High tec by iGUIDE
私の愛車は、ランドローバー ・レンジローバー ・イヴォーク です。そのファーストエディション(新型発売記念車)を2020年に購入。それまでは、旧モデルのフリースタイル-Dに乗っていました。
上の写真は” iGUIDE “ (取扱説明書のスマホアプリ)の目次から取ってきました。つまりこの車に冊子版のトリセツはないのです。ご披露する最初のデジタル技術は、ペーパーレス(動画付き)です。その昔は、厚ぼったい書物でした。時代は、変わりました。
買ってから今まで、前に乗っていた旧モデルは何度か見ました。しかし、新旧共にスタイリングが大人気車種のようで、なかなか中古車の姿を見ることがありません。また、新型の独特なボディ・カラーと同じクルマを見たことが、1回たりともありません。これが自己満足を大いに刺激してくれます。
ランドローバー社は、英国王室御用達のメーカーですが、このチビッコSUVは、そんな高尚なレベルではありません。また、ディーゼルエンジンなので燃料代も安く、ちょっと長い距離での最高記録が、18.9km/ℓでした。そのため、走行モードに “ Sports”はなくて、”Eco”モードがあります。
ドアノブが収納され、ツルンとしたサイドビューで、独特なクーペ・スタイルのため、ハイオクをばら撒くように走る、カッコつけ外車に見られますが尿素か何かの作用によって排気ガスが浄化される、クリーン・ディーゼルエンジンの、環境に優しいクルマなのです。走りは、素晴らしいですが。
先日、4年目の定期点検を済ませ、毎日快調に走っています。このクルマは、フルモデルチェンジ後の新発売記念車種として、ありとあらゆるオプションが装着されています。今となっては、国産車でも当たり前になっているものもありますが、当時は驚きの連続でした。無理矢理表現すると、クルマ全体が、タブレットorスマホなのです。
ただし、前に乗っていた旧型には着いていた、つま先を突っ込むとリアゲートが開くセンサーは、ありません。そのため、洗車場で高速水流に反応して勝手に開いて、車内水浸しになりません。リアゲート下に足を突っ込んで開けるなんて、下品以外の何ものでもないと思います。あくまで私見ですが。
まずは、便利だと思ったハイテク(デジタル)技術を紹介しましょう。何と言っても、このクルマは「視認性」が抜群なのです。よく見えるという機能のハイテク化は、安全運転できる優れた車両機能と同義でしょう。
ヘッドライトは、もちろんLED。照射角度は、状況に応じて切り替わります。センサーが対向車を自動的に検知して、運転の妨げになる眩しい部分が自動的に切り取られるので、気遣い不要です。前の車では、オートマチック・ハイビームでした。対向車が来るとロービームになります。この機能とは、雲泥の差があります。
そして、室内のバックミラーは、鏡にあらず。車両後部カメラからの映像を映します。ですから、後部座席に3人乗っても、後方視界はクリアです。特に、この車種は、クーペ形状で後部視界が、極めて狭く、前の車では不安を抱えていました。夜でも明るい後方映像を見ることができます。
そして、前方のディスプレイでは、360度の映像+真上からの映像(通称衛星写真)+前輪下の映像(この車の特許らしい)が見え、各所に接近感知センサーがあって、音で注意喚起してくれます。特に、一番前のカメラによって、前方左右の確認が確実にできるのは、特筆すべきことでしょう。
更には左右のドアミラーには、センサーがあって、高速道路への進入等、死角になりがちな後続車情報を知らせてくれます。また、全幅 1,905mmは、クラウンが 1,800mm だったのと比べると広く、慣れないと対面通行の高速では、ついつい車線離脱をしてしまいます。そこにもセンサーが働き、グイと押し戻してくれる機能もあります。
また、アクセルを離しても前方車両についていくアダプティブ・クルーズコントロールにより、両足フリーで走っていきます。設定により、前方車両との間隔は一定であり、急な減速や停止まで対応してくれます。そのおかげで、渋滞時のイライラ感もなく、長距離走行でも疲れることがありません。
