花の雨が、降ると言います
あの子のことを想うとき。
あの子の頭の上には、
ひらひらと花が舞っていることでしょう。
それは、鮮やかな色とりどりの花でしょうか。
それは、曼珠沙華のように真っ赤な花でしょうか。
それは、あの子によく似合うかわいらしい黄色の花でしょうか。
それとも、涙を綴じたような透きとおる青い花でしょうか。
それがどんな花でも良いのです。
お空の向こうで、あの子がさみしい思いをしていないのなら。
あの子が、お腹を空かせていないのなら。
あの子が、楽しく過ごせているのなら。
あの子が、しあわせであるのなら。
「窒息しちゃうよ(笑)」と、あの子に笑われてしまうでしょうか。
でもどうか、許してください。
もう触れることの叶わないあなたのぬくもりを
思い出さずにはいられないのです。
ここにはいない、あなたのしあわせを
祈らずにはいられないのです。
月日の流れに逆らえず薄れていく、
あなたの気配を忘れたくないのです。
あの子のことを想うとき、花の雨が降ると言います。