第四回蒼海賞準賞「息のおと」塚本櫻𩵋


油虫影より出でて闇に失す
釈迦さびて印ほどかざる日の盛り
羅や牛鬼のごとき島の影
野分後の阿吽や蛇の膚して
罠ねぶる猪全身に息のおと
喰ひたらぬ眼や剥製のおほかみは
くだら野を影絵のごとく行きにけり
冬の樹の根や這ひ回る兵のごと
山火はや山たひらげてしまひけり
火にくべて巣箱のなかの見ゆるかな

今回の蒼海賞は本賞が該当者なしでした。実質本賞・・・とか微塵も思いませんでした。逆にこの状態での準賞は辛いですね。またゼロからスタートで、ふたたび努力します。(櫻𩵋)


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