挨拶自選十句 木内縉太編
明敏な友人はたくさんいるが、同人のお二人であるぎょちゃんと先生(とぼくは呼んでいる)は加えて、ひいでてタフだ。ジャンボ機両翼の二基のエンジンよろしく、物事をどんどん前に進めてくれる。ぼくは乗客のように窓外の景色を楽しんでいる次第で、とても恥ずかしい。そんなぼくに何ができるかと問われればことばに窮するが、そんな役回りも少しはあって良いのではないか、と即座に開き直る。
リブラは少しずつ仲間を増やしてゆく予定である。今はほんの小型機でも、いつかはジャンボ機になるかもしれない。
そんなことを考えながら既に、この自己紹介の掲載も、二人に大きく水をあけられてしまった。
▷自選十句
春の夢さめて花瓶の水捨つる
皿舐むる子猫やミルク尽きてなほ
古代ギリシア哲学概論B昼寝
平家には異本あまたやみな黴びぬ
噴水広場にペガソスの陰嚢あらは
ビル群に明滅の燈や闘魚飼ふ
露の玉相映じゐて限り無し
きのこ鍋つつきし四人のち五人
高架下に人の形を成す毛布
テーブルの手袋小鳥つがふ形
*2018〜2019年の初期句より