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【立命館大学スポーツ健康科学部×learning in context ~大学での学び宣言~vol.3最終回】

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2019年10月31日(木)
立命館大学スポーツ健康科学部の学生の皆さん、河井先生、大学職員の十河(そごう)さんとのプロジェクト第3回、最終回を終えました。


第1回10月17日(木)


第2回10月24日(木)


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最終回の授業設計:「更なるピア・ラーニングを!」

事前のミーティングで、河井先生から、
「学生たちと一緒に、ピア・ラーニングをもっと深められるような授業にしたい」という想いを伺いました。


ピア・ラーニングとは・・・・?
文字通りにはピア(peer:仲間)と学ぶ(learn)ことですが、
対話を通して、学習者同士が互いの力を発揮し協力して学ぶ学習方法です。ピア・ラーニングにおいてもっとも重要な概念は、「協働」、
つまり、人と人とが互いに力を出し協力して創造的な活動を行うことです。

では、ピア・ラーニングと「協働的学習(collaborative learning)」とは
どこが違うのでしょうか。
協働的学習は協働による学び一般を指しますが、
ピア・ラーニングはその中で相手が仲間(クラスメート)である場合に限定し、とくに教室場面での学習を想定しています。
仲間同士の対等で互恵的な関係の中で、互いに貢献し合い、学びます。

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ピア・ラーニングには二つの目的があります。一つは、読解や作文などの課題を遂行することによって、それらのスキルを向上させるという狭い意味での学習の目的です。もう一つは、仲間といっしょに学ぶことによって、人と人との社会的な関係を築き、自分の考えを検討し視野を広げ、さらには自分自身を発見していくという広い意味での学習の目的です。
今回は後者を目的として、意味しています。

ピア・ラーニングでは、
私たち大人(教師)と立命館大学スポーツ健康科学部の学生・プロジェクトメンバー(学習者)を図で表すと、教室Bのような関係性になります。

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大人は教室Aのように教室の前に立って学生たちが知らない知識を一方的に伝授する・伝達する役割から、学びが成立しうる環境としての教室をデザインし、学習者の内省を促進していくという役割支援する教室Bのような役割に変わってきたといえるでしょう。

ピア・ラーニングは、学び手は自ら学びを構成するのであり、私たち大人はその環境をデザインし、学びを支援するのだという考え方
に立脚しています。


そこで、これまでの動画作成に至るまでのプロジェクトの過程を共有、対話、内省の時間を中心に設計していきました。

そして、今回の設計がこちら▼

第三回アセスメント

導入:河井先生からプロジェクトメンバーへ
~今回の授業に対する想いを伝える~

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最初は今回の学びを一緒デザインした河合先生から今回の授業に対する想いを学生さんたちに伝えました。
「まずは、2週間というタイトな動画作成期間の中、本当によく頑張ってくれたと思うし、しっかりとこのプロジェクトに向き合ってくれたことに、感謝しています。今回はもっとこの教室に居る仲間と学び合って欲しいです。何を感じ、何を考えているのか、それをあえて頭の外に出して見える(聞こえる)かたちにする仕組みのひとつが対話で。皆さんには、ここを今回意識して、これまで以上に積極的に、取り組んで欲しいと考えています。また、自分自身の経験を振り返って、その経験に新たな意味を見出そうとする内省を通して、次に繋げていって欲しいです。」


今日の目標:「経験から振り返り、次に繋げていく」

第三回の目標【経験を振り返って次に繋げていく】

次に、「経験を振り返り、次に繋げていく」という今日の狙いに対して、まずはLiCの植竹より一言・・・
「このプロジェクトの目的は、動画制作のスキルを上げることではありません。この経験・過程を振り返り、それらを対話をとおして内省し、可視化してく中で概念化していき、自分の学びのスタイルを見つけ出すことです。また、互いに学び合う学び方を実体験することを大切にしてきました。僕たちlearning in contextや河井先生はあくまでも、学び合う環境のデザインや皆さんの学びのサポートが役割なんです。是非、皆さんが互いに尋ね、答えるという相互質問の活動をとおして、自律的に学ぶ姿を今回だけでなく、今後に繋げていって欲しいと考えて、このねらいにしました。」

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参考①:学び宣言の動画鑑賞に至るまでのプロセス

【前回の流れから・・・・】
今後のスケジュールとして、今週10月27日(日)までに動画を完成させ、
グループごとに各フォルダへアップロード。
各グループ内で完成版の動画を各自観賞し合い、
一番心を惹かれた作品に10月30日(水)までに投票します。
そして、魅力度ランキングの高い作品を講義の中で観賞していきます。
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▼作品の判断基準
①同じ学生として、刺激を受けたか
②その学びが社会貢献に繋がる期待が持てるか(応援したくなる作品か)
③作品として面白かったか(工夫を感じられたか)


