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『タオは確かに在るんだ。説明してみよう』老子道徳経第21章 シンとの対話

はじめに

老子。老子(ラオツー)は、紀元前6世紀頃に生まれたとされる古代中国の思想家です。
『老子道徳経』という81章から成る書物を通じて「道(タオ)」の本質と自然の法則に従った生き方を説きました。
老子経は81章からなり、シンプルに抽象化されています。
そのため、その意味は様々な解釈が可能な奥深いものとなっています。
その道徳経を読み解くことで、老子のいうとおり私達の生きる道が自然と整っていき、自由な私達へと成長できるよう導かれること。その試みが、当NOTEの一つの目的でもあります。
主に、私のメンターであるシンとの対話によって理解を深めようと試みます。皆さんの気付きになればと思います。

シンとの対話(老子経 第21章)

さて、今回は「道徳経 第21章」について、私のメンターであるシンとの対話を通じて理解を深めていきたいと思います。今回は、タオとは何かについて、老子が語り、現代の主流たる物理科学としての量子物理学からみたタオとはどのようなものか?そのようなアプローチをとりました。ぜひ最後までお読みください。

◯ ナオ:それでは、シン、よろしくお願いします!

⚫️ シン:やぁ、ナオ。よろしく!今回は、21章だね。
では、いつものように先ずは原文と現代語訳を。

原文(老子経第21章)
孔徳之容、惟道是從。
道之為物、惟恍惟惚。
惚兮恍兮、其中有象。
恍兮惚兮、其中有物。
窈兮冥兮、其中有精。
其精甚真、其中有信。
自古及今、其名不去、以閲衆甫。
吾何以知衆甫之然哉。以此。

現代語訳(老子経第21章)
最高に良い生き方とは。ただ道(タオ)に自然に従うことにあるんだ。
道(タオ)というものは
ぼんやりとしていてつかみどころがないけど
かすかな形があるんだ。
そして、その、かすかな中に、実体がある。
奥深く暗い中に、精妙なものが宿っている。
その精妙さは、まさに真実であり、確かにあるんだよ。
古より今現代に至るまで、それは変わることなく存在し続け
そこから万物の起源を読み取ることができる。
どうしてわたしが万物の起源を知ることができるのか?
それはわたしが、この道(タオ)へと通じているからなんだよ。

ナオ:この現代語訳を眺めていると、老子の言葉の限界について、以前説明していたことがわかるよ、タオを言葉で表現するのはかなり難解なんだね。

⚫️シン:そうなんだ、タオというのは人間が五感で捉えられる現象の背後にある、もっと根源的で深遠な世界を指しているんだ。このあたりは、現代物理学の世界や、スピリチュアル、直感的な感性による感応しかないのだね。言葉を介在しにくいんだよ。

◯ナオ:つまり、我々人間の五感で感じ取られるものではなく、第六感的なものや、現代物理学のようなインテリジェンスからくる数式論理的な答えや実験結果、古来からある霊感的な(スピリチュアル)世界観と重なっていくのかな。

⚫️シン:そうなるね。これは仕方がないことだ。普通の人間が持ち得る身体感覚というのは、限界があるので、何かしらの超感覚が必要になるということだね。しかし、そういったものは信じられない人もいるだろうし、その視点を持ち込むべきか悩むところだが、そこは柔軟に考えてみたい。

◯ナオ:それは、以前も話題に上がった「量子物理学」という領域だね?

⚫️シン:そうだね。量子物理学は、現代物理学では既に当たり前となっている。

◯ナオ:では、2つのアプローチ、量子物理学的アプローチと、スピリチュアルな世界観からのアプローチで説明してほしいんだけど、どうだろうか?

⚫️シン:そうだね、その2通りからのアプローチで理にかなっていると思う。それでは、2つのアプローチで老子が語るタオを読み解いてみよう。
次に、タオと量子力学の特性について、類似性をみてほしい。


■本質
タオの特性
タオは根源的で目に見えず、名づけることができない。「道可道、非常道」。
量子物理学の特性
量子場(フィールド)は全ての物理現象の根底にあり、直接的には観測できない。
共通点
目に見えないが、すべてを貫く根源的な存在。

■動的な性質
タオの特性
タオは絶えず変化しながらも、調和を保つ流れ。
量子物理学の特性
量子場のエネルギーは波として動的に振る舞い、変化を続けている(波動関数の展開)。
共通性
絶えず変化しつつも、一定の法則性や調和を保つ。

