Educational Design×保育園|仕事も人生も楽しむチームを目指してーVision共創プロジェクトVol.5【ドキュメンテーター宮田】
自己紹介
はじめまして。Learning in Context(Lic)ドキュメンテーターの宮田です。私は約10年間保育士として働き今年の9月から入社しました。今までの保育士経験を生かした視点も踏まえながら投稿していきます。
これまでの振り返り
千葉県の某保育園と始まった今回のVision共創プロジェクト。プロジェクトメンバーは園長先生・調理・保育スタッフを含む5名とLic ファシリテーターの植竹、初回からドキュメンテーターとして参加する村上さん、そして私です。今回は第5回から(全7回)。前回「『子ども観』『コンセプト』を踏まえて、日常の保育に取り組む際の具体的な行動の目標(想定している「関わり方のスタンス」「工夫」「普段との違い」)」という視点でプロジェクトメンバーが保育を実践することになり、まずはその実践報告会から始めました。
今回のプロジェクト・得た学びと共有知
一人ひとり自分の目標や意識して関わった事で見えた新しい子ども観や大人の在り方を伝えあっていきます。想いが上手く言葉にならない時ヤスさんが「それってこういう意味ですか?」「その時どんな気持ちになりましたか?」「どういう声掛けをしたんですか?」と問いかけプロジェクトメンバーの想いを引き出していきます。
ドキュメンテーションをとっていて気付いたことは、「対話」で大切なことの一つに「問いかけ」「いい質問をすること」が存在することです。
これは保育現場でも同じです。子どもだからではなく是非子どもだからこそ!たくさん問いかけてみて下さい。子どもたちは私たち大人の予想をひゅっと飛び越えていくような、そんな素敵なことを言葉にして伝えてくれます。私は大人や社会の当たり前に捉われない子どもたちとの対話が大好きです。しかし時として「そんなことまで知っていたんだね」と社会を理解して自分のものにしています。本当にすごいですよね。。。
そして実践報告の中でもそんなワクワクするような子どもたちとの対話を大切にしたエピソードが沢山ありました。でも、プロジェクトメンバーはあまりその変化や自分自身の価値に気付いていませんでした。
例えば、
植竹「保育士の社会的価値とは?今の保育が子どもたちの未来に繋がっている事を意識するのはどう感じますか?」
Ⅾさん「子ども達の20年後の未来を想像して保育をすることは正直難しい・・・。実際は来年や長くても小学校就学までですかね。だって卒園してからもいろいろな人との関りや変化する社会の中で人は変わっていくものだと思うんです。だから私たちの仕事の社会的価値って意識しにくいです。」
その後色々な対話があった後、
植竹「子どもたちにとって保育園はどのような場であると思いますか?」
Ⅾさん「子どもにとっては楽しく過ごす場所。社会目線で言うと異年齢での関りなど様々な人との出逢いを通して多様性を身に付けフラットな目線を築くため?ですかね。多様性で言うと例えば、私は子ども達の生活面での援助はできるけれど正直高齢者介護は少し苦手で。友人の一人に介護施設で働いている人がいてその子は逆におじいちゃん・おばあちゃん達の為なら援助はできると言うんです。で、どうしてか聞いてみると幼い頃からおばあちゃんと一緒に住んでいたからかな、と教えてくれました。だから色々な人との関りや経験がその人の価値観や大人になった時の仕事にまで繋がっているんだなと思って。だから保育園ではいろいろな人と出逢って多様性を育める場であって欲しいです。」
このドキュメントを取っていて気付きました。Ⅾさんはさっき
Ⅾさん「子ども達の20年後の未来を想像して保育をすることは正直難しい・・・。実際は来年や長くても小学校就学までですかね。だって卒園してからもいろいろな人との関りや変化する社会の中で人は変わっていくものだと思うんです。だから未来を見据えてとか、私たちの仕事の社会的価値って少し意識しにくいです。」
と言っていましたが、実体験を振り返っていく中で乳幼児期の環境が子どもたちの20年後の未来やその人の価値観に繋がっていることを分かっていたのです。だからこそ乳幼児保育に携わる大人は重要な人的環境を担っており、尊くて社会的価値の高い仕事なのです。この考えは今回の対話から深まった学びの一つです。このようにプロジェクトメンバーは子ども観を深めたり共有したりすることができていました。ここに至るまでのプロセス・共有知創りの対話経験そのものが学びになります。
また日中子ども達と向き合い勤務が早番の方も居るというハードなスケジュールの中、17時からのこのプロジェクトを一緒に築いていくメンバーの皆さんからは「子どものための保育をしよう」というプロ意識やあたたかいチームワークが感じられました。
次回は「子どもの行動の裏側にある感情の動き」に注目してこの保育園ならではの子ども観をより豊かに構築していきます。
最後に村上さんが言った「この場はポジティブでハッピーな場でありたい」この想いにプロジェクトメンバーは共感し、あたたかい雰囲気で終了しました。
まとめ
対話を通して築されていく子ども観。そのものも大切であるが同じくらいそこに至るまでの経験から得る学び方の方法=HOW TOを知ることも重要です。何を学ぶかだけでなく、どのように学ぶか。予測困難で変化の早い世の中に対して私たち大人も様々な学びのスタイルを自分の中に構築していく必要があります。そのための「対話の場づくり」を担うことがLicとしての役割だと考えました。
また、ドキュメンテーターの役割として自分では気づいてないことも可視化することで発見できるということがありました。それが成果や知識につながっていきます。ドキュメントと取るうえでは課題点、良いところ、戸惑い、気づきなど様々な人の気持ちの動き・心の変化を捉え可視化することにポイントを置いていきます。
そして私は今回発見した一人一人のGOODPOINTを早く皆さんに伝えたいです!子どもたちに自分らしくと言うのならば関わる私たち大人だって自分らしさをもって保育現場で輝いていて欲しいのです。そんなあたたかいギフトが贈れたらいいな、という思いをもってこれからもドキュメンテーションをとっていきます。
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