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コルカタ最大のお祭り ドゥルガー・プージャー
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コルカタ最大のお祭りといえば、やはりドゥルガー・プージャーだろう。コルカタはヒンドゥー教の女神であるドゥルガー信仰の中心地といえる。コルカタ以外の町や村でもドゥルガー・プージャーは行われているが、まさに「お祭り騒ぎ」という表現にぴったりなのは、インド全土でもコルカタだと言い切れる。
その最大の特徴は、パンダル・ホッピングだ。パンダルとは、一般的に「仮小屋、大天幕」といった意味がある。ドゥルガー・プージャーでは、プージャーの期間だけ神像が祭られている建物・建築物をパンダルと呼んでいる。「期間限定の仮設寺院」と考えて良いだろう。パンダル・ホッピングは、これらの寺院を見て回ることである。
パンダル・ホッピングは昼夜を問わず可能だが、特に夜はライトアップが美しく、カップルや家族連れでごった返す。屋台も立ち並び、日本に置き換えると、「初詣のハシゴ」といった雰囲気だ。車を貸しきったり、バイクにまたがって、次々とドゥルガーを参拝して回り、年に1度の夜を満喫するのである。
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さて、パンダルは「仮設寺院」としたものの、ヒンドゥー寺院のような外観ではない。パンダルごとに面白い特徴がある。竹細工のもの、メタリックなもの、ワイヤーづくりのものと様々だ。同じように、祭られているドゥルガーも非常に個性的である。コルカタ内でも大小1,500以上あるといわれているパンダルだが、特に、「テーマ・パンダル」と呼ばれるものは毎年テーマを決めてデザインされ、かなり凝ったパンダルが製作されるため人気が高い。このテーマ・パンダルは1990年代後半から地元の美術学校によって進められ、現在のパンダル・ホッピングの立役者である。このように、パンダルにはモダン・アートの一面も持ち合わせている。その年で最も優れていると評価されたパンダルには、優秀賞が贈られる。
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全ての神像は、プージャーの後にはガンガー(コルカタに流れているのはフーグリー川だが、ガンガーの支流でもある)に流してしまう。プージャーが終わりを迎えるころには、あちこちで「神様のお見送り」がみられる。普段はこれでもかクラクションを鳴らすコルカタのドライバーたちも、神様がお乗りになったトラック相手にクラクションを鳴らすことはせず、渋滞の中じっと行方を見守っている。
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暗闇に浮かぶドゥルガーのシルエット。ガンガーにゆっくりと沈むドゥルガーを眺めながら、人々は感謝の祈りを捧げるのである。