#第二回絵から小説 詩「棘(いばら)」
今回も詩で参加させていただきます♪
やっとかけました!
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「棘」
いたい と
口にすることが難しくなったのは
いつだったのかと
指先に触れた野ばらの棘を
ぼんやりと見つめています
母の胎内から
この身ひとつで
誰もが生まれてきます
いいえ
とっくに生まれてきて
待っているのです
あのクロッカスも
土に抱かれながら春を
魚たちはさざめく水草に包まれて
あなたは羊水に漂って
もう大丈夫だよ
といわれるのかもしれませんし
いわれないのかもしれません
その日 その時がくると
何も持たず
恐れすら身につけないまま
殻を破ってでていくのです
よろこび だけを
伝えるためだけに
いつの間にかずいぶんと
たくさんの薄絹を纏ったのね と
口にしていました
指先からぽたりと落ちる
深紅のしずくを見つめながら
そっと身体を包み込む
一枚だけを残して
脱いでしまいましょうか
この傷すら
愛おしいのですから
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この企画に参加しようと思って
どんな風に書こうか
小説にしようかと
いろいろ考えているうちに時間がたってしまい
今朝は腰を据えて
清世さんの絵を見て
一行目を書き始めたら
あら不思議。
一滴落としたら広がっていくみたいな感じ。
こちらの企画は明日が締め切りです。
みなさん、お急ぎになって~~。
清世さん、ありがとうございました♪
何かに呼応する喜びを
またひとつ感じました。