ひと頃、高級外車によるアオリ運転が問題視されましたが、そんなこともなくなる上に前方付注視による追突防止にもなるのです。しかし、オプション価格は安くないので、回避する人も少なくないとか。今後デジタル技術の発展により、この機能は標準装備必須と制度化すべきでしょう。
さて、異常気象の問題は、年々深刻化してきています。道路が冠水して、行きゆく車が水をタイヤ上部までかき分けて走っている様子が、テレビで頻繁に報じられるようになりました。「線状降水帯」という言葉も、専門用語から飛び出して来て、一般社会の用語となっています。
何と、ランドローバー社の全車種に、水没対策が施されています。大きい車種は、水深90cm まで問題なし。私の愛車では、水深60cm まで潜ってもOKなのです。 ただ車高が異様にあるデカ車とは、構造的に大きく違うのでした。
更に、運転プログラムが通常の路面送稿モード以外に、草/砂利/雪モード泥/わだちモード・砂/深雪モードがあり、いかなる路面状況にも対応できるようになっています。例えば、圧雪状態の急坂を下るとき、コントロールを失ってしまう愚は、ありえません。センサーによって急坂を検知して、強力なエンジンブレーキが発生して、横滑り防止システムが効くことにより、滑り台のような急坂を悠々と下りていきます。
名づけて「砂漠のロールスロイス」と呼ばれるのは、豪華な内装もさることながら、他のメーカーにはない走破性能に、ランドローバーの真骨頂があるからです。見かけは、紳士淑女をお迎えする上品な佇まいに、惚れ込んでいる自分がいます。自慢話は続きます。
さて、私の愛車のオーディオは「すばらしい」の一言で十分です。英国を代表するオーディオ・ブランド”Meridian”が搭載されています。例えば、いつも聞いているFMラジオを流してみると、ダイナミックかつクリアな音質に驚くはずです。
ただし、CDスロットはありません。音楽は、USBに録音したメモリ、有線のApple Car Play、そしてiPhoneのApple MusicをBluetoothで送ることで、高音質のサウンドを満喫できます。音楽好きで、このシステムで視聴経験がない人は、不幸せだと断言できます。私は、大袈裟に「走るサントリー・ホール」と呼んでいます。
このオーディオで、グレン・グールド「ゴールドベルク変奏曲」(1955 モノラル録音)を好んで聴きます。古いアナログ録音の音だとは、誰も気づかないでしょう。契約している Apple Music は、音源の修復再生技術レベルが凄いとしか言いようのない音の良さ。それを”Meridian”で聴けるなんて幸せそのものなのです。
今となっては、国産車の常識になっているスマホからのコントロール機能です。駐車場のクルマのエンジンを、自分のデスクからスタートする時、昔は無線スタートするため、リモコンをできるだけ高く差し上げる光景をよく見たものです。しかし、今はスマホでネット経由でエンジンスタート!併せて、ドアロックしたり、走行履歴を経路・距離・平均速度・燃費まで確認できます。
これは、灼熱状態の夏場も、雪をかぶっている冬場にも、とても重宝します。今年の夏は暑くて大変でした。しかし、わざと陽当たりの良い場所に駐車して、平気な顔をしていました。10分前にエンジンスタートをしておけば、快適な車内が待っていてくれます。
まあ、愛車への経済負担は大きかったわけですが、私はあと1年半で、年金の年を迎えます。若いつもりではいるものの、「ヒヤリハット」の場面も増えてきました。今まで述べたような「至れり尽くせり」機能で救われたことは、少なくありません。
どんどん「死角」が増え続けている、同年代の皆さん。クルマの安全に投資することを心からお勧めいたします。なお、ハイテク機能維持のため、保証期間を標準より2年増やして、5年にすることも、お勧めします。
無理して買って良かったです。 end