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【北米エンタメニュースまとめ】北米コミック市場急成長、アニプレックスがオンラインフェスタ開催、非中央集権的アニメIP立ち上げへ

北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です


業界ニュース

北米コミック市場前年比62%増の急成長、紙出版は日本と並ぶ規模に

前週のニュースですが、北米のコミック市場の急成長を伝えるニュースです。グラフィック・ノベルも含めてですが、2021年の総売上高は、前年比で62%増にもなったとのこと。グラフィックノベルのなかでは「MANGA」が特に好調とも伝えています。
北米のコミック市場は趣味性が強い分、コレクション性の高い紙版の人気が高くなっています。デジタル版の出版が決まると紙版の出版を求める声が出るほどです。日本ではまだ珍しい、インタビューなどを加えた豪華版の出版も人気です。こうした豪華版の制作は、日本市場にも今後入ってくるのではないでしょうか。


「呪術廻戦」スタッフパネル、Anime Expoで人気

7月4日まで開催されたAnime Expo。アニメ「呪術廻戦」も人気作品のひとつで、アニメスタッフによるパネルイベントが開催されました。こちらはその詳細の記事。残念ながら「シーズン2」の明確な日程は明らかになりませんでしたが、スペシャルムービーなどで盛り上がったようです。

Anime Expo 2023年は7月1~4日開催へ 11月にもオンタリオでイベント

でそのAnimeExpoですが、早くも2023年の開催が決まりました。日程は7月1~4日と今年と同様4日間。さらに今年11月には、オンタリオでもイベントを開催すると明らかにしています。今年のイベントも多くの人でにぎわいましたから、この勢いを11月や来年にもつなげたいのではないでしょうか。


Anime Expo、無責任なアーティストブースの管理

とはいえいい話ばかりではありません。ひところの行動制限は撤廃されたものの、新型コロナウイルスの感染は世界中で続いており、アメリカも例外ではありません。Anime Expoなどのイベントではワクチン接種の証明やマスクの着用を原則的には求められていますが、Expoのアーティストが集まるホールではこのルールが徹底されていなかったもよう。そのことを批判する記事です。実際、TwitterなどではAnime Expoに出店後、コロナに感染したことを報告するアーティストも見られました。


フルCG版「聖闘士星矢」続編が海外先行配信、クランチロールと愛奇芸で

こちらはフルCGアニメ「聖闘士星矢」について。『聖闘士星矢:Knights of the Zodiac』は2019年にNetflixで配信されましたが、続編の今作はCrunchyrollと中国の配信プラットフォームで配信されるそうです。続編で配信プラットフォームが変わるというのも珍しいですが、この場合、新プラットフォームの人は前作を見られないわけで、物語の持続性とかはどうなるのでしょうかね。(期間限定で見られるようにするというのが契約に含まれているのか)


北米メディア、相次ぎ「遊戯王」作者の死去を報道

先週、話題になったのは「遊戯王」の作者、高橋和希先生がお亡くなりになられたこと。「遊戯王」はマンガ、アニメのみならずカードゲームとして北米の人気も高く、英語メディアは相次ぎなくなられたことを伝えました。特徴的だったのは、普段マンガやアニメ、ゲームを扱うメディアだけでなく前述のCNNやNPRといった一般メディアも伝えたこと。こんな形ですが、高橋先生のなし遂げられたことの大きさが実感できます。実際、今翻訳家として活躍されている方の中には、遊戯王のシリーズで日本のマンガ・アニメと出会った人も少なくなく、衝撃を受けた方もいたようです。

お知らせ

アニプレックス、9月24日にオンラインフェスタを今年も開催


テクノロジーニュース


NFTの売上、大幅減

参入が相次ぎNFT市場ですが、実は取引は低調になっています。こちらの記事によると、6月の1日のNFTの平均取引額は前年に比べて大きく落ち込んだとのこと。取引量も減っています。原因ははっきりしませんが、NFTそのものの価格が低下したことに加え、記事ではまだNFTの保有者が限られた人に集中していることを指摘しています。まだ内輪のサークルの外に出ていないというわけです。


