頬を染めただけで何も言えなかったあの日
今朝、林伸次さんのnoteを
読んで思い出したことがあります。
それは人生でたった一度だけ
と言われたあの日のこと。
〇
謙遜でもなんでもないけれど
キレイと言われるような容姿をもち
きれい、かわいい、と
ちやほやされた記憶は一切ございません。
中学の卒業アルバムに国語の先生が
女は愛嬌!
と書いてきたため、
その言葉を胸に秘めて
気立てだけで生きてまいりました。
実は、その先生も気立てを武器に(笑)
学校一のモテモテイケメン体育教師と
結婚して学校中を騒がせたお方。
体育の先生が我が家の近所に住んでいて
私は彼らの密会を知っていたのですが
ヒミツを固く守っていたので
二人に感謝されていたという前提のもとに
そう書いたのではないかしら。
〇
時は流れ
四捨五入したら50歳になってしまう
そんな年の頃、
私はますますお化粧も薄くなり
髪の毛も楽だから伸ばしているという
ていたらくで忙しく生活しておりました。
そんなある日、職場に鳴り物入りで
とある男性が現れました。
鳴り物入り、の鳴り物は、どちらかというと
訳アリで簡単に言うと
ちょっとしたいざこざがもとで
左遷されてきた方でした。
独身だったんですのよ。
仕事中はほとんど会話もなく、
粛々と働いていたのですが
仕事への姿勢を拝見していると
尊敬し、心惹かれていたようなんです。
それはお互い様だったようです。
不思議なことにそういうのって
わかりますものね。
とはいえ、不思議なことに
私の恋愛偏差値は当時10歳以下でした(笑)
そのため、お互いを気にしつつ
目で追いつつ、そんなあるときのことです。
職場の送別会がありました。
実は私、下戸で、ほとんどそういった場所に
不参加だったのですが、その日は
大切に思っていた同僚の送別会だったため、
遅れて参加しました。
でも、すみっこでおとなし~くごはんを
食べていたのです。
そこに彼がやってきて、目の前に
座りました。
そして一言こういったのです。
???(固まった私)
脳内:いまきれいっていった?
え?字が?字がきれいってこと?
あら。えっと。えっと。
頬を染めるばかり
なぜ私は、この時、何か気の利いたことが
いえなかったのでしょう。
ず~~~んっ
そして何を思って、その言葉だったんでしょう?
いまだに、字だったのかなと思ったり
お年寄りと話している言葉遣いだったのかなと
思ったりしている次第です。
その後、ふたりのぎこちない
会話はこう続きます。
シュミ?シュミですか?
脳内:え!趣味?趣味って?
え?見合いじゃあるまいし!!!
〇
その後、職場中の人の期待が
(なんでみんなが期待したのかわからない)
集まる中、わたしたちは
完全にタイミングを逃し
同僚という垣根を超えることは
ありませんでした。
今朝、林さんのnoteを読んで
四捨五入したら50にもなっていたのに
こんな風にかわいく言えなかったのかしらと
後悔したのも束の間、
なぜあんなに乙女だったのかと
恥ずかしい一方でなんだか
そんな自分が愛おしくなりました。
〇
男と女はタイミング
それは真実なのであります。
そして、
一生に一度のできごとに
慌てふためき
すてきなことは言えませんでしたが
あの日、その言葉をくれたあの方に
感謝しています。
トラオさんには内緒の話ですわよ。
あ、トラオさんは一応
セイヨウの方なので、
一般的な日本人の男性よりは
きれいだよとかすてきだよとか
口にしますので、
それはカウントしておりません。
あしからずごめんください。
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