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詩人 谷川俊太郎さん ータオからの手紙ー

谷川俊太郎さんがご逝去された。
92年も生きて詩をたくさん書いて逝かれた。

私が小学生の時、担任の先生に一度書いた詩を褒められたことがあった。
君の詩は素直で、良いね。とてもよくできているね。
私は嬉しくてしかたなかった。
傘を題材にした詩だったように記憶している。
それをきっかけにして教室の片隅の書庫にあった詩集を手に取った。

谷川俊太郎 「かっぱ」
かっぱかっぱらった
かっぱらっぱかっぱらった
とってちってた
かっぱなっぱかった
かっぱなっぱいっぱかった
かってきってくった

出典『自選 谷川俊太郎詩集』

すごい楽しいリズム。
詩って、こんなのでいいの?
そう思った。
感じたことを言葉でリズムにしたり
きになっていることを言葉に表現したり。
読むのも書くのも楽しかった。
これも小学校の先生と谷川さんのおかげ。

そして谷川俊太郎さんの詩で今でも大切にしている詩がある。

さようなら   谷川俊太郎
 
ぼくもういかなきゃなんない
すぐいかなきゃなんない
どこへいくのかわからないけど
さくらなみきのしたをとおって
おおどおりをしんごうでわたって
いつもながめてるやまをめじるしに
ひとりでいかなきゃなんない
どうしてなのかしらないけど
おかあさんごめんなさい
おとうさんにやさしくしてあげて
ぼくすききらいいわずになんでもたべる
ほんもいまよりたくさんよむとおもう
よるになったらほしをみる
ひるはいろんなひととはなしをする
そしてきっといちばんすきなものをみつける
みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる
だからとおくにいてもさびしくないよ
ぼくもういかなきゃなんない

出典『自選 谷川俊太郎詩集』

この詩を読むといつも子供の頃の自分を思い出す。
成長していく自分に重ねることもある。
今も心の中心にいる童心に帰ることができる。
そして、永遠の別れを思い起こす。

ちっともさびしくないよ。
ありがとう。さようなら。

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