記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

第1回:人生の真髄とは。私のバイブルムービー、映画「LIFE」のお話。

感想文の部屋、記念すべき第一回目は
やはりこれについて語らねば、と思いました。
2014年劇場公開
ベン・スティラー監督・制作・主演の「LIFE!」

画像1

劇場公開時も観ましたし
レンタルでも何回か観て
これは一生手元に置いておきたい作品だと思い、3年前にBlu-rayも購入しました。

タイトルにも書きましたが、私にとっては今や人生のバイブル的作品です。
今回は作品の簡単な紹介と共に
私から見たこの映画の素晴らしいところや心に残るシーンなどについて書いてみたいと思います。

あらすじ

フォトジャーナリズム雑誌「LIFE」の写真管理部に勤める独身中年男性のウォルター。
生活は決して楽ではなく、内気な性格ゆえ片思い中の同僚シェリルに声もかけられず、地味な生活をしているウォルターは突飛もない妄想の世界に浸ることだけが唯一の楽しみでした。
そんなある日、「LIFE」が廃刊となり、多数の社員が解雇されると通告があります。
その情報と同じ頃、「LIFE」に写真を提供し続けてきたフォトジャーナリストのショーンからウォルターに誕生日のプレゼントと手紙、そしてフィルムが届きます。
プレゼントは「LIFE」誌のスローガンが刻まれた革財布でした。
そして手紙には既に廃刊を知っていたショーンから、ウォルターの仕事ぶりに対する感謝の言葉(ちなみに二人は手紙のやり取りだけで一度も会ったことがありません)、そして「25番」のネガを最終号の表紙に使って欲しい、という依頼が綴られていました。
しかし!同封されていたフィルムは何故か25番だけが切り取られていたのです。
大切な最終号の表紙のネガがないなんて一大事。
そこでウォルターは他のネガの写真をヒントに、世界中を冒険していて、今どこにいるのかも分からないショーンを探しに出かけます。
ショーンは何処にいるのか、25番のネガは見つかるのか
またそのネガ、ショーン曰く「これが人生ライフの真髄だ」と最終号の表紙に強く推薦する写真とはどのようなものなのか・・・

というのが大まかなあらすじです。
では次に私が思うこの作品の素晴らしいところについて、いくつか語らせて頂きます。
ここから先はしばらくネタバレ内容を含みますので、もし知識ゼロで映画を観てみたい方はここまでか、目次より最後のまとめにジャンプして下さい。

ここに注目!!

1.圧巻のロケーション
そもそも、私が劇場公開を観に行こうと思ったのはCMに映し出された映像に惹きつけられたからでした。
CMロングバージョン、コチラで見れます↓
https://www.youtube.com/watch?v=tiuAT12-534

最初の30分くらい観て「冴えない中年のオジサンの妄想の世界なんて興味ないし!」と、もし思ったら
もう少しガマンして先まで観て頂きたいと思います。
ウォルターはグリーンランド、アイスランド、アフガニスタンと旅をするのですが
まぁ、そのロケーションのスケールの大きいこと!そして美しいこと!

旅好きな人にとっては
このロケーションの中をウォルターと共に冒険する疑似体験はたまらないと思います。ちなみに私はまずココからハマりました。

2.バラエティー、そしていずれも憎めないキャラクター
妄想癖はあるけど真面目で優しい主人公のウォルター。
住所も電話も持たず、世界中を冒険する孤高の写真家、ショーン。
ウォルターが恋する明るく美人なシングルマザー、シェリル。
この3人を主軸に
自由奔放なウォルターの妹のオデッサや二人の子供に深い愛情を注ぐ母親のエドナ
会社の再建を任されたとっても嫌味なエリート、テッドなど
とにかくそれぞれがやり過ぎ感なく個性的。
そしてどのキャラクターにも・・・映画では終始イヤなヤツだったテッドにも・・・愛らしさを感じてしまいます。

キャラクターとしての見どころは
・まず、ショーン・ペン演じる孤高のカメラマン、ショーンが何とも渋くてカッコイイ。
(役名もショーンということは、脚本は当て書きなのかな)
・母親役のシャーリー・マクレーンの子供達と話す時の慈愛に満ちた眼差し、表情。母親って本当に太陽みたいな存在なんだな、と思います。
・そして何と言ってもベン・スティラー演じるウォルターの変貌!
最初はいかにも冴えない、しょげた中年男性ってカンジなのに、冒険が進むにつれてどんどんカッコよくなっていくんです。
ラストシーンなんてごく普通のカジュアルな姿なのに、何度見てもときめいてしまいます。シェリル、うらやましーっ!

