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求職者と対峙する企業の人事部。ホリプロ・グループ・ホールディングス人事部・和田瑞希さんの考える「ホリプロ」に必要な人材とは————

■キラキラした素敵な人を知ってもらう仕事をしたい

——和田さんがホリプロに入社した経緯をお聞かせください。
 
和田 子供の頃から雑誌が好きで月に5冊~10冊ほど雑誌を読む日々を送っていました。そのため新卒で就職活動を始めた当初は、出版社に勤めて女性誌の編集者になりたいと思っていたんです。でも、「何をやりたいのかな」と改めて自分を見つめ直したときに、「キラキラした可愛い人がすごく好きでそういう人を広める仕事をしたい」と思い至り、「もしかして女性誌の編集者ではなく、もっと人に寄った仕事がしたいのではないか」とぼんやり考えはじめました。また、ホリプロに作家の筒井康隆先生が所属しているのですが、就活中に偶然筒井先生の本を読む機会があり、すごく感銘を受けたんです。「こんな面白いことを書く人がいるのか」と感激をして、ネットで筒井先生のことを調べたらホリプロに所属していると分かり、それで会社のサイトを見てみたんです。そうしたらちょうど新卒採用のエントリーを受付けていて「もしかしたら私が目指すべきはこちらの道なのではないか」と思って、なんとなく書類を出しました。
 
——実際に入社をされて、最初はどんなお仕事をされていたのでしょうか?
 
和田 アーティストプロデューサーとして、約6年間で俳優の担当をさせてもらいました。
 
—— 「アーティストプロデューサー」ですか?
 
和田 ホリプロでは、いわゆるマネージャーの仕事を“アーティストのプロデュースをすること”と位置付けています。マネージャーと聞くと、身の回りのお世話を仕事とイメージされる方が多いのですが、この仕事の本質を表現するためにマネージャーをアーティストプロデューサーと呼ぶことにしました。
 
——キラキラした魅力ある人を世に届ける仕事に就いて、実務を通してどんなことを感じましたか?想像していたものとのギャップなどありましたか?
 
和田 今は各企業の採用サイトや様々なメディアから多様な情報を得ることができますが、私の就職活動時はまだそこまで情報を得やすい時代ではありませんでした。そのため、エンタメの仕事が実際どういう仕事なのかイメージを持てないままに入社をして仕事を始めたので、ギャップを感じることはなかったです。「そうか。こういうことも仕事なのか」と日々の業務を通じて考えたり学んだりしていった感じでした。
 
——結果としてファッション誌のみなさんともお仕事をされることとなりましたね。
 
和田 そうなんです。ファッション誌や雑誌の表紙の仕事もありましたし、写真集の制作にも携わることもできました。
 
——そういった意味でもホリプロのお仕事はいろんなエンターテイメントにアクセスできますよね。
 
和田 担当しているアーティストを軸にあらゆるジャンルのエンターテイメントに携われることが、アーティストプロデュースサー職の醍醐味の一つなのかなと思います。あとは映画やドラマ、CM、写真集や雑誌など、携わる仕事の一つ一つで一流のクリエイターさんたちと仕事をご一緒できたのは、ホリプロに入社したからこそ多くの経験をさせていただけたのではないかと思っています。
 
——この記事はこれからアーティストプロデューサーを目指す方たちも目にしていると思います。アーティストプロデューサー時代のモットーを教えてください。
 
和田 いちばんは担当するアーティストを好きになってもらうこと。本人に会えばきっと好きになってくれるのですが、私を通してさらに好きになってもらうということを目指して日々の仕事のやり方を考えていました。

■「ホリプロに必要な人材」は「自家発電できる人」

——その後、人事担当に異動されます。これはどういった経緯だったのでしょうか。
 
和田 実は、産休・育休を取得した間にエンタメの仕事への興味がなくなってしまったんです。このまま会社を辞めてしまってもいいのではないか、とも思っていたのですが、会社にいる人たちのことはすごく好きで。現場で働きながら「こうなった方が働きやすくなるんじゃないか」とか「こんな切ない想いをしている人がいるよ」みたいなことを見てきましたし、自分自身も経験してきたこともあって、その経験があるからこそ人事に行って、別の形で貢献できることがあるかもしれないと思い、人事への異動希望を出しました。
 
——やはり「人を届ける」「人を見る」仕事を選ばれるんですね。
 
和田 意識していたわけでなかったですが、結果的にはそうなりましたね。
 
 
——俯瞰的に会社を見ることが出来るようになったからこそわかる、「ホリプロってこんな会社だった」というところを教えてください。
 
和田 かつては狭い視野でしか人や物事を見ていなかったなと思います。今はホリプログループで働く人、組織を見つめるようなって、さらに同僚たちのことが好きになりました。先輩も後輩もそうなのですが、尊敬できる社員が多いんです。「あの後輩がこんな作品をプロデュースしたんだ」とか「あの先輩がまた新しい手であのアーティストをプロデュースしているんだ」と日々感動しながら「めっちゃいい集団じゃん!」と思っています(笑)。そんなホリプログループに、まだまだいろんな可能性を秘めた方たちを招き入れる仕事でもあるので、「ホリプログループを強くしていく」窓口を担えることはとても幸せだなと思います。
 
——「ホリプロに必要な人材」だと感じるのはどんな人ですか?
 