鑑賞会:全体にて学び宣言動画を鑑賞
~魅力的な9作品~

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3作品ごとに、作者と仲間からのフィードバックを取り入れました。


自分の作品が流れると、少し照れたり、
「まさか、自分の作品が選ばれるとは、思わなかったから、驚いた」という声もありました。

そんなプロジェクトメンバーでしたが、制作した動画のこだわりを話すとき堂々としていて、凛とした姿で想いを伝えあう姿が。
▼鑑賞した動画の制作メンバーの声・・・・

【自分で学部の魅力を語る動画を制作したH君】
「自分で語ることと、見ていて飽きない動画にするために様々な変化を取り入れました。また、自分の言葉を一言でまとめた文字をテロップとして出すことで、より伝わりやすいよう、工夫しました。最後は自分らしさを演出するために陸上での走る姿を入れました。」

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【第1回の時に見つけた自分の良さを活かした作品を作ったOさん】
「私は、第1回の時に書いた10の質問の中で発見した自分の強み・良さとして、人よりかは、少し字が綺麗という所を活かして、手書きでテーマを表現した点が工夫したとろこです。また、伝えたいことして、この学部では
スポーツを学ぶのではなく、スポーツと一緒に学ぶというメッセージを、最後に入れました。」

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【多様な背景・学ぶ目的を持った人が共に学び合う事が出来る場である事を伝えたい。健康食品のサプリメント会社を学生起業しているOさん】
「私は、スポーツ健康科学部には入学に経緯や学ぶ目的に対して、
色々なモチベーションの人が居て、この様な、多様性が存在する環境で学び合えることを魅力として伝えたかったのです。また、工夫した所として、インタビュー形式やテロップで言葉を可視化することを行いました。私のように、スポーツとは無縁の人も、スポ薦で入学し、スポーツに明るい人も、一緒にな場ぶことができる学部であるという事が伝わるように意識しました。」


まとめ:3回の授業&動画制作を振り返り、経験から学ぶ

そして、ここから本格的なピア・ラーニングの時間です。
3回の授業と動画制作の過程を仲間と対話しながら振り返り、
自身の考えを内省し、概念化し、それを書き出して、可視化していきます。

【動画制作を通して感じたこと・考えたことは?】

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▲彼女は、全9作品に対して、一つ一つ具体的な評価を書き出し、
他者の学びに貢献するという前回のねらいを自分の中に取り入れ、
実行していました。また、それらを周囲の仲間と共有し、より伝たわる作品の共通点を話し合っていました。そして、自らの学びへと転じてきます。

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▲彼はプリントの空欄を活用し、評価基準である
同じ学生として、刺激を受けたか
その学びが社会貢献に繋がる期待が持てるか(応援したくなる作品か)
作品として面白かったか(工夫を感じられたか)
と言う、3つの軸に分けて全9作品を評価していました。
自律的に学びに向き合う姿が素晴らしいですね。
この自律的な学びのプロセスは、次につながる経験になっていきます。

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一人ひとりに寄り添い、対話を重ね学生自身が「自分の考え」に気づいていけるようにサポートしていく河井先生。

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【経験から学びMyスタイルを見つける概念化】

次に、この3回の授業や動画制作の経験を
「うまくいったこと」「苦労したこと」の2軸で振り返っていきます。

経験を振り返る

▼経験を次に繋げる為の4ステップ
①具体的な経験
②省察(背景)
③概念化(マイセオリー)
④次にどう活かすか


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▲彼女のように多くのプロジェクトメンバーが
「苦労したこと」から書きはじめたり、こちらしか思いつかない・・・
という状況がありました。

そんな時は、近くにいる仲間と対話を重ね、お互いに質問し合いながら、
「上手くいったこと」を発見していきます。

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最後に:今回の学びの経験を次に繋げる
~自分にとっての学びとは?~


最後に今回の学びを経験して、
次なる目標を考えることで、学びを活かせるように考えていきました。

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【learning in context|空田】
「ここでの学びをマイセオリーとして概念化し、次に繋げることは、
自分の考えを検討し視野を広げ、さらには自分自身を発見していく事に繋がっています
。そして、概念化された学びは今後社会で働くときや、人生というキャリアにおいて、自分らしく生きるための力に繋がるものだと僕は考えています。だからこそ、皆さんにはピア・ラーニングという学び方をこの場を通してを見つけていって欲しいと考えていました。考えが分からない、思考停止、手が止まってしまう時は、私たちサポーターであり学びの同志でもある大人たちや、この場に居る仲間と対話してみてください。」


