今こそLinux環境を構築してみたい その0~ディストリビューションというのを大雑把に考えてみる~
お久しぶりです。Linux関連の記事を書くのはおよそ2年ぶりぐらいです。
ぼちぼちまた書いていければいいかなと思います。
Linuxのディストリビューションって結局何が良いんじゃ?って話
私自身、私物でLinuxを実際に使ったというのが2018年6月頃という、現在プログラミングでヒーヒー言ってクライアントの要望を何とか実装している生業にしている輩としては、かなり遅めの人生を過ごしてきました(成人になる3か月前ほどと書けばわかりますでしょうか。一応工業高校卒ではあるのに)
学生の頃はとにかくお金が無かったため実験機として中古機を買い漁った結果、アホほどいらないPCが部屋にあるといった状態になってしまいました。まあそれは話に関わらないので置いておいて、ディストリビューションをインスコしてはクリーンインストールしてというのを何回も繰り返したせいで150GBほどisoファイルがあってちょっと笑うしかないのですが、せっかくなので「これは印象に残っている~」だとか「これはあんま印象ないな~」だとかを振り返りつつ、結局どのディストリビューションって良いんだろうというのを私なりに考えてみたいなと思います
Debian/Ubuntu系
The 王道って感じです。ラーメンなら醤油、RPGでいえばドラクエやポケモン…(諸説あり)ぐらいのやつ
「ディストリビューションは何選んだらいいの?」ってなったとき、使いやすさを追求するならこれベースのディストリビューションを選べばいいかなと思います
Xubuntu
Ubuntuフレーバーの軽量王道。本当に最初の頃と今バッテリーが死んでしまったWindowsタブレットにインストールした感じの感想としては、たしかに軽量で使いやすくクセもないんですが、本当にクセが無さ過ぎてあんまり自分には刺さりませんでした。ただクセがないということは初心者にはかなりとっつきやすいLinuxなのはちゃんとアピールします
Lubuntu
18.04まではLXDE、18.10からはLXQtを利用している、Xubuntuよりも軽量なUbuntuフレーバー。正直LXDEはちょっと古臭い感じがして好きじゃなかったのですが、LXQtのモダンな感じは好きです。使用感としては、本当に軽量でびっくりする。XubuntuというかXfceの比じゃないぐらい軽いです
Kubuntu
KDE(Plasma)+Ubuntuで、個人的には小型PCで供給過多レベルに増えたIntel N100であれば全然これで十分です。昔はKDEは重いなんて言われていましたが上には上がいる今、むしろ主要なデスクトップ環境の中では軽量だと思います。KDE Plasma自体の開発がかなり活発なので新しいものが常に提供されるという点でのアドはかなり大きいです
Linux Mint
シンプルであることより使いやすさを中心にしたDebian/Ubuntu母体のディストリビューションです。個人的にはUbuntuとそこまで変わらない…かなぁみたいな感じ。悪いディストリビューションじゃないんですが、私にはあんまり刺さらなかったのが正直なところです
「MATEもしくはCinammonといったら?」で真っ先に出るディストリビューションだと思います(Ubuntuフレーバーにもあるのですが、プロジェクトの中心人物や開発経緯的にこっちがやっぱり紐づけられるかな)
Feren OS
上記にあったLinux Mintから派生した、よりユーザーにとって使いやすい環境をモットーにしているディストリビューションで、当初はCinnamonを採用していたのが、KDE Plasmaに移行している形です
2024年は開発メンバーが諸事情により忙しかったらしく、現在は2023.04でバージョンが止まっています
Q4OS
昔懐かしのWindows XP風の軽量ディストリビューションで、デスクトップ環境としてはKDE Plasmaの他にTrinity(TDE)を採用しているのが特長です。また今はだいぶ少なくなってしまった32bit版OSの開発がまだ進められているのに加え、32bit版はCDでのインストールも可能と古いPCを使う上ではかなりありがたい存在ではあります
ZorinOS
Windowsライクといったらこれってぐらいには有名なディストリビューションです
単なるWindowライクで留まらずLinuxとしても使いやすくなっており、流石Windowsから移行しやすいと言われるまであるなと思いました
RHEL/Fedora系(というよりパッケージ管理ツールにRPMを採用してるディストロ)
ファイルサーバーなどのパーソナル向けというよりかはシステム部分のOSとして組み込まれるLinux。大元であるRed Hat Enterprise Linux(略称:RHEL)自体は有償ですが、実験的要素をバンバン取り入れたFedoraやRHEL互換を謳ったCentOSの後継、Alma LinuxやRocky Linuxなどがあります
OpenSUSE Leap/Tumbleweed
初期はSlackwareベースでしたが、現在ではパッケージ管理ツールがRPMに移行した影響で、Slackwareの枠組みから外れています
YaSTというOSの設定および構成管理のツールを標準搭載している点やTumbleweedエディションはローリングリリース形式を採用しているのが特徴です
Arch Linux派生
Arch Linuxはシンプルとミニマルを重きに置いた、常に最新環境が提供されることが根幹にあり、その影響でGUIのインストーラーが公式で提供されていないのが特徴です。その側面から、初心者向けのディストリビューションではないのですが、自身が欲しい環境は自身で構築する面から性能不足のPCに対しての延命としても十分に扱える強みもあります(ちなみに公式の対象は64bitシステムで、32bit版は別プロジェクトとなります)
あと特徴的なのはパッケージ管理ツールのpacmanとAURと呼ばれる非公式パッケージ群。こいつのおかげでほとんどのツールは入れることができるレベルには重宝しております
Alter Linux
過去(2020年6月)に使用感をまとめた記事
Arch Linuxの中で数少ないデフォルト日本語化対応のディストリビューションです。Arch Linuxと同じリポジトリというところで、Arch Linuxの最新環境を教授することができます
使用感は個人的にはArchの分かりづらさをGUIをうまく活用できていてかなりオススメ。32bit版のisoファイルもまだ継続して開発されているようで骨董品をゲットしても安心!