和田 「自家発電人材」ですね。まずは、自分で「こんなことがやってみたい」とか「これが面白そう」という動機で動き出せる人。実際にホリプロにはそういう人が多いです。そして、動き出すだけではなく、周りに働きかけながら動き続けられることも大事です。つまりは推進力。その二つを持っている人は最高だなって思います。
 
——では「こういう人ならホリプロで生き生きと仕事ができる」と思うのならどんな人ですか?
 
和田 ゼロイチをやりたい方でしょうか。
 
——ゼロイチ?
 
和田 0から1を生み出してみたい人。そういう方はやりがいを持って仕事ができると思います。たとえば映像や舞台、音楽もそうですが、何もないところから自分がやりたいと思うことを実現するため、たくさんの人の協力を得て、1を作る。アーティストプロデューサーも同じです。たとえば無名の原石をプロデュースして有名にしていくこともゼロイチです。逆に「エンタメ業界にいたい」ということがいちばんのモチベーションだったら途中で辛くなってしまうかもしれません。慣れちゃいますから。アーティストのいる環境にもエンタメの現場の刺激にも。ミーハーな気持ちは持ちつつ、みんなと何かを、1を作っていくことに喜びを見い出せるといいですよね。
 
——就活でホリプロを目指すにしても、その前にどういう準備をしていると、良いと思われますか?
 
和田 自分が興味を持ったこと、やってみたいと思ったことに片っ端から首を突っ込んでみる。首を突っ込んで、やってみて、それが自身にとって面白いか面白くないか、得意なことはどんなことか、などを繰り返し確認しながら自分を知り、それから就職活動を始められるといいですよね。ご自身の資質を活かしつつ、やりがいと意義を感じられる仕事に就くのが理想だなと思います。

■人事は見る!就活生の「これまでのこと」

——就職活動中に大事にして欲しいのはどんなことですか?
 
和田 一つの企業に「どうしても入りたい」と思ってしまうと、視野狭窄になってしまうことがあると思います。あくまでも企業と選考を受けてくださっている方は対等。私たちもその方をじっくり知りたいと思いますし、学生さんにも当社をじっくり知っていただいて、その上で冷静に判断していただきたいです。仕事って1日に何時間もあって、それを毎日続けるので、人生の大半の時間を仕事が占めることになりますから。本当にその仕事がご自身の人生の大半を費やすのにふさわしいのかと見極める、そんな気持ちで会社や仕事を選んだ方が良いと思います。
 
——学生のみなさんは就活期間中に紆余曲折、感情の動きも含めて日々タフに向き合っておられると思います。長い就活期間でモチベーションを切らさないためにはどんなことが必要だと思いますか?
 
和田 たとえば、自分が思い描いていたように面接が進まなかったときって、落ち込みますよね。でも、ご自身がうまくいかなかったと思っても、面接官の評価が良くないとは限らないです。なので、もし落ち込みそうになったら、自身の評価=面接官の評価ではないと考えて、反芻はしないように、とお伝えしたいです。不確かな想像で一喜一憂すると心が疲れてしまうので。また、選考は「最も優秀な方」を見つけるために行っているのではなく、そのときの会社や仕事、テーマに合うか合わないかを判断していくものだと理解しておくと良いかもしれません。
 
——そうして入社が決まった新入社員のみなさんですが、どこの部署になるのかという配属についてはどのように見ていらっしゃいますか?
 
和田 配属については3つの要素で決まります。一つ目はご本人の志望。二つ目は人事が考える適正。三つ目が会社の事情。ホリプロには様々な仕事がありますが、どの仕事も役立つ資質は一つではないんですね。「これがないとプロデューサーになれない」という見方ではなく、その方の良いところを見つけて「この資質は、この仕事でこんな風に生かせるのかもしれない」と考えます。可能性の種を見つめている感じですね。
 
——そんな和田さんにとってホリプロはどんな場所ですか?
 
和田 才能を持ったチャーミングな人に出会える場所です。可愛いキラキラした女の子が好きでそんな人を広めていく仕事をしたい、という思いで入社したホリプロですが、いつしか、ルックスよりも人としてのチャーミングさや才能に興味が移行し、それらを感じられる人に魅了されるようになっていきました。ホリプロで働いているとタレントはもちろん、社員や選考を受けてくださるチャーミングで才能豊かな多くの方に出会い続けることができます。それが、私がホリプロから離れられない理由のような気がしています。こんな場所、他にあるのかなと。
 
——ずっと才能について考え続けているんですね。
 
和田 才能や資質とは何なのか、人に魅かれるとはどういうことなのか、そしてどうやったらそれらが活かされるのか、いつか答えが出るのか分かりませんが、それらを探求し続けるのが楽しいです。
 
——では最後に今、この記事をご覧になっているみなさんへメッセージをお願いします。
 
和田 ホリプロはこれからも進化を目指します。新しいホリプロを作っていきたいという気概のある方と一緒に働きたいですね。

<編集後記>

とにかく社内で働く仲間たちのことが大好きだ、と語ってくださる和田さん。「キラキラした素敵な人たちをもっと広めたい」から「社内の大好きな人たちのために働きたい」へとシフトチェンジをしても、やはり根本には「人が大好き」という想いがあるのだと、お話の端々から感じました。以前、社内について語ってくださった南田さんに同じく「自身から発信する力が大切」というキーワードが出たことで、よりホリプロの輪郭も見えたのかもしれません。
 
取材・文/えびさわなち
写真/板場俊


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