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Vol.01 なにかが終わりなにかが始まった10年間

現代文化の汽水域

1950年代から60年代は世界中が戦争の混乱から抜け出し、文化や社会の現代化が始まりました。
この頃に青春時代を過ごしたアーティストたちの残したものは、2020年のいまにも色濃く残っています。
ビートルズの手法はいまでもポップミュージックの基礎であり続けていますし、手塚治虫や赤塚不二夫がいなければ現代のアニメ文化やサブカルの成熟もなかったのではないでしょうか。

そんな現代文化の黎明期も、あの「1969年」を境に大きくかじを切ることになります。
ひとびとの生活が豊かになり、よりスマートで洗練されたものを人々は求め始め、60年代までのマッチョで汗くさいやり方が敬遠されはじめます。
80年代に入る頃にはそういった「ひとびとの憧れ」はかなり達成されることになり、それは今の時代につながっているものです。

70年代というのは、そんな通過点でもあり、成長期でもあり、いわば「変化の時代」であったというわけです。
60年代の塩辛い水と80年代以降の淡い水が混じり合う「汽水域」のような時代。

汽水域を好む変わった生物が多くいるように、この時代にも特別なものが多くあります。
それは過去への思いであったり、未来への期待であったり、あるいは単なる通過点であったり。

そんなことをこれから少しづつ紹介していきたいと思っています。

つづく。

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