これは余談であとから知ったのですが、この記事を書くときにメンバー何となく調べていたら開発メンバーの一人とFediverse上で繋がっていてクソビビった(知らなかった)
Manjaro Linux
私が一番衝撃を受けたディストリビューションです。というかこれと出会わなかったらArch系を使うことは無かったと思います。3、4年前と比べてコミュニティのエディションはかなり少なくなってしまいましたが、それでも十分かなって感じはします(Architectなどが消えたのは悲しいですが)
使用感としてはやはり文句無しです。テーマ自体もかなりカスタマイズできますし、頑張ればタブレットでも不自由無く使えるようにもできるぐらいには自由です。やはりArchはこうでないと
説明できるほど使い込んでいなかったやつ
見出し通り。落としたけどインストールしてないやつとかも含みます
EndeavourOS
まあArch LinuxをインストールGUIがついたArch Linuxといったらおそらくこれ。元々Antergosという同じようなコンセプトのプロジェクトの開発が終了した後継として生まれたのがこのディストリビューションです
一度インストールしようとして失敗したので紹介できないのですが悪くはないと思います
Mageia
前身のMandriva Linuxの派生のうち、活動的に開発が続けられているディストリビューションで、urpmiというパッケージ管理ツールを利用しており、これによりaptのようにパッケージ間での依存関係を自動的に解決してくれる特徴があります
自分がそもそもそんなにRPM(これは別パッケージ管理だけど)に慣れていないっていうのもあってそんなに馴染めませんでした
Trisquel GNU/Linux
フリーソフトウェア財団お墨付きのUbuntu派生ディストリビューションで、ファームウェアレベルでプロプライエタリソフトウェア(簡単に言うとフリーソフト財団が定義する"フリーソフト"の定義を満たしていないソフトウェア全般のこと。ここのフリーソフトの定義は話がものすごくややこしいので説明は省きます)が全く含まれていないことを保証しています
私としてはフリーソフトがどうやらあんまり関心がないため、一回だけ使って速攻でやめました
MakuluLinux LinDoz
LinuxfxというまるっきりWindowsにデザインを極力似せたディストリビューションがあるのですが、ぶっちゃけWindowsライクなディストリビューションなんて結構あるんじゃない?って思って見つけたWindowsライクのディストリビューションです
正直Windowsに似ているだけだな…って印象を持った感じです。というよりWindowsに似せているだけなので所々Linuxそのままでぶっちゃけダサいというか…
Solus OS
上記の記事ぐらいのことしか書いていないのでこちらに。
触った感じ質自体はかなり高いので、これを機に入れても良いとは思うんですが、独自ディストロ故に情報を得るのが大変なのでそことのギブアンドテイクですかね…
あとタブレットPCには向かないという噂も聞いたので、1年前に購入したSurface Goとかを復活させるといったことに使えないのは残念
総括
個人的な主観でいうと、以下のディストリビューションが総合面でオススメかなと思います
ZorinOS
初心者も対象にしつつそこから継続して使いやすいこと、元々のディストリビューションがカスタマイズ性も高いという点OpenSUSE
aptに慣れるとRPMとの差に躓く場面はあるものの、それをチャラにする便利ツールYaSTがあるのが強み。元が商用Linuxである点からも安定性高めAlter Linux
Arch Linuxを触ってみたいけど…という高い壁を極力低くしてくれることに加え、日本語化対応がすでにされているためそのための労力を割かなくて良いManjaro Linux
上記のAlter Linuxと同じインストールの難しさを緩和し、独自リポジトリによってArch Linuxのデメリットである最新環境が不安定になってしまうリスクを最小限に抑えていること、そしてコミュニティが活発なことによってカスタマイズ性がかなり高いSolus OS
ある程度スペックが確保されている場合の選択肢となりえるきれいに整ったデスクトップ環境とeopkgの軽量さでストレスなく動かせる点、公式サイトにも主要サードパーティ(ChromeやCodeなど)のインストール方法も記載しているのはかなりありがたい
もちろんこれは私の主観のためここに紹介されていないディストロも見てみるっていうのも良いですし、私が良いといっているディストロを触ってみたけどやっぱり微妙だなと感じることは絶対あると思っています
ただこのクソみたいな記事があなたのディストリビューション選択のきっかけの一助になれば良いなと思っています。
次はメイン機かジャンクSurface Goに入れたときの所感が書ければいいなと思っています。いつになるかはわかりませんが…