TikTokフォロワー数1,100万人・景井ひなってナニモノ?「1位という称号はとても重たい」
「バズっているものとは何だろうか?」TikTokのフォロワー数1,100万人。TikTokで日本人女性のトップを走る景井ひなが、リーズンルッカに初降臨。ハリウッドスターのブラッド・ピットとの初対面秘話からクリエイターとしての心構えまで。いまだかつてない“景井ひな”という新しい存在を形作るピースの一つ一つを語ってくれた。
■1位という称号はとても重たい
TikTokの世界に足を踏み込んでからたったの10日間でフォロワー数10万人を突破。それから約3年経った現在では、女性TikTokクリエイター日本一の称号を背負うまでになった。影響力を買われてブラッド・ピット主演映画『ブレット・トレイン』キャスト一同来日の際には、インタビュアーに大抜擢。
まさかの大役に「私以上に親が『え?ホンモノに会うの?』と驚いていました」と笑いつつ「ブラッド・ピットさんはとってもカッコよくて優しい方でした。日本語で質問したにもかかわらず、私が話している最中はずっと頷き、目を見つめながら会話をしてくださいました」とハリウッドスターのジェントルな神対応を振り返る。
そんな貴重な経験も、女性TikTokクリエイター日本一という肩書があってこそ。前人未踏の驚異的記録を光栄に思う反面、プレッシャーや責任も同時に感じている。「日本人女性1位になったからこその贅沢な悩みかもしれませんが、トップを走り続けていかなければいけないというプレッシャーは常にあります。1位になったことでいただいている仕事もあるので、もし私が1位ではなくなったら?と考えると怖い。1位という称号はとても重たいものだと感じます」とキラメキの裏に隠された知られざる葛藤を明かす。
■継続力のある人が向いている
しかしその危機感が、景井の中に停滞や慢心の生まれる余地を与えないのかもしれない。TikTokの女王の日々のルーティンは、スマホでのトレンドチェック。「海外で人気のTikTokクリエイターや流行を作っている人を見つけ出して、『いいね!』が1時間にどれだけ増えるのかをチェックしたり、フォロワー数に対して『いいね!』の数がどれくらいなのか、その現象は数日のものなのか、それとも一過性のものなのかを分析したり。バズっているものとは何だろうか?と常に考えて周囲を観察。スマホを触れる時間があればずっとリサーチしているので、親指の付け根が痛いです」と常に感性を高めている。
アイデアをキャッチするアンテナ同様に重要なのは継続力だ。「たとえアクセス数が低くても、無理だと諦めずに投稿する継続力が大事です。続けることで様々な方に知ってもらえる可能性も増していくので、すぐに諦めてしまう人は難しいと思います。」と実感を込める。
■笑いの先人をリスペクト
海外のトレンドをいち早く紹介することでバズリを生んできたという景井だが、そこにユーモアをまぶすのが彼女独自のオリジナリティー。根底には『よしもと新喜劇』『8時だョ!全員集合』のコテコテお笑いイズムがあった。
「幼少期のころにドはまりしたのが『よしもと新喜劇』と『8時だョ!全員集合』。中でも雷様のコントやいかりや長介さんがお母さんを演じるファミリーコントが大好きでした。屋根に車が乗っかったり、タライが落ちてきたり。コテコテの笑いでオチがわかるのに面白くて、自然と笑みがこぼれてしまう。動画を制作する上で“誰が見てもわかる”という点で影響を受けています」と日本の笑いの先人をリスペクトしている。
■自分のやりたいことが叶う
景井の活動はSNSを飛び出して、中学時代に演劇で主演を演じて以来の夢だった「女優」への道を開拓している。二宮和也主演の映画『TANG タング』でスクリーンデビューし、現在放送中の連続ドラマ『チェイサーゲーム』にレギュラー出演中だ。
「私のやりたいことが徐々に叶っている状況で凄く充実していますが、景井ひな= TikTokではなく、TikTokから初めて生まれた女優というポジションを目指して頑張っている段階。その頑張りが徐々に認められつつあることも私としては嬉しいです」と手応え。
「TikTokだと自分の表情を確認しながらできるけれど、お芝居ではそれができません。自分の表情がまったく見えない状況で演じることはとても難しい」とフォーマットの違いに戸惑うこともあるが「TikTokは一人で黙々とやる作業の連続ですが、映画やドラマなどの映像作品は素敵な方々との共同作業。わからないと思ったら周りの方に聞いたりして教えていただける環境もあるし、アドリブや相手の反応によって新しい自分が引き出されることもある。一緒に作品を作ることで私自身の成長を日々感じています」と新たなフィールドでのやりがいを感じている。
【リーズンルッカ’s EYE】景井ひなを深く知るためのQ&A
Q:新たに挑戦したいことは?
好奇心旺盛なので、『世界の果てまでイッテQ!』の温泉同好会に参加したいです。パンスト相撲や熱湯風呂など体を張った笑いにも挑戦したい。温泉同好会の一員として体を張りたいですし、ドッキリ番組でターゲットにもなってみたいです。
Q:24時間スマホ禁止令が出たら何をしますか?
とにかく寝たいです(笑)。普段からゲームをしたり、漫画を読んだり、TikTokの撮影をしたりとやりたいことが多すぎて睡眠不足だからです。あと日本語力を鍛えたいので、小説なども読みたいです。
Q:誰にも負けないという特技を教えてください!
「た」と「か」が誰よりも早く言えることです。「た」や「か」などを5秒間で何度言えるかで口元の筋肉の力を知ることのできる機械を試した際、プロのアナウンサーの方以上に平均値を上回っていることが分かりました。先生から「これは特技と言ってもいいレベルだ」とお墨付きをいただいたので、「た」と「か」の早口はお任せください(笑)。
<編集後記>
お笑い好きが高じすぎて、自分の体を張ったお笑いに本気で憧れる23歳。パンスト相撲や熱湯風呂には昔から興味があったそうだが「パンスト相撲は一度挑戦済みです!…ラジオ番組で」とビジュアルで笑わせるジャンルのお笑いを、耳で聴くメディアで初体験するという逸材。SNS発の芸能人という新しいモデルの第一人者なるべく、与えられたものすべてを貪欲に吸収していく姿勢に、TikTokフォロワー1,100万人超という数字の必然性を感じた。
<マネージャー談>
どんなに撮影が続いて大変な時期もTikTokの投稿は毎日続けていて、時間ないからこれでいいや!ではなく最後までオリジナリティを追求する。その継続力はとにかく凄まじいと近くで見ていて思います。
どんな生放送や収録でも常に落ち着いていて肝が据わっているなぁと、いつも安心して送り出しています。ブラッド・ピットさんにお会いする際も、私の方が緊張していたかもしれません。
普段は素直な感情を表に出せない不器用なところもありますが、心にある喜怒哀楽が豊かで感受性に溢れていることを改めて感じることができました。
<作品情報>
取材・文/石井隼人
写真/まくらあさみ