Educational Design×保育園|保育園の社会的価値を見つめなおすー課題発見プロジェクトVol.2【ドキュメンテーター宮田】
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2019年10月18日(金)
江戸川区にある企業主導型保育園「輝きベビー保育園瑞江・篠崎」との
プロジェクトの2回目を終えました。
今回のねらい
「課題を自覚し、それに向かって
自分たちがどう取り組んて行くか考える事」です。
課題を自覚する第一歩として、保育を取り巻く社会環境(世界・日本・地域)を捉え、その認知をつくっていく事から始めました。
自分たちの姿を写す鏡(気づくためのアプローチとして)、
世界との比較、他園との比較、保育園、保育士のバイアスなどを取り上げ、プロジェクトメンバーとの対話で深堀していきました。
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【保育園の役割って?社会にとっての価値は?】
~「保育士」というワードを使わずにあなたの考えをシェアしましょう~
【Iさん】「社会の労働力になる大人の就労を支える仕事。」
【Оさん】
「私は、子どもが好きだから子どもと学べる仕事に就いているけれど、
Ⅰさんの考えを聞いて、保護者の為でもあると思った。
そういうバイアスが、自分の中にあることにも気が付いた。
でも、今は正直100%大人の就労のためのという説明は、納得はできない。
自分が子育てする立場になれば、分かるかも知れないと思います。」
この事を考えたとき、今回は二つの主語が存在する事に気づきました。
それは、『子どもの』と『大人の』
これらは乳幼児教育における社会背景、文脈が深く関係しています。
そして、私たちlearning in contextはここの文脈への動機付けをいつも大切にしています。
なぜなら「教育」には必ず、
「社会背景とその時のVision」が関係しているからです。
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【今の保育園の課題、方向性は?】
今の保育園の在り方を考えたとき、
プロジェクトメンバーから、二つの疑問が浮かんできました。
1.「デンマークの民主制という国全体の認識は、
どうやってつくられてのか?」
※ファシリテーターの植竹、今回のプロジェクトメンバーの中に今年の6月デンマークへ教育視察に行った経験があり、デンマークという国が、世界の国の教育の比較として挙がりました。
2.「日本はなぜそうならないのか?」
プロジェクトメンバーは、自分たちの保育を考えたとき、
取り巻く社会背景や文脈を日本と世界から学ぶ必要があると気づきました。
メンバー自身が自ら発見した学びの種。
この価値はとても大きいと考えます。
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【これからの保育園の在り方を共創していくその目的や価値ってどんなところにあるか?】
【Оさん】
「どんな状況であっても、課題は出てくる中で、同じ方向を向いているとより良い課題が出てくるから、在り方を認知することが大切だと思う」
このように共創していくVisionの意味付けまでおこなうことで、
深い認知をつくることができます。
それが、Visionを持続可能にし、共に創り上げたVision本来の価値を発揮するのではないでしょうか。
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【保育の仕事で感じる怒り、葛藤は?(その理由も含めて対話)】
【Sさん】
「それぞれが持っている「当たり前」がぶつかり合ってしまう時がある。
相手の立場に立ったり、そこに至るまでの背景へ、想いを馳せて、
「本質的な対話」を実行したり、「思いやり」が持てたりすると良いなと
思うけれど、なかなか実践できず、葛藤している...」
【Mさん】
「保育士の仕事において、監査の為の書類が多く存在し、時間を費やすことになっている。その為、対話に費やす時間がなかなか持てない。
でも必要な書類を上手く活用していきたいと思うけれど難しくて…」
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まとめ|全2回のプロジェクトから見えてきた課題として|保育園の社会的価値を高めるには・・・?
保育園の社会的価値を高めるには、
・子どもたちだけでなく、
私達大人も本質的なフラットな関係性を築いていく事。
・関係性を築き、持続可能なものにしていく為に、
そのような仕組みづくりをつくるマネジメントの役割が必要である事。
・対話のための時間の確保とその認知づくりを組織全体で行うこと。
・持続可能な保育の為に、2園の連携を今以上に築いていく必要がある事。
と言う課題発見がありました。
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私たちを取り巻く社会背景を文脈からひも解いていく事。
国際的な教養を持ち、比較することで今を知ったり、未来の保育に繋げたりすること。
Visionを掲げる意味を全員が認識することや、それに向かって
みんなで取り組んでいくには、どのような組織が理想ですか?
フラットな関係性とは?
そもそも「フラット」とはどんな意味合いで皆さんは使っていますか?
こうした学びの軌跡が、
保育園の社会的価値を高める事に繋がるのではないでしょうか。
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最後になりましたが、
今回2回に渡り一緒に学びを深めて下さった
輝きベビー保育園の皆さん、本当にありがとうございました。
未来を見据えた乳幼児教育の実現へ向けて、これからも実践しよう。
私たち大人たちには、未来を担う子どもたちの為に、
共に果たすべき使命や、責任感があります。
プロジェクトメンバーからは、保育のプロとしての熱意や、
学び合う事を楽しむ大人の姿が感じられました。
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