立命館大学スポーツ健康科学部×learning in context ~大学での学び宣言~vol.1
【私たちたちが考えるcontext(背景)】
大学の電車の中吊り広告からの疑問でした。
1年ほど前に東京の地下鉄で大学の広告を見ていた時に、「10年前に比べ大学の価値を就職におく広告が増えていないか?」というふとした疑問を持ちだしたのがこのプロジェクトをやりたいと思ったきっかけでした。
インターンの導入などで就職活動がどんどん早まり、大学での学びよりも、大学に在籍している期間でいかに就職活動をするかという意識が大学生の中に浸透している気がします。そのため一部の人たちからは大学不要論がでていますが、大学での「学び」は自分の興味に基づき、多様な環境の中で、学びを深め、そして自分の中で概念化し「自分の学びのスタイル」を見つけ、社会にでた時に活かせるようにすることだと私たちは考えます。
【プロジェクトの目的】
大学での学びと社会の乖離 ~学ぶことの意味を考える~
「大学での勉強は役に立たない」「学生時代は勉強よりも遊べ」といった認識が多く存在する中で、本来の大学での自身の学びと将来を結びつけ、4年間で学ぶことの意味を自分の言葉で考えるきっかけづくりにしてもらえたらと思います。
今回は3週に渡るプロジェクトのため、プロジェクトのメソッドは下図の様に、LiCが考える学びのステップ(気づき・理解・意味づけ)に基づき、プロジェクトの設計を行い、担当の先生と学部の職員さんと打合せを重ねました。
そしてプロジェクト(授業)を行うときに大切にしていることは、学生が先生から受動的に学ぶのでなく、主体的に学生同士が学び合うピアラーニングであることを心掛け、80人を超える授業でありながら、4人でのグループのワークショップをできるだけ取り入れることにしました。
【vol.1の導入 自己紹介/Project Guide】
今回のプロジェクトの学生たちへのお題は、「大学での学びとは?、スポーツ健康科学部で学べることは?」と言う視点を踏まえて、就職活動で採用担当者からの課題で「高校生向けに自分の学部で学べること」をテーマに、動画作成を行う全3回のプロジェクトです。
ここに至るまでに、学生の皆さんには、これまでの自分の学びや大学に入学してからの学びについて個人ワークやグループワークを通して深めてきています。
今回は、学び宣言の動画作成にあたりまずコンテンツを考える前に、普段自分の外側には明文化しない自分の内面に焦点を当てた3分の個人ワークから始まりました。
【ワーク①-1 自分は何を考えている?~10の質問~】
1、好きなことは?
2、自分の強み、誇れることは?
3、人に誉められた経験は?どんな内容?
4、人生で一番嬉しかったことは?
5、人生で一番人に喜ばれたことは?
6、誰かと協力して成し遂げた一番の成功は?
7、人生で一番影響を受けた人、モノ、出来事
8、憧れの人は?
9、自分にとってスポーツとは?健康とは?
10、自分にとっての幸せとは?
上記10個の質問に対して、学生さんたち自身の心が動く所から書いてもらい、その後4人グループでシェアする時間へ。
さすが、スポーツ健康科学部!
憧れの人に多くのスポーツ選手があがっていました。
また、グループ内で印象深かった事を紹介する場面では、
「部活で歴代の先輩方が成し遂げられなかった事を、成し遂げて(スポーツで良い成績を残して)、学校のOB、OGの方から喜ばれたと言うところは 、自分には無い経験で凄いと思った」と言うエピソードがありました。
【Vol.1でのレクチャー&ワーク】
自分のことを少しづつ学び合う仲間たちに共有した後は、ファシリテーターの植竹から、動画制作についてのレクチャーを簡単にしました。
そして、先ほどのワークでは対象を自分の内面にしていましたが、いよいよ次は、現在自分たちが学んでいる場のスポーツ健康科学部に対象を移し2つ目の個人ワークに取組みました。
【ワーク①-2 学び宣言で何を伝えるか?】
1、スポーツ健康科学で学べることは?
2、どんな形で社会貢献に生かせる?
3、その為に何を、どのように学ぶ?
4、一言にまとめると?
上記4つの質問に対して個人で考えた後は、先ほどと同じように4人グループで共有。そこでは「学べること」を「強み」と置き換えて
「ここでは実践現場があり深い学びに繋がる所が強みだと思う」
と言う素晴らしい意見がありました。
そして最後に、動画制作に必要な工程についての下記のワークを行いました。
【ワーク②-1 テーマを考える】
1、どんな動画にする?
【ワーク②-2 構成を考える】
1、絵コンテに落とし込んでみる
【ワーク②-3 素材を考える】
1、どんな場面が必要?
【ワーク③-1制作計画を立てる】
1、タスクの洗い出し
2、具体的なスケジュールを立てる
来週は作った動画をグループ内でシェアし合うところから始まります。
【vol.1のまとめ】
動画制作に対して、学びについて考えることに対して、自分を表現することに対して、不安や期待など様々な想いが入り交じっていたように感じました。
不安になる気持ちは、まっすぐ真面目に【大学での学び宣言】について
考えている証拠。
しっかりと向き合っているからこそ
「どうしたらいいんだろう?」
「大丈夫なのかな?うまくできるかな?」
「まとまらなくて困った、、、」
と言う気持ちが沸いてくるのです。
また「面白いテーマを思い付いた!」「何だか楽しそうな予感がする」
と言うような、ワクワクした表情もありました。
本当に素直で、まっすぐ真面目に向き合っている学生の皆さんと一緒に、
このプロジェクトが出来ることを、私たちはとても誇りに感じています。
「ゲストスピーカーと生徒」ではなく「共に創っていくチームメンバー」として、私たち自身もより良い時間になるよう、一緒に対話を深めたり、これからに向けて、準備を進めていきます。
【Project参加者の学生さんの素敵な感想】
授業が終わった後に、数名に「①授業を履修した理由?」「②今日の授業の感想」の2点について伺いました。
【①授業を履修した理由】
・自分が考えていることや、モヤモヤと感じていることを言葉にするのが自分の中で課題だと感じていたから
・これまで伝える機会があまりなかったので、表現することをのアウトプットを増やしたいと考えたから
・自分の考えに変化があったり、物事をどう考えるかを学びたいから
【②今日の授業の感想】
・今までの自分を見つめ直すいい機会でした
・言葉にする難しさを改めてしれた。話すということだけでも、とても奥が深いものだと思いました。
・一方的ではない自分たち生徒に寄り添って進めてくれて、今まで受けたことのない授業だった。
履修の理由や感想を読んでいると、これまでの学校生活の中で、「自分が何をしたいのか考える時間」「自分の判断軸を人に伝える場」「自分の考えを外に出す機会」が不足していたかが伝わってきました。
このような「経験を自分自身で内省し、概念化し自分の考えとして伝える」大切な時間があまりないのに、就職活動になりいきなり自己分析といわれてもあまたに???がつくのは当たり前ですし、深い自分の学びのリテラシーへの認知を形成するのが難しいと感じました。
そして最後に、素敵な学生の皆さんや先生方と出逢い、学びを共創する機会を頂けた事に、感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございます。
対話や内省を深め、工夫や試行錯誤する。
動画作成に至るまでのプロセスにも
多くの学びがあることを私たちlearning in context は信じています。
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