクゾーンの温度帯を維持できるようになった気がします。
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経過
播種から3日目
早いと3日で発芽するとどこかの記事で見ていたのと、この日がちょうどクリスマスだったので期待してしまったのですが、生えてきたのは糸カビさんのみ。カビが発生したものは周りに広がりそうなら撤去、少しだけならベンレート水を吹き付けて見なかったことにしています。
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播種から8日目
殻から白い何かが出てきて「とうとう根が出たか!」と思い見守っていたのですがヌカ喜びでした。だいたいこれが出てくるとそこからカビていくことが多かったです
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播種から2週間
ぜんぜん動きがないので少し諦めモードに。覆土したものを一度掘り起こして様子を見てみます。発芽らしきものは見当たらず。
そしてけっこう気持ち悪い画像なので気になる方はスクロールして飛ばしていただきたいのですが、胚珠がうっすら見えるところまで削ってしまったものはモコモコと白いものが増殖しており、殻から飛び出てきていました。ピンセットで触ってみるとクリーム状で、これが根になり発芽するとは思えない感触。
発芽はできないくらい活力がないが、細胞分裂はするのでこうなるのかな?と勝手に理解しているのですが、詳しい方いらしたら教えていただけると嬉しいです。(特に、これが出てきてしまったタネでも復活の見込みがあるのか or もうアウトなのかどうかを知りたい)
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そこで一度刺激を入れてやろうとAmazonでこんなものを買っておきました。"おまじない"とよく言われているメネデール、二価鉄がどう作用しているのかいまいち分からずに使っていたのですが、ジベレリンは発芽や生育に影響する植物ホルモンということで、素人ながら何やら効果がありそうな気がしています。
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白いものが飛び出てきているダメそうなものを弾いて、一度洗ったあとにジベレリン溶液に1日漬けました。
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またこのタイミングで「きちんと用土を用意して、さらに覆土してしまうと管理が非常にめんどくさい (どうせ発芽する確率も低そうだし)」ということを学んだので、100均でプラパックと種まき用トレイを買ってきて、こんな感じで管理することにしました。土はバーミキュライト、うっすら腰水状態。上からベンレート水を霧吹き。プラパックを輪ゴムで止めれば湿度維持もバッチリです。
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播種から1ヶ月
動きがないどころか、徐々に糸カビすら出てこなくなってきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1676660279339-hvVrbD1wa4.jpg?width=1200)
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この記事を書いている時点でさらに1ヶ月くらい経っているのですが発芽なし。
パキプス100粒実生チャレンジ vol.1、初回の60粒は全滅という結果でした。。。自分のスキル不足なのか、何が悪かったのか分からず、ずっとモヤモヤしてしまいます。「ケーレスのタネならメルカリで出品されているものより信用できるし、60粒撒いて発芽率20%でも10株以上か〜、管理が大変になっちゃうな」と脳内お花畑だった過去の自分を深く反省したのでした。
まとめ
ここまでの経過で得られた経験は
胚珠が見えるまで削ってしまったらアウト
→野菜の種ではタネの端っこを爪切りでカットすると発芽率が上がるなどあるそうですが、パキプスは白いモニャモニャが出てきてしまうのでダメそうです。(もしかすると鮮度が良くて活力のあるタネなら、そこから元気よく根が出てくるのかもしれませんが..)発芽ゼロなので好光性 or 嫌光性どちらなのかわからなかった
ジベレリンに効果があるのかどうかもわからなかった
発芽率が低い植物は、用土をしっかり用意して直接播種するより、種まき用の環境を作ってコンパクトに管理したほうがラク
Switchbotはとてもオススメ。温度計とプラグミニのセットでスマート温室が作れます
温室の温度管理は難しい
→自作した簡易温室は、無印シェルフにプラダンを貼り園芸用ビニールシートで覆ったものなのですが、それでもわりと外気の影響を受けやすいのと、ヒーター近くと遠くの温度差がかなりありました。ヒーター直上が50℃オーバーになっても、ヒーターから遠いところは20℃台だったりします。ログの取れる温度計を買って温室内のエリアごとにデータを取ってみることをおすすめします。
というわけで、パキプス実生のノウハウというよりは、環境や設備面での学びが多かったような気がします。無駄ではなかったと信じたい。