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読書関連

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読んだ本の感想記事をまとめます。
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2024年6月の記事一覧

読書感想:「大どろぼうホッツェンプロッツ」プロイスラ―

子供の頃に読んだことのある物語。今改めて読み直してみても面白かった。ホッツェンプロッツは最後改心していたような記憶があったけど、それは続編での話だった。 2人の少年たちが大泥棒と悪い魔法使いに挑むべく知恵を働かせるけど、悪者たちも一筋縄ではいかない。2人が帽子を交換する変装作戦が後々の伏線になっていて、帽子によって事態が急展開する場面は納得感とユーモアがある。 音楽を鳴らすコーヒーひき、魔法使い特性のかぎたばこ、空飛ぶ魔法のマント等、物語中に出てくるアイテムが面白いのも魅力。

読書感想「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」デヴィッド・グレーバー

ブルシット・ジョブについての本を読んだ。 実例がいくつか紹介されていたけれど、私には想像のできない世界だった。 仕事が原因で病んでしまった人の話はいくらでも見つかるけど、それもブルシット・ジョブだったのかなぁと考えてしまう。 ブルシット・ジョブは高給取りだけどあまりの無意味さに精神をやられてしまう場合がある。意味のある仕事は給料が低い。どっちに転んでも辛いのが酷いなぁと思いつつ。 自分の仕事についても考えてみたけどちゃんと意味はあると思う。お給料少ないけど。つまりブルシット・

読書感想:「ロボット・イン・ザ・ファミリー」

「ロボット・イン・ザ」シリーズ4作目。 今回はタングの出番が少ないと感じた。ボニーが中心に描かれている。 ジャスミンが去り、代わりにフランキーがやってくる。 ボニーは自閉スペクトラム症らしく、逐一困った事が起きる。 他人ごとではないので頭と胸が痛むが、赤の他人から見れば迷惑にしか見えないだろうな、とも思う。本人も世話する人も大変。悩みの種になっているボニーだが、終盤でフランキーの為に行動する部分も見せる。 フランキーは捨てられても元の持ち主、ソニアの世話をしたいと言い、彼女の

読書感想:「ケーキの切れない非行少年たち」「どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2」 宮口幸治

「ケーキの切れない非行少年たち」はネット記事などでも何度かタイトルが出ているのを見かけたことがあり、有名な本だったが、いままで読んだことが無かった。図書館で偶然見つけたため、借りて読んでみることにした。さらに、「ケーキの切れない非行少年たち2」として「どうしても頑張れない人たち」も隣に並んでいたので、それも一緒に借りてきた。ここでは2冊まとめて紹介する。読んでいて、とても辛い、悲しい、やりきれないというような気持ちになるのだ。もし、自分や自分と親しい人が犯罪の被害に遭った場合

読書感想:「ジーキル博士とハイド氏」スティーブンスン

(見出し画像はCopilot Designerで作成しました、) 非常に有名な作品なので、ハイド氏はジーキル博士なのは知っていたけれど、それでもハイドの不気味さと謎は興味を惹くし、物語の真相を知りたくなる。特殊な薬によってジーキルはハイドに変身し、姿形も大きく変わってしまう。ハイドの外見の描写は独特で、説明しがたいが誰もが嫌悪を感じるようなものらしい。ハイド(ジキル)本人以外の登場人物は全員ハイドを見て嫌悪感を感じている。ハイドが純粋な悪の側面の具現化のようなもでだとしても、

読書感想:「アレックスと私」アイリーン・M・ペパーバーグ

この本は前から読んでみたいと思っていたので、図書館で見つけた時は嬉しかった。 ヨウムと言う鳥は、おしゃべりが得意で、とても賢い事で知られ、youtubeなどでも流暢に話している動画が多くみられる。 アレクサを操作できるヨウムもいるらしい。 しかし、アイリーン博士がアレックスの研究をしていた時代は、動物に知性があることは信じられておらず、研究を信じてもらえなかったり、研究費の確保に苦労したりしたそうだ。 アレックスの研究によって、動物に知性や感情がある事が広く認められたようだ

読書感想:「うそつきロボット」アイザック・アシモフ

この本には、4つの短編が収録されている。 「子守りロボット・ロビィ」:子守りロボットとばかり遊ぶ子供を心配して、両親はロボットを工場に返してしまうが、子供はロボットに会いたがってしまう話。 「水星ロボット・スピーディ」:高温環境の水星で、資源採掘をするロボット・スピーディが任務中に迷走を始めてしまい、科学者たちが原因を考える話。 「うそつきロボット・ハービィ」:人間の心が読めるロボット・ハービィは 人間のこころを傷つけないために嘘をつくが、そのせいでかえって人間たちに混乱をも