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精神病院の柄谷行人とフーコー(統合失調症)

前回、佐賀の精神病院の入院仲間について書いた記事が、好評を博したので、また書きます。応援ありがとうございます!

 

病院には、閉鎖病棟(病棟に閉じ込められる)と解放病棟(自由に出入りできる)があるのですが、ぼくが閉鎖病棟に居た時、テレビドラマ「白い巨塔」の如く、十五人くらいの若い医師を引き連れ、ヴェテランの医師が回診にいらっしゃいました。ぼくは、病室に、フランスの哲学者、ミッシェル・フーコーの著書を置いていたのですが、それを、医師がご覧になって、昔、フーコーが、この病院を視察に来たんだよね、とゆう話をしてくださいました。東京の人間が佐賀で二回目の入院をして、初めてそのことを知りました。思えば、それが呼び水だったのでしょうね。解放病棟でも、哲学者の柄谷行人さんのファンの方の辱知を得ました。

 

解放病棟に移ったとき、柄谷ファンのおじさんが、よく解放病棟に移って来れたね、と握手してくださいました。おじさんは、病室にも、柄谷行人の難解な著、「トランスクリティーク」を持ち込んでいて、それがバイブルだ、と仰っておりました。おじさんは、青いパーカーを着ていて、長髪で、もともと、東京でお笑い芸人を目指していて、ダウンタウンが好きなことでも気が合って、同じ統合失調症で、他者から憑依されていることなどから、強い結びつきがありました。喫煙所でも大喜利をやったり。

 

おじさんは、なぜ長髪なのかとゆうと、女優の中谷美紀さんが好きで、同じ髪型にしているとのことでした。「マイブーム」、「ゆるキャラ」、「老いるショック」などの名付け親のみうらじゅん氏も、女優の栗田ひろみさんと同じ髪型にしていることを思い出しました。ぼくが、病院のコンビニで、週刊文春を買ったら、グラビアが、中谷美紀だったので、おじさんに見せたら、「一晩だけ貸してくれ」と言われて、お貸ししましたよ。

 

おじさんとぼくに、看護実習生がついたとき、若くて可愛らしい娘さんたちだったので、ぼくも、つい、夢中になってしまったのですが、おじさんが、ストーカー気味で、それは、ぼくも看護実習生に、気をつけて下さいね、と伝えました。おじさんは、患者同士集まるときでも、実習生を横に置いていましたね。ぼくは、ついてくれた実習生に、女性患者二人の間に、座るように言いましたが。やっぱり、女性同士の方が話しやすいんじゃないですかね。病をかかえた、女性患者側からも、女性の方が話しやすいでしょうし。

 

おじさんとは、セミナーにも参加しました。我々以外にも、自衛隊で、ハードワークしすぎて入院してしまった、別の病棟の方がいらっしゃいました。セミナーを主催していたのが、えらく綺麗な中年の女性で、病気の時の妄想について、聞かれました。ぼくの、「ドイツの哲学者、ハイデガーの生まれ変わりである」、との妄想も聞いてもらえました。

 

おじさんからは、LINEで、「ぼくはもう駄目ですよ」と来たが、どうしていらっしゃるだろうか?



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