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うちの大学の学生のよくある質問

うちの大学(Fラン)では、某国家試験の受験資格を得られるため、専門分野の授業や実習の多いカリキュラムになっています。
私はその中の専門教科をいくつか担当しています。

本来なら専門教科の授業内容は、その分野をある程度掘り下げて教授するものですが、うちの学生の場合、内容を掘り下げすぎると、というか、浅く掘っても内容を理解できないため、国家試験に出る範囲あたりの内容にとどめています。
それでも残念ながら、うちの学生の大多数にとっては、授業内容を理解するのは難しいようです。

授業内容をほぼ理解できないため、授業内容に関する質問は皆無です。
現任校に4月に着任して、前期も後期も授業を持っていますが、いまだに授業内容に関する質問を受けたことはありません。

ですが、授業内容以外の質問はときどきあります。
今回は彼らからのよくある質問を紹介します。

試験の範囲はどこか?

この質問での「試験」とは学期末の試験のことです。
そりゃ授業でやったところ全部だろ?と思いますが、なぜか聞いてきます。
前期にあまりにたくさんの学生が聞いてくるので、後期の授業では初回の授業で念を押しておきました。
それでも相変わらず聞いてきますが。

再試験は本試験と同じ問題か?

本試験で合格点に達しなかった学生に対して、再試験を実施します。
再試験で合格点に達しなければ、単位を落とすことになります。
常識的に考えて、再試験の問題が本試験と同じなわけはないのですが、やたらと聞いてきます。
しかも、本試験を落とした学生が聞いてくるのならまだ理解できますが、本試験が実施される前に聞いてきます。
つまり、本試験で合格するのは無理なので、再試験で単位を取ろうと考えているのです。
そして、うちの大学の多くの授業では、再試験の出題の半分は本試験の出題そのままです。
そうしないと学生が単位が取れないからです。
ですので、彼らにとって、再試験=本試験の出題のリサイクルが当たり前となっており、上記の質問が出てくるわけです。

勉強の仕方が分からない

この質問がもっとも返答に窮します。
彼らが言うには、赤シート勉強法やら、教科書や配布資料の内容をノートに書き写してみたり、一通り勉強法を試してみたが、ぜんぜん覚えられないそうです。

それはおそらく覚えるまで勉強しなかったのでは?と思います。

で、「ちゃんと覚えるまで繰り返し勉強したか?」と聞いてみたのですが、それについては口ごもります。
結局、新しい勉強法をかじってみて、勉強をやったつもりになっているだけということに気づいていない様子です。
気づいていても、勉強したくないから、「勉強したけど覚えられなかった」ことにしているのでしょう。
この質問をしてくるほとんどの学生は自分ではこのことに気づいていると思います。

この質問は彼らの本質を端的に表していると思います。
嫌なこと、やりたくないことから言い訳して逃げる癖がついているのだと思います。
この癖は早く克服しないと、社会人になって苦労するだろうなと思います。
きっと就職しても「あの会社は合わない」「あの会社はブラックだ」とか言ってすぐ辞めると思います。
実際にうちの大学では、新卒で就職した会社を数ヶ月で辞める人が多いです。

少し、話が逸れましたが、うちの大学では、授業内容に関する質問は今のところなく、単位を取るための質問だけが寄せられている状態です。
学生と学問について話がしたいなと思う今日この頃です。

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