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わたしを動かしてきた写真たち #国際平和デー2019

毎年9月21日は、国連の定める国際平和デー

すべての国、すべての人々にとって共通の理想である国際平和を記念、推進していく日として(中略)呼びかけています。(中略)2002年からは、毎年9月21日を(中略)世界の停戦と非暴力の日として、すべての国と人々に、この日一日は敵対行為を停止するよう働きかけています。

わたしはここ数年、この日に合わせて自分の思いを書くということをしてきた。
これにはもちろん何か書くことで、おこがましいかもしれないが、誰かにとって平和について考えるきっかけになったら、という思いがある。
そして何より、わたし自身が平和への想いを見つめ直す機会にもしたいと考えてきた。


一方、何年経ってもわたしの想いは大きく変わらないことに気づいた。
一人ひとりの尊厳が守られ、声が聞かれ、命が同じように大事にされる世界であってほしい。
そして、恵まれた環境に生まれているわたしには、不正義に対して声を上げる責任がある。

そこで今年は、わたしをそのような想いに駆り立ててきた瞬間の数々を、ほんの一部ではあるが、写真を通して伝えてみようと思う。
パレスチナ、チュニジア、リビア、韓国、日本。
全て実際に足を運び、自分の目で見た光景を撮ったものだ。


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Palestine

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2019年8月、ベツレヘムで。
「壁じゃなくて、フムスを作ろう」
フムスとは中東・北アフリカでよく食べられている、ひよこ豆のペーストのこと。

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2017年9月、東エルサレム側から見た壁。
人間と比べてこれだけの高さの壁が、ここに暮らす人たちにとっての「日常」。

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2019年8月、ベツレヘムのアーイダ難民キャンプ。
「殉死」して、そこにいたはずの人間が、たった一枚のポスターになってしまう。

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2019年8月、ヘブロンで。
パレスチナの人たちにとって、自分たちが生活を営んできたはずの場所の一部が今、イスラエル軍や入植者によって使われている。
自分たちの故郷のはずなのに、立ち入ることが許されていないエリアもある。
銃を持ったイスラエル兵が、当たり前のように生活空間にいる世界。

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催涙弾をリメイクして手作りされたネックレス🕊
ベツレヘムのアイダ難民キャンプのお店で見つけたもの。


Tunisia

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2019年2月、首都チュニス。
旧市街の少し外れにある建物に描かれていたウォールペインティング。
2011年にアラブ諸国で人びとが立ち上がった日や、体制が崩壊した日が描かれている。
チュニジアから始まり、エジプト、イエメン、バーレーン、リビア、シリアへ。

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2019年2月、チュニジアのジェルバ島にて。
以前の記事で書いたように、友人との会話の中で、わたしが持つ「責任」を考えた瞬間。

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2019年2月、チュニスのバルドー博物館。
外国人観光客を含む22名が犠牲となった、2015年3月の襲撃事件が起きた場所でもある。
今でも建物の壁には、銃痕が残っている。

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2019年2月、同じくバルドー博物館。
市民が2010-2011年にかけて立ち上がり、ベンアリ元大統領が追放された時、何が起きていたのかが紹介されていた。

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2019年3月、チュニスの中心、ブルギバ通り。
ニュースではテロの現場、チュニスの人たちにとっては日常。


Libya

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2010年、首都トリポリの中心で。
カダフィ体制時代に「緑の広場」と呼ばれていたこの場所は、2011年以降、当時の犠牲者を記憶するため「殉教者広場」という名に。

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2010年、同じくトリポリで。
美しい地中海の街であるということも、忘れないように。


Korea

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2018年9月、韓国、ソウル郊外。元「慰安婦」たちの暮らす福祉施設「ナヌムの家」。
併設されている資料館の中で見た、忘れられない一言。
自らの被害を告白することのできないまま亡くなっていった女性たちを前に、賠償金や「不可逆的な解決」を確認することの意味を考えた瞬間。

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2018年8月、ソウルの日本大使館前。
なぜこの場所に、このような像を作らないといけないことになってしまったのか、思いを巡らせる。

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2018年8月、板門店近くの都羅山駅。
北朝鮮との国境近く、韓国最北端の駅。現在は観光目的以外では使われていない。
南北統一が実現すれば、朝鮮半島からヨーロッパまで、電車で横断することができる日がやってくる。

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2018 年8月、板門店。
祖国を分断された人たちが、離散家族が、どんなに願っても超えられないこの線を、世界の首脳たちは軽々と超えていく。


Japan

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2018年5月、広島。
「安らかに眠って下さい / 過ちは繰返しませぬから」
わたしたちはこの言葉、自信を持って言うことができるだろうか。

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2018年4月、山口県周南市大津島。
ここは戦時中、人間魚雷「回天」に搭乗する若者が訓練を行い、特攻へと向かっていった場所。
国民の命を守るはずの国がかつて「国のため」として奪ったのは、未来ある者たちの未来。

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2017年8月、福島県、国道6号線。
見えないけれど、確かにそこに存在する、帰郷を阻むもの。

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2017年8月、宮城県石巻市。
美しい海が、どこまでも続く無機質な堤防によって覆い隠されていく。

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2017年8月、福島県南相馬市の海岸沿いにて。
そこで作られているのは、一体どんな未来なのだろう。


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パレスチナで聞いた、忘れられない言葉がある。
パレスチナを擁護してほしいわけじゃない、正義を擁護してほしいんだ

圧倒的な環境の違いを感じる時、わたしはやるせない気持ちになる。
この言葉をわたしに伝えてくれたパレスチナのおじちゃんは、今の状況を変える力を(少なくともおじちゃんよりは)持っているわたしを見て、どう思っただろう。

どんなに強い気持ちを持っていたって、この世界が変わらなければ、弱い立場に置かれている人はいつまでもそのままだ。
もちろんそうした人びとが無力だと言いたいわけではない。でも、今のシステムは、その声がどれほど強くても、簡単にねじ伏せてしまう力学を持っていると思う。

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でも一方で、一人の最初は決して大きくなかった声によって今年、これだけの変化も生まれた。

「想いを持っている」ということに満足せず、同時に「変わらないこと」に卑屈にもならず、前を向き続けるしかない。

Minori.


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