あるNBAプレーヤーがNFTコミュニティを共同創業。多くの保有者は突然の中止を指摘

多くのNFTはコミュニティを形成していますが、一部のNFTにはトラブルがあることも事実。こちらの記事ではあるNBAプレーヤーがNFTコミュニティの共同創設に関わったにもかかわらず、その後のコミュニティへの関与が見られず、保有者から不満が出ていることを指摘しています。NFTはNFTそのものの価値もですが、NFTにより人々がつながってコミュニティができることにも価値があります。それがうまくいっていない事例もあるそうです。

ゲーマーはなぜNFTが嫌いなのか?

そうしたトラブルがあることから、一部のエンタメ業界ではNFT導入に消極的な企業がいるところもあります。その1つがゲーム業界。NFTやブロックチェーンを活用したゲームが相次ぎ登場する一方、既存のゲーム会社の中にはそうした動きを冷静に見ているところもあります。それがなぜなのかを開設した記事。その本質はゲーム会社が今の楽しみ方ではNFTやブロックチェーンに導入のメリットを感じていないところにあります。NFTやブロックチェーンを活用した新しいゲームにヒット作が出てくることが、既存ゲーム会社の背中を押すことになりそうです。


チケット転売は、もうできなくなる。ジャニーズも挑戦する“コンサートチケットNFT化”の影響

ただ、人やお金の動きを見ると、NFTを含むWeb3周りのテクノロジーが次の社会や経済を形作ることは否定できません。こちらは元MITメディアラボ所長・伊藤穰一(いとう・じょういち)氏『テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』を紹介する記事です。確かにコンサートチケットはまだ一般化していませんが、NFTには向いている分野といえそうです。


非中央集権的アニメIP、Zenogakki 立ち上げへ

こちらは「decentralized」と銘打ったアニメIPの立ち上げの記事です。ブロックチェーンがエンターテイメントやライセンスビジネスの分野で期待されているのは「取引履歴などをすべて記録して保存できる」という特徴を生かして、IPのフランチャイズ展開に関わった人にインセンティブを提供できるというポイント。この記事で取り上げられたプロジェクトでは、IP活用が続く限り、プロジェクトに関わったクリエイターやスタッフに対してインセンティブで報いるとのことです。しかもアニメを見た人にもトークンが付与されるとのこと。観た履歴とかも残っていくとファンとしてはうれしいですよね。


各社、音楽ライセンスをブロックチェーン上に

IPをブロックチェーン上にというのはアニメに限るものではありません。こちらの記事で紹介されているのは、音楽関連企業が音楽のライセンシング方法を変えるためにブロックチェーンプラットフォームを立ち上げたというもの。ライセンスコストの削減などの狙いがあるそうです。


レディット、NFTアバターのマーケットプレイス立ち上げへ

レディットがNFTアバターベースのマーケットプレイスを立ち上げました。利用者はプラットフォーム上でSNSなどで使えるプロファイル画像を購入できます。


お知らせ

国内でもWeb3関連のイベントが相次いでいます。

Marunouchi Happ.×スローニュースによる「Web3×SlowNews Garage」


Web3.0映画への挑戦 / 日本から世界へ。NFTで変わる映画制作の姿


追加

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

Netflixの日本のマンガ発のコンテンツの相次ぐ投入は気になります。アニメの配信ではCrunchyrollが強いですが、Netflixの北米を含む世界的なネットワークはファンコミュニティの育成に貢献するものです。

Netflixを巡ってはこちらのようにアニメだけでなくマンガ原作の実写ドラマにも前向きです。いいコンテンツを通じて、日本のマンガファンが増えてほしいものです。

今週はここまでー。引き続きよろしくお願いします。

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