牧野富太郎が大切にした「〇〇的思考」#24
以前、
高知県立牧野植物園に行ったときに
印象に残ったのが、
様々な種類の草木や花もそうですが、
牧野富太郎の生きざま、
人間としての在り方でした。
授業に飽き足らず、
14歳で当時の小学校を自主退学し、
翌年には
その小学校の臨時教員となるという、
型破りな経歴もさることながら、
少年時代(18歳~20歳頃)に
植物学を志すようになった頃の
勉強心得である
「赭鞭一撻(しゃべんいったつ)」を知り、
ぼくは大変感銘を受けました。
赭鞭一撻は
15の項目から構成されますが、
その中のひとつをご紹介します。
十四. 書を家とせずして、友とすべし。
本は読まなければなりません。しかし、書かれている事がすべて正しい訳ではないのです。間違いもあるでしょう。書かれている事を信じてばかりいる事は、その本の中に安住して、自分の学問を延ばす可能性を失うことです。新説をたてる事も不可能になるでしょう。過去の学者のあげた成果を批判し、誤りを正してこそ、学問の未来に利するでしょう。だから、書物(とその著者)は、自分と対等の立場にある友人であると思いなさい。
いわゆる「批判的思考」
(クリティカルシンキング)
のことを説いているのだと思います。
物事の一面だけを見るのではなく、
多面的に捉えること。
ある意見を鵜呑みにすることなく、
その論理に矛盾や飛躍がないか
疑ってかかること。
これによって、
新たな論理を構築したり、
よりよい問題解決策を
導いたりしようというものです。
この批判的思考が、
「健全な批判力」という文言で、
高校の教育目標として
学校教育法にも定められていたのを
初めて知りました。
(以下、文部科学省の審議会の資料です)
ぼくが受けた中小企業診断士の試験でも、
心がけていたのは
多面的に考え、回答することです。
円柱は、
真上から見ると円、
でも、
真横からみると四角形。
斜めから見ることで、
それが円柱なんだとわかります。
これを二十歳そこそこの年齢で
心得としていた牧野富太郎。
脱帽です。
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