“人に届けなくてもいい”。「手紙のヒト」が手掛ける手紙時間とは一体?
「気付いたら書けた」を引き出すデザインと共に、手紙の本質的な価値を『体験』として届ける akinaの手紙時間 をまとめました。
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akinaの手紙時間とは?
”自分の為に書く手紙” を通して、人生の大切なことに目を向ける時間、それが私の手紙時間です。
一番大切にしているのが、空間づくりです。 一人ひとりの境界線がしっかり存在した “みんないっしょに” という強制力のない空間でありながら、その境界線に淡いグラデーションがかかっているようなバランスのとれた空間を手掛けています。
また、この手紙時間には、美しい手紙を書くというゴールも、必ず誰かに届けるというルールもありません。
その理由は私自身のこの活動の原点に遡ります。手紙は“ 自分自身の為に書くものでもある ”と知ったからこそ、こんな手紙を書きましょうという正解を用意するのではなく、一人ひとりの心がホッと癒やされて、素直にいられる空間とそのきっかけとなる仕掛けをご用意することを大切にしています。
1.人生において大切なことに立ち返る。
2.感情をめいっぱい味わう。
3.季節に合わせたテーマを五感で愉しむ。
これらが自然とできていたと感じていただけることを目指して “手紙の体験” をつくっています。
これまでの手紙時間▽
(イベントの様子はインスタグラムにてご紹介しています◎akina(@letter__15) • Instagram写真と動画)
□「手紙bar」in 世田谷
□「秋に恋する手紙時間 - message in a bottle- 」in 横須賀
□「心の冬支度 - クリスマスな手紙時間」in 中目黒
□「Making wish list 2024」in 香川
□「akinaの淡いショコラ展- バレンタインな手紙時間- 」in 世田谷
□「akinaのはなむけの言葉展-春の手紙時間-」in 恵比寿
□「akinaのRED-LETTER DAY展-ルージュな手紙時間-」in 錦糸町
□「お盆を味わう手紙時間」in 島根
etc…
「ここだから書ける手紙」を。
初めて一人で参加してくださる方は、不安を抱えながらもお越しいただいていることも多い思います。
だからこそ、いきなり手紙を書くのではなく、お茶会やお菓子タイムをご用意しています。そして「五感で愉しむ手紙時間」として、お出しするものにも一つ一つこだわりが。
たとえば、このお菓子は2024年の夏に私の地元島根県で開催した「お盆を味わう手紙時間」にてお出しした和菓子。
開催したのは、8月13日の迎え盆の日。せわしない日々の中で一度立ち止まって故人や家族に想いを馳せるために企画したものでした。
そんなテーマに合わせて選んだのが、島根県松江市の老舗和菓子屋である彩雲堂さんの「灯籠流し」というお菓子。
金箔やあんこの表情で、夏の風物詩が表現されたこの和菓子をとおして、「味覚」からも愉しんでいただけるように選ばせて頂きました。
またお茶時間以外にも、手紙時間を共にする参加者の皆さまが一丸となって「絵本の読み聞かせ」という共同作業をしていただく時間も、より会場に一体感が生まれるひとときでした。
ここで絵本の読み聞かせをとりいれるのにも深い意味が。「絵本」という媒体は、物語が抽象的だからこそ、自身の思い出が自然と掘り起こされたり、自分の感情と重ねて物語に没入できたり…。
絵本をとおしてあらゆる記憶や感情を呼び起こすことが、手紙への準備運動となってくれるのです。いきなり手紙を書こうと思っても、誰に書くか、何を書くか思い浮かばないな…という方にこそ愉しんでいただきたい時間です。
また「絵本を読み聞かせしてもらう」体験そのものに、心が癒やされたり、「絵本を読み聞かせする」体験を通して自分自身のやさしさが自然と溢れてきたり…。気づいたら会場全体がどこか懐かしく、豊かなあたたかさに包まれる瞬間です。
続いて、絵本を通して感じたあらゆる感情を、誰にも見せない形でひたすら書き綴るという数分間の「フリーライティング」を行います。
また、「質問カード」で感情を深堀りすることもあります。
そして、心の中を参加者のみなさん同士でシェアしていきます。この時間は、「誰に書こう…」「自分に手紙が書けるかな…」と不安に思っていた方が、「あ…この人に宛てて書こう!」「書きたいことが思い浮かんだ!」と、書きたい手紙にグッと近づいていただけるひととき。
会話の中で ”新しい視点” に出逢うきっかけにもなってくれているようです。
これこそが、「一人じゃないからかける手紙」であり「ここだから書ける手紙」の正体です。
コンセプトを体現する「世界観」
忙しない日々のなかでゆっくりと季節のイベントを味わう機会を自ら設けることは、簡単ではないですよね。
一方で、一つ一つの年中行事を大切に味わうことだできたら、一年はぐっと豊かになるような気もします。
だからこそ、私の手紙時間が、みなさまの季節を味わうきっかけになってくれたら嬉しい限りです。
お茶時間のドリンクやお菓子だけではなく、「五感で味わう手紙時間」として、テーマに合わせた、香り、音楽、ディスプレイなども様々。イベント直前は、あらゆるものを探し求め、街中を駆け巡りながら、とっておきの“心が動くもの”をセレクトしています。
そして、手紙時間のメインディッシュである、だれかを想いながら、紙を選び、言葉を紡ぎ、手紙を結ぶひととき…。
その一連の「選択」と「手を動かす時間」が、ゆっくりと自分自身に向き合うきっかけとなっていきます。
手紙の要素の中でもこだわっているのは紙。
伝えたい思いに合わせて、「紙」を選んでいけるのも、手紙のヒトakinaならではのオリジナルコンテンツです。
”紙が伝えるメッセージ”とともに紡がれた世界に一つの手紙。
そんな手紙が形あるものとしてずっと残っていく。
人の心と心も結ばれていく。
その小さなきっかけと連鎖が「世界は鏡」というシンプルなルールにしたがって、広がっていき、この世界が想像力に溢れた場所になることを願って手掛けています。
ここまで読んでくださった貴方とも、いつかどこかで会えますように。
そのときを、心から楽しみにしています。
手紙のヒト akina より。