見出し画像

中国留学記‐中国政府奨学金出願編‐

無事に中国に着き、数日が経った。到着して学校の手続きをし、寮の近辺を探検しつつ買い物をし、SIMカードを買ったり銀行口座を開いたりしていたら週末になった。まだ学校も始まらないため、中秋節明けまではのんびり過ごそうと思う。

ちなみにルームメイトはフランス人。中国語初心者のため、部屋ではもっぱら英語を使う。中国に来たというのに、英語を話している時間の方が多い気がする。

さて、入学手続きも終えて学生証も受け取り、正式に留学生の身分を手に入れたので、少し振り返って奨学金の出願のことを思い出せる限り書いてみようと思う。以下、長くはなるが2024年度の出願時点の情報として、誰かの参考になればと思う。


出願~国内選考通過まで

12月

中国政府奨学金の存在を知り、検索してみたらなんと募集期間中。月末締切?いけるな?ということで勢いで出願する。
なお応募先としては2つあり、日中友好協会経由とJASSO経由がある。私は必要書類と締切の関係からJASSOの方を選んだ。

JASSOの書類選考に必要なものは下記の通り。
これは社会人のケースのため、学生の場合は少し異なることをご留意願いたい。また、語学留学(漢語進修生)の出願のため、学部や院とも異なる。
・最終学歴の成績証明書と卒業証明書
・パスポートのコピー
・和文出願書(写真を付し、履歴書のような書式だったと記憶している)
・学習計画書
・語学力を証明するもの(HSKの成績表など)

必要な書類のうち、最も時間がかかるのは最終学歴の成績証明書と卒業証明書。特に私のように卒業してから時間が経っている社会人は取り寄せになる。私の大学では郵送で申請・取り寄せだったため、普通郵便なら1週間以上かかった。勢いで出願を決めたときにまず第一にこの証明書類の取り寄せを行い、届くのを待ちながら他書類を揃えていくという感じだった。

※日中友好協会経由だと書類選考時点で留学希望大学の受入内諾書(录取通知书)と中国語での志望動機書が必要、かつ締切が12月20日と早めだったので厳しいと判断。締切までに申請費用を支払う必要もあり、平日に銀行に行くのが難しい社会人にはこの点でも難易度が高かった。

必要書類を揃え、締切2日前くらいに指定された宛先に送った。
なお、書類はすべてPDF化し、指定された順番に並べて番号を付す必要がある。ちなみに書類については郵送でも受け付けているが、募集要項にある通りかなりの部数を印刷する必要がある。郵送費用も考慮すれば、オンラインで申請する方がいいだろう。

1月

書類選考の結果が出たのは確か1月半ば頃。ここから面接まで1ヶ月ほどあるわけだが、のんびりもしていられない。体格検査の受診と受入内諾書の準備が必要になる。
面接選考後にCSCという中国政府奨学金のシステムへの登録と必要書類のアップロードをしなくてはならない。その中に体格検査表(健康診断の結果表)があり、これは中国渡航や中国留学に対応している病院で健康診断を受ける必要がある。結果の受け取りに1週間を要するため、面接選考の結果を待ってからではシステムでの申請締切に間に合わないのである。

東京で受診するのであれば、私が知っているのは下記の2つの病院がある。
日中友好医院:要予約。料金は予約の電話にて(目安は3~4万円)。結果は郵送。
協和医院:予約不要。サイト上では料金は28500円と案内がある。結果は窓口受取または郵送。

注意点としては、郵送の場合は書留での送付になるため、対面での受取が必要になること。なぜかレントゲンの写真ももらえるのは少し面白い。
なお、私は日中友好医院へ行ったが、当時は北京にある大学が第一希望だったため渡航先を北京と伝えたところ、腹部エコーが追加されて計4万円だった(そして結局北京ではなくなったので、不要だったのかもしれない)。
体格検査の結果の有効期限は6ヶ月。つまり、渡航する9月には期限切れになるため、あくまでCSCへのアップロードへ使うだけであることは念頭に置いておくといいかもしれない。

受入内諾書(录取通知书)については、希望大学の留学生課に「中国政府奨学金で秋からそちらの語学コースに留学したい。申請に必要なので受入内諾書を欲しい」という旨を英語で送ったところ、向こうから発行に必要なフォームだったり、「フルネームとパスポート番号を教えてほしい」などの返信があり、漏れのないよう送ったら案外あっさりもらえた。しかし、留学生課の対応速度に差があること、春節休暇も意識して連絡をする必要がある。

