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音は、景色であり、カラフル…。
今でこそ、
私もZoomを使い、
コーチングセッションをさせていただいていますが、
10年くらい前は、
携帯電話のかけ放題プランを利用し、
クライアントさんと対話をしていました。
お会いしたこともない方との対話、
情報は、お話しの内容だけ。
はじめてお話をする方に、
「初めまして、不安ですよね、大丈夫ですよ、気になることを思いつくところから言葉にしてください…理論的に話す必要なんてありません」
すると、
この言葉かけだけで、
涙ぐむ方もいました。
声って、言葉の意味以外のものが、
相手に伝わっている…。
ということは、
私も、
相手の発する声から伝わるものを
感じて、
大切にしようと思っていました。
情報の多さは、
注意の貧困を招く…。
少ない情報を大切に、
より深く思いを巡らす…。
先日、偶然読んだ本で、そのことが確信になりました。
『目の見えない精神科医が、見えなくなって分かったこと』
著者:福場将太
その本の一節をご紹介させていただきます。
私には患者さんの姿を見ることができません。診察は、特に患者さんの声色、声の向きや強弱、話すリズムやテンポ、使う言葉の選び方、足音などを頼りに行っています。
「あれ?今日はドアを開ける音や足音に元気を感じないな…」
「前回来た時より使う言葉がトゲトゲしくなっているぞ?」
といった、調子の悪さだったり、
「この患者さん、声が生き生きし始めたな。良い感じ、良い感じ」
「お、呼吸のリズムが整ってる。これは良い兆しだな」
といった、調子の良さだったり、
「音」というのは、視覚では見えないものを見せてくれることが多々あります。私にとって、音は景色の1つなのです。
う~ん、納得です。
そして、このような一節がありました。
視覚障がい者の視界は
意外にもカラフルです。
真っ暗な世界だなんてとんでもない!
音は、景色であり、カラフル…。
これだよな、
これ…。
ライフコーチとして見逃してはいけない重要なポイント。
声をクライアントのカラフルな景色であるという認識は、
コーチングの100のスキルより大切…。
と、私は思うのです。
クライアントが、何か言った時、
その思考や言葉の色を感じてみる。
明るいか、暗いか。
強いか、弱いか。
透明感に溢れているのか、くすんでいるか。
その色が気持ちよければ、
エネルギーが循環する。
そうでなければ、滞る。
どんな色で考え、話す癖があるのか。
その蓄積は心身の健康にも影響を与える。
だからよい色で、
人生というキャンパスを描きたい。
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そういう意味で、
クライアントの話を聴く姿勢が問われる…。
傾聴なんだよね。
クライアントの声を通じて、
心象風景をカラフルに感じようとすると、
傾聴から、積極的傾聴となる…。
Listening ⇒ Active Listening
話を聴く目的が変われば、聴く姿勢が変わる…。
クライアントは、
自分の心象風景をカラフルに感じ取ってもらえているからこそ、
淀みなく話をする。
これを対話というのかもしれない。
対話が加速するから、
自分の発する言葉で、
自分自身と、
自分のまわりがペイントされていく…。
感情は、声に現れる。
対話を通じて感情を循環させることができるか?
私たちは、日常において、
思考を優先しすぎて、
感情を抑える、
コントロールする、
違う言葉に変換するなど、
感情の循環をせき止めるから、
身心にも影響が出る。
感情を循環させる対話って大切…だな。
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