3.まるでグラフィックアートみたいな映像
冒頭によくあるキャストやディレクター紹介などのテロップ
そしてこの映画のキーワード、「LIFE」誌のスローガンなど
背景映像に文字が組み込まれているシーンがいくつかあるのですが
その手法がオシャレだなぁ~と最初見た時感動しました。
またこの映画、真上とか真横とかから撮影したシーンが多いんですよね。
これは映像というより平面写真を見ているようで、そう、時折本当に「LIFE」誌を読んでいるかのような気分にさせてくれるのです。
写真やアート好きな私としては、ここもまた何度も観たくなるポイントです。

4.何と言ってもストーリー!「人生ライフの真髄」とは?
一見アドベンチャー映画、前半だけみたらもしかしたらファンタジー映画?と思ってしまいそうですが
この映画の最大のテーマは「人生の真髄とは何か?」です。

人との出会い、家族の絆、仕事、夢、お金
得るもの、諦めるもの
同じ人生は2つとないから
人生で価値あるものは?と聞かれたら、それはきっと人それぞれなんだけど
真髄というと1つなのかもしれない、と
私はこの映画で感じました。

冒頭から散りばめられた数々の伏線が終盤で1つになり
ラスト、「LIFE」誌の最終号の表紙の写真を見た時に胸に残るもの
それが人生の真髄なんだと思います。
このラストシーン、私は思い出しただけで泣けます。
ショーン、グッジョブ!!
あなたは本当に最高の写真家です。

大好きなシーン5選

1.グリーンランドにて、シェリルの妄想に背中を押されて最初の冒険に出るシーン
ホント大好きです。
この時かかるBGM、デビットボウイの「スペース・オディティ」
舞い上がるヘリコプター
見送る(妄想の)シェリルの笑顔
氷山の浮かぶ北極海
このシーンが、ウォルターの人生が変わる大きな分岐点となります。

2.アイスランドにて、スケボーでの滑走シーン
この映画の恐らく代表ビジュアルではないでしょうか。TVCMもこのシーンが使われていました。
鳥肌ものの風景と、スケボーで疾走するウォルターを眺める爽快感
あの冴えないウォルターが!?こんなカッコいいこと出来ちゃうの!?って
胸がときめくファーストポイントです。

3.ショーンとの対面シーン
通常の人間が一人で来れるところじゃないよねーって場所で、ようやく二人は会うことが出来ます。
そして25番ネガのありかもついに明かされます。
まんまと騙されます(笑)。
ここでショーンがレンズ越しに見せてくれるユキヒョウが本当に美しいのです。
そしてこの時、ショーンがウォルターに語る言葉がカッコよすぎてシビれます。

4.親子3人で思い出のピアノを売りに行くシーン
ウォルターのお父さんがその昔お母さんに贈ったグランドピアノ。
ウォルターが17才の時お父さんが亡くなって、以後生活は苦しかったようだけどずっと親子で大切にしていた宝物。
間もなく介護施設に入居する母親がこのグランドピアノも持って行けるように、とウォルターは最初、身分不相応な広い部屋を契約しようとしていたんですね。
お母さんはもったいない、と言っていたのにウォルターはお母さんの大切なものだから、と入居予約を入れてしまうんですけど
結局、物語の終盤でピアノは売られることになります。
謝る息子、サバサバした母、陽気な妹
3人が中古ピアノ店で抱き合うこのシーン
地味だけど、私は大好きで何度も観てしまいます。
そしてこのシーンの最後で「お母さーん!!」って私までハグしたくなります。

5.「LIFE」最終号が発売されて、表紙がクローズアップされるシーン
ここに注目!!の4でも書きましたが、観た時だけでなく、思い出した時にも幸せの涙を流させてくれるシーンです。
納得の表紙、納得のエンディング。
温かい感動が残ります。

まとめ:「人生の真髄」が知りたくなったら観て欲しい。

最後に、映画にも度々出てくる「LIFE」誌のスローガンをご紹介します。

世界を見よう
危険でも立ち向かおう
壁の裏側をのぞこう
もっと近づこう
お互いを知ろう
そして感じよう

それが人生ライフの目的だから

このスローガンは
今では私にとっても大事な言葉となっています。
深く共感します。

ところでショーンが25番ネガに込めた思い
「これが人生ライフの真髄だ」は映画を観終わると2つの「LIFE」について語っていることに気付きます。
1つは雑誌「LIFE」がこれまで築き上げてきたものの真髄
そしてもう1つは私達それぞれの「人生」の真髄。

自分の人生の真髄なんて、そうそう簡単に見つかるものじゃない。
でも
「LIFE」誌のスローガン
そして2つの異なる「LIFE」の真髄を表現する1枚の写真
これらを合わせてこの映画を何度かじっくり観ていくうちに
私は「あぁ、これが私の真髄だ」と思えるシンプルで安らかな感情に出会えました。

旅好きな人
写真好きな人
そして、人生、色んな壁にぶつかりながらも一生懸命生きている皆さんに
お時間ある時にぜひ一度鑑賞してみて欲しい作品です。

さて、感想文の部屋、第一回は
何度も観ている思い入れのある作品過ぎて、なかなかの長文となってしまいました。
(しかもまだ、話し足りてなかったりする)
今後も私の感動度によって短文だったり長文だったりすると思いますが
気になった作品があれば、ぜひお付き合い下さい。

「LIFE」観てみたくなったら↓
https://www.amazon.co.jp/LIFE-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95-Blu-ray-%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%A9%E3%83%BC/dp/B00W761PM2/ref=tmm_blu_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=

ちなみにこの映画に影響を受けて
コロナ前まではアイスランド一人旅を計画していましたっていう私のブログです↓
https://tabineko-company.com/%e4%bb%8a%e3%80%81%e7%9b%ae%e6%8c%87%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e6%97%85%e3%81%ae%e3%81%8a%e8%a9%b1

いいなと思ったら応援しよう!

tabineko_company
自分の治療や生活は何とかなるので、もしサポート頂けましたらご支援は近くの保護猫支援団体に寄付させて頂こうと思います。ネコ達に沢山生きる力をもらってきたから、せめてもの恩返しに。

この記事が参加している募集