根を思いっきり張り巡らし、幸せに生きたい…

木で作った小さな箱の中に土を入れ、
そこに一粒のライ麦の種をまく。

そして水を与えながら、
数十日それを育てると、
一本の小さな麦の苗が育ちます。

その後で箱を壊し、
土をきれいに振り落として、
そのライ麦が芽を出し、

その生命を支えていくために一体どれほどの根を
土の中に広げているのか…。

目に見える根は、
全てその長さを測り、
見えない毛根も細かく計測し、
土の中に張り巡らされた根から水分や
窒素やリン、カリウムなど、
生命を支える養分を必死に吸い上げるために
どれくらいの長さの根が張り巡らされていたのか…。

11,200㎞

風にそよぐ一本のライ麦が、
生命を支えるために、
根を張り巡らせた距離…。

これを考えると、
私たちが生きることも同じであると思うのです。

根を張ることが生きること。

根っ子がしっかりしていたら、何度でも再生できる。

今いる場所で根を張ることができないなら、
別の環境で根を張ればいい。

自分に適した環境は必ずある。

誰かに抱えられても生きることはできる。
私たちは、気がついていないけど、
誰かに囲い込まれて生きているのかもしれない…。

それでは、十分に根を張り巡らすことはできない。

自由に生きることはできない。

目に見えない社会から受ける精神的な養分、
人との関わり、
人との繋がり、温かさ、愛、友情、協同…
人としての営みを感じて生きることができない。
根を思いっきり張り巡らし、幸せに生きたい…。

私たちは、
環境を変えることもできる、
そして、環境を創ることもできる。

自分に適した環境は必ずある。
そう信じている。