2月

2月半ば、いよいよ面接試験。Zoomを使用してオンラインで行われた。
前日に接続テストがあり、本番と同じ環境で参加する必要がある。だが、私は当時出社していたこと、仕事のため参加できない旨を連絡したところ問題なかった。必須なのでなるべく参加できることが望ましいが、きちんと連絡をすれば合否に影響はないことをお伝えしたい。

面接当日。時間までにZoomの面接用リンクにアクセスし、名前を「受験番号+漢字氏名フルネーム」に変更しておく。
面接は面接官5人、受験者5人のグループ面接だった。聞かれた質問は、うろ覚えだが以下のようなものだったと思う。
①志望動機
②留学後、帰国してからの計画
③中国留学までに、主に語学力向上のためにやること
④あなたの故郷の特産物(中国語での質問)

①と②については、書類で提出した学習計画書に沿って答えた。面接官は書類を見ながら聞いているようだったので、事前にもう一度読み直しておき、齟齬のないようにしておく。
③については少し圧迫面接気味だった。私と同じグループにいたHSK4級以下の人たちはかなり詰められていた。私も内心ビビッていたが、「HSK5級を持っているので、現地での授業は問題ないでしょう」とのことだった。書類提出に間に合わずとも、面接までにHSK5級に合格していると有利かもしれない。
④は中国人の面接官による中国語での質問である。中国語で「你的家乡在哪里?那里的特产是什么?」といった聞き方だったと思う。回答としては、自分の故郷はどこで、そこの特産について端的に言えばよい。
いかんせん家乡と特产という単語はおそらくHSK4級レベルのため、なかなか難しい単語を使ってくるなあと思ったものである。

面接のポイントとしては、提出した書類(特に学習計画書)を改めて見直しておくこと現地に行くまでにどのようにしてどこまで中国語力を上げるか明確にしておくことグループ面接で時間制限もあるため回答は端的かつ簡潔にすること、という感じだろうか。中国語の質問については予想ができないが、自分のことについて中国語で話せるようになっておくくらいしか対策が思いつかない。
また、事前に調べていた中で「JASSOの面接は圧迫面接」という情報があり、これは本当だったなあと後で思った。だが、就職や転職の面接を経験している社会人としては、何も怖がる必要はない。この点は、社会人受検者としてよかった点である。

3月

面接の結果は2月下旬に発表される。そしてそこから1週間あるかないかの3月1日がCSCアップロード期限である。

必要書類は下記の通り。
・中国語での学習計画書
・パスポートのコピー
・語学力を証明できるもの
・体格検査表
・無犯罪証明書(JASSOのページからダウンロード可能)
・希望大学の受入内諾書(录取通知书)


私はここで中国語の学習計画書が必要なことを失念しており、付け焼刃レベルの中国語でなんとか書き上げたので、これも面接前に準備しておくこと、そしてできるならばネイティブにチェックしてもらうことを強くおすすめする。
この学習計画書は、漢語進修生の字数制限は中国語で500字以上、字数も記入する。私はどう読み間違えたのか500字以内と勘違いして460字くらいで提出したことにアップロード後に気づいた(アップロード後の再提出は不可)。だが、結果として合格したので字数はあまり関係なかったのかもしれない。

ポイントとしては、締切直前はシステムへのアクセス集中が考えられるためなるべく早めにアップロードすること。できれば前日にはすべて済ませてしまった方が安心できるだろう。そして、学習計画書等の字数制限はしっかり確認すること。面接前にすべての書類を揃えておくくらいの心持ちで準備をすること。

3月以降はひたすら気を揉みながら待つ。最終結果は7月。
とりあえず中国語の勉強は続けつつ、不合格だった場合のことも軽く考えつつ、あるいは言霊的に「私9月から中国に行くんだ~!」と友人たちに話したりした。いろんな人の体験談を漁りながら、中国の変化のスピードを感じたりした。前年度の情報さえあてにならないこともある(CSCに受入内諾書のアップロードが必要になったこととか)。

いざ来てしまえば、待ち続けたそんな日々も少し懐かしい。
7月の結果が出てから渡航までのことは、またの機会に書こうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?