その声を受けて、これまで以上に積極的に対話を深めていく姿があり、
自発的な学び手へと成長していくプロジェクトメンバーでした。

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プロジェクトメンバーの内省を促進していくという役割として関わる
河井先生やlearning in contextの宮田の様子。

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そして気付けば自然と互いに学び合うプロジェクトメンバーたち。

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もちろん、よく考えるからこそ、
この時間内ではすべてを書き切ることはできなかった学生も居ました。
「続きは家で書いてみようと思います」
「なんとなく、概念化が出来てきて手ごたえがあった」
「次に繋げるという事が普段意識していなかったからこそ、
 考えることに時間がかかったけれど、その大切さも理解できました。
 なので、続きは時間を見つけて書いてみます。」と話す姿も。


参考②:実際のプロジェクトメンバーの学びの可視化

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学び宣言

【今回の経験で得た学びと自分にとっての学びとは?】
最後に、数名の学生にプロジェクト終了後、問いかけてみると・・・

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H君】
「今回の授業を通して、経験することよりもその経験を次にどう活かすか、が大切なことだと学びました。動画制作を通して、伝えたいことが
伝わるように面白くするにはどうしたらいいか、今回の経験を概念化し
プレゼンや友達と話す際に応用できると感じました。
僕にとっての学びとは、人生を面白くしてくれるものです。
勉強という視点では、知識の広がりから色々な視点を持つ事ができ、
世の中を面白く感じる事ができるし、人間関係を通して学んだ事は、
より面白い選択ができると考えているからです。」
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「おもしろい」工夫を凝らすこと。
これが自分の学びの意味だと定義するH君。
▼経験を次に繋げる為の4ステップ
①具体的な経験
②省察(背景)
③概念化(マイセオリー)
④次にどう活かすか
を意識できたようです。
ちなみに、彼はうまくいった欄のマイセオリーに「こだわり」とあり、
次にどう活かすかでは「妥協せず、部活も勉強も取り組む」
と書いてりました。


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【Oさん】
「他者の意見を取り入れたり、考えを共有することを大切にしていたこの授業では、対話を通してより良いアイデアや考えが生まれるという事が分かって、良かったです。
私にとって学びとは、人生の選択肢を増やすことだと考えています。
自分の学びを増やしていく中で、好きな事や向いている事、
得意な事が増えていく事が面白いし、それが学びの意味だと思います。」
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ピア・ラーニングを通して学びが深まることを実感したOさん。
授業中も彼女は積極的に「なぜそう考えたのか/感じたのか?」と
問いかけたり、最後まで相手の話を聞いたりする姿がありました。
人生の選択肢を増やし、幸せに自分らしく生きていく為に
学びがあると考えているマインドは、どんな時代においても大切なことだと言えるでしょう。


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【K君】
「他の良い作品をみて、自分の経験を盛り込むことでより相手に伝わることがわかりました。この事を、今後もプレゼンで活かしていきたいと思います。
僕にとっての学びとは、今までは、知識や学問を身に付けてそれを発展させていく事だと考えていましたが、この授業を通して、実体験を振り返り、
それらを概念化し、自分の考えにまとめる学びもあるなと考えています。

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learning by doing・実体験から学ぶ【学び方】や
自分自身の経験を振り返って、その経験に新たな意味を見出そうとする
内省を通して、得た学びを次に繋げていくことの大切さを説いたK君。
また、自分の経験を盛り込みながら話すことで、より伝わるという表現方法であり、コミュニケーションスキルを発見しました。



プロジェクト後記

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他者との対話をとおして、読むこと、書くこと、作ることなどの
課題そのもの向上とともに、最終的には自分自身に気づいていくこと、
自分自身を発見すること、そこへむけて自律的な学び手となるきっかけ
となった、全3回のプロジェクトでした。

今回見つけた「学び方を学ぶ」視点をこれからも自分の中で持ち続けていくことの大切や、学びの結果だけでなくプロセスそのものにも価値があることを感じた、プロジェクトメンバーでした。


これからもlearning in contextが掲げる「学びは人生を豊かにする」という
Visionに向かって、たくさんの人と学び合っていきたいと思います。


立命館大学スポーツ健康科学部の皆さん、ありがとうございました!

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そして、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。


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