「周りが何をしているか」に注意を払うことで得られる3つのもの
もう21年ほど前になりますが、
県庁に入った頃、
直属の上司ではない方から
言われた言葉があります。
「けんさん、
周りの人が何をしよるか
よーに見ときまいよ」
すみません、方言丸出しなので、
共通語に訳しますと、
「けんさん、
周りの人が何をしてるか
よく見ておきなさいよ」
これを言われたときは、
なぜこの言葉をかけてくれたのか
わかりませんでした。
でも、
これを実行するうちに、
ぼくは3つのものを得ることが
できたのです。
1つ目は、
危険察知能力。
「上司がバタバタしてて
何かトラブってるようだ。
何やら自分の担当の仕事に
関係ある言葉が聞こえる、
これは急な仕事が
降ってきそうだぞ」
「隣の先輩が課長に
説明してるけど、
やり直しの指示が出てる。
ああいう進め方は
課長の好みじゃないんだな」
聞き耳を立てたり、
少し注意を払うだけで、
迫り来る危険を察知し、
対策を講じたり、
危険が避けられなくても
事前に心構えができます。
2つ目は、
情報収集能力。
自分がやったことのない仕事でも、
近くに経験者がいることは
よくあります。
「この人、あの仕事
やってたんだな」
「その仕事は
こういう段取りで進めると
手戻りがないんだな」
周りの発言を
なんとなく聞いているだけで、
たちまちは役に立たなくても
いずれ大いに参考になるときが
やってきます。
3つ目は、
信用を得られる機会を
捉える能力。
先ほどの反対で、
わからないことがあって
困っている人がいたとして、
その人に
教えてあげられるものを
自分が持っていたときは、
すぐさま話しかけて
力になることができます。
ここから信用を得て、
やがては
信頼へとつながっていくのです。
ぼくのかつての上司は、
わからないことがあると
職場ではわざと大きな声で
周りに内容がわかるように話す、
と言っていました。
すると、心と知識のある人が
「ああ、それはね」と
教えてくれる。
そんなガヤガヤした空間こそが
暗黙知の共有、
つまり形式知化につながるんだと、
上司は言っていたのかなと思います。
周囲に目を向けて
損することは
何一つない!
さあ、あなたも今日から、
往年の中田英寿ばりに
視野を広げて、
キラーパスを出していきましょう!