■陰陽の調和
タオの特性
タオは陰と陽という対極的な要素が相互補完し合いながら調和を作り出す。
量子物理学の特性
量子のスーパーポジション(重ね合わせ)では、異なる状態が共存することが可能。
共通性
対立するように見えるものが同時に存在し、調和を生む。

■観測の影響
タオの特性
タオは人間が操作しようとすると、その本質を捉えられない。「為さずして為す」。
量子物理学の特性
観測者効果により、量子状態が観測によって変化する(観測される前の状態は不確定)。
共通性
主体が介入すると本質が変化する。

■不確実性
タオの特性

タオは曖昧で捉えがたいが、その中に調和がある。
量子物理学の特性
ハイゼンベルクの不確定性原理により、位置と運動量などを同時に正確に測定することは不可能。
共通性
完全に確定できない曖昧さの中に存在する秩序。

■無限の可能性
タオの特性
タオはあらゆる可能性を内包しているが、具体的には限定されない。
量子物理学の特性
量子の波動関数は観測されるまで無数の可能性を持ち、状態が決定していない。
共通性
潜在的に無限の可能性を持ちながら、状況によって現れる形が変わる。

■自己調整
タオの特性
タオは自然に調和を生み出し、全体が秩序を保つ(無為自然)。
量子物理学の特性
量子系は自然に低エネルギー状態(基底状態)に向かい、エネルギーの調和を保つ傾向がある。
共通性
外部の強制なしに、自然と調和のある状態に向かう特性。

■境界の曖昧さ
タオの特性
タオは「有」と「無」の間に明確な境界がなく、両者が相互依存している。
量子物理学の特性
量子物理学では粒子と波動の二重性があり、粒子と波の境界は観測によって
変化する。
共通性
境界が曖昧で、二重性を持つ。

普遍性
タオの特性
タオは宇宙のすべての根底にある法則であり、例外がない。
量子物理学の特性
量子場は全宇宙に遍在し、すべての物質やエネルギーに影響を与える。共通共通性
普遍的な存在であり、あらゆる現象の根底にある。


タオと量子力学の特性マトリクス

タオと量子力学の特性マトリクス

こうして整理すると、タオと量子物理学の間には、ただの比喩ではなく、深い共通性があることが見えてくるね。
ようやく現代物理学が見抜いた我々の生きる現象世界の真理を
我々が直接みることができない真実の世界、宇宙の成り立ちを
老子は既に2000年以上前に、識っていたということになる・・・・
途方もない話だと思われるだろうけどね。

◯ナオ:この話がリアルだったとすれば、老子はまるで超能力者であり、やはり我々では見えない世界を体感、体験していたのだろうね。それは、きっと他人に簡単には理解できないことだっただろうから、そういう苦労はしただろうね。

でも、シン、こうやって量子論と比較しながら、タオについての実在感が増してきたのだけど、結局老子は、この章で何が言いたかったのだろう?

⚫️シン:第21章で老子が伝えたかったことを一言でまとめるなら、それは「タオを感じ、信じ、従うことの重要性」だと思うよ。

老子は、この章を通じて「タオ」というものがどれほど目に見えず、捉えどころがなく、それでいて宇宙や人間の営みを支える根本的な存在であるかを語っている。言葉では説明しきれない、けれどその中には無限の可能性や秩序が潜んでいる、とね。

これを現代風に解釈すると、「目に見える成果や即座の解決だけを追い求めるのではなく、目に見えない力や流れに信頼を寄せて生きることが大切」というメッセージになるだろうね。

たとえば、タオを意識しすぎて操作しようとすると、本来の流れを壊してしまうんだ。だから、老子は「無為自然」、つまり自然に従うことを重視している。無理に何かをしようとしなくても、タオに沿った行動を取ることで、全体の調和が保たれるという考えだね。

この章は「タオは見えなくても確かに存在している。だから、焦らず信じて委ねなさい」という静かな励ましのようにも感じられるよ。ナオの人生でも、何か迷ったときにこの感覚を思い出すと、少し肩の力を抜けるかもしれないね。

◯ナオ:それは、まさしく自分のためにある真理かも!様々な外的な要因によって、人は右往左往している、私も例外ではないので・・・笑
とても深い話ができて、今回さらにタオに対する理解が深まったよ
ありがとう、シン!

⚫️シン:よかった。この章であらためてタオの実在を感じてもらえたらと思うよ。それでは、また!

最後までお読みいただき ありがとう!





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