【Learning for All のこれまでと未来】前編<マネージャーミーティング/イベントレポート>
子どもの居場所づくりや食事支援、学習支援などに取り組む認定NPO法人Learning for All 。
2023年11月30日(木)にマネージャー全員が集合し、「Learning for All のこれまでと未来」について語り合うイベントが開催されました。
日頃から子どもたちと最前線で向き合うメンバーや、経理や人事、総務など裏から団体を支えるメンバーなど、多種多様な立場のメンバーが勢揃い。今回は「子どもたちの未来を明るくしたい」という想い溢れるイベントの様子を前編/後編の2回に分けてご紹介します。
「僕らの原動力は "こどもに最良のものを届けること"」
まず最初に、代表の李 炯植(り ひょんしぎ)がLearning for All の発足から「地域協働型子ども包括支援」のモデル構築に至るまで、エピソードをお話しました。
「理想を捨てずに、どれだけ現実を近づけられるのか」
2011年、当時21歳だった李は先輩に声をかけられ、Teach For Japanの一事業だった “学習支援事業” のボランティアを手伝うようになります。日々子どもと向き合っていく中で、自分のやるべきことが明確になっていた李はその後、Teach For Japanの学習支援事業を独立させ、2014年にNPO法人 Learning for All を創設します。
しかし、独立当初はとにかく人手が足りず、大変だったという李。これまで築き上げてきた学習支援のノウハウを、いかに質を落とさずに子どもたちに届けられるのか、そもそもどうやって組織を存続できるのか、限られているリソースの中で、「理想を捨てずに、どれだけ現実を近づけられるのか」、奮闘する日々だったと言います。
2016年、日本財団との連携。子どもたちの「第三の居場所」オープン。
2016年、約1,000名の子どもに学習支援を行っていたLearning for All ですが、一つ転機となったのは日本財団との連携でした。それまでは学習支援事業のみを展開していたLearning for All ですが、日本財団が始めた「第三の居場所事業」の第一号拠点として埼玉県戸田市で拠点をオープンします。これが現在の居場所づくり事業のスタートです。
学習支援や戸田市での居場所づくりを進めていく中で、李は「6才から18才までの子どもたちがどんなことを求めているのか」、だんだんとニーズが見えてくるようになりました。それは、子どもたちにとって “早期からの切れ目ない支援” が必要だということ。連携するステークホルダーが広がっていったこともあり、NPO団体だけではなく学校や行政、地域も含めて、みんなで子どもたちへの包括的なサポート体制を築くことの大切さを感じていきます。
そして、2017年、地域の様々なステークホルダーと協力をしながら「つながり」「学びの環境」「育まれる環境」を整備し、6歳から18歳の子どもたちの生活圏に必要なすべての支援・機会がそろう「地域協働型子ども包括支援」のモデルを構築していきます。
2017年、「NPO」 と聞くと “怪しい団体” というイメージ。
2017年以降のLearning for All の歩みについては、コミュニティ推進事業部 ディレクターの石神 駿一(いしがみ しゅんいち)から紹介。
2017年以降から本格的に資金調達を開始したLearning for All 。今でこそ「NPO団体」というものや「子どもの貧困という社会課題」に対しての理解が進んではいるものの、5年前の当時は 「NPO」と聞くと “怪しい団体” というイメージ。毎週プレゼンする人を変えては、Learning for All の活動について紹介し、企業の朝礼などに参加してご寄付をお願いすることも。年間100回以上プレゼンテーションを行いながら、子ども支援の大切さを伝えていく2年間だったと当時を振り返ります。
話を受けて、個人の時間とグループトーク
李と石神の話を受けた後は、マネージャー全員での意見交換会。
まずは話を聞く中で、
共感したこと
もっと聞きたいと思ったこと・疑問点
について、それぞれの想いを付箋に込めていき、グループトークで共有していきます。
“ 現実に向き合いつつも、子どもにとって何が一番よいのか、理想を下げずに持ち続けていくことが素敵だよね ”
“ これまでの理想は共感できたし、その想いがLearning for All の今の活動とずれていないことがわかった ”
“ その中で今後、Learning for All が子どものためにできることはどんなものなんだろう ”
“ 最近の子ども支援に向き合っている拠点がどんなことにチャレンジしているのか知りたい "
“ 拠点で頑張っているメンバーの想いを聞きたいよね "
李と石神から創設時の熱い話を受けて、グループトークは大盛り上がり。普段は関われないメンバーとの交流ということもあり、お互いの仕事内容や日頃から感じている想い/悩みなどにも話が進んでいきます。 そして最後は全体での質疑時間。今回は2つご紹介します。
学生ボランティアとして関わり続けたメンバーが、Learning for All に戻ってくる理由
経営管理部 経営管理ディレクター補佐 星野 賢一郎
ーーー 学生時代にインターンやボランティアをされていた方で、Learning for All へ戻ってきた方へ、どうして戻ってこようと思ったのか、ぜひ知りたいです。
コミュニティ推進事業部 企業連携チームマネージャー 中川 翔子
ーーー 学生時代にボランティアとして関わっていたのですが、その時に自分が得た経験や成長が忘れられませんでした。もともとボランティアやインターンをしている中で、「こんな人になりたい」と思える人がそばにいたことも大きかったです。また、民間企業で働く中で、その仕事に充実感もありつつ、「子どもたちに関わる仕事をしたい」という想いも強くなりました。それまでの社会人経験を活かして、人材開発や組織開発、営業という立場でLearinig for All へ関わりたいと想い、戻ることを決意しました。
子ども支援事業部エリアマネージャー多田理紗
ーーー 学生時代からLearning for All で活動していたのですが、子どもたちと向き合う中で、「地域協働型子ども包括支援」のような子どもの居場所づくりに対する必要性をすでに感じていました。当時は実現できるわけもなく卒業とともに活動を終えていました。しかし2016年に李さんから、戸田市で居場所づくり事業を開始することを聞き、子どもたちや社会に必要な事業を立ち上げて実現していく団体なのだと思い、自分も一緒に実現していきたいと考え、2016年に戻ってきました。
現場で活動されているメンバーへ「大変なとき、どう乗り越えていますか。」
子ども支援事業部 マネージャー 八名 恵理子
ーーー 李さんの話の中で「大変な時もアクセルを踏んでいった」という話があり、とても凄いなと思いました。現場で活動されている皆さんに、大変に感じる時をどう乗り越えているのか教えてほしいです。
子ども支援事業部 エリアマネージャー 佐藤 麻理子
ーーー 私の場合は「目の前に子どもがいる」ということが大きかったです。そもそも現場が大好きで、できるだけ子どもと直接触れ合い、元気をもらうことで必死になれました。ただ、昔は働き方や組織の仕組みやノウハウがない中で「何をしたらいいかわからない状態」だったので、がむしゃら感は強かったかなと思います。今は団体としても基盤が整い、より現場を、そして社会をどう良くしていくか、を考えることに注力することができるようになっています。チームメンバーと話せる時間も次第に増え、信頼感も増し、チームとして成長できているなと思えることも多く…そういったチームの力が子どもたちにもしっかり伝わっていくことが嬉しくて、大変な時でも乗り越えていけるのではと思います。
いかがでしたか。今回はマネージャーミーティングのイベントレポート前編「Learning for All のこれまでと未来」をお送りしました。次回は後編を予定しております。お楽しみに…!