10,000 1,0000
僕は小学生の頃、算数の授業でよく混乱していた.小学校高学年の算数の授業で大きい桁数の計算の答えを漢数字で答える授業があり、とにかく嫌だった記憶が残っている.
例えば
10,000,000,000ー7,600,000,000=?
という問題が出たとしよう.答えは2,400,000,000となる.数字で見れば糸も容易くできてしまう.
しかし、ここからが問題なのだ.漢数字に直す作業をしなくてはいけない.
2,400,000,000を漢数字に直そうとするとカンマの位置と漢字が合わず,混乱してしまう.答えは二四億となるのだが一桁の数字から「一、十、百、千、万」と読んでいかないとわからない.
しかし、10,0000、0000と表記されていたらどうだろうか.「千、万、億」と4桁通りに読んでいけばいいので簡単に答えが出てしまう.これほど簡単なことはあるだろうか.
僕はこの方法を見つけてから、この手の問題は楽勝になっていた.
テーマからお分かりの通り、今の日本では10,000が一般的な数字標識として用いられている.000に対しカンマを一つ使っている.
しかし日本語では0000毎に単位が変化する.1万円は0000に1が一つ.1億(100,000,000)は0が八つで1が一つと4桁毎に単位が変化している事がわかる.
実際に昭和初期の初等教育では0000に対してカンマを入れていた.だから、カンマに対して呼び名が連動するため分かりやすい.
しかし、高等教育に変化すると欧米式の数学が採用され今の000に対してのカンマに変化氏多くの子供が混乱したという.
この欧米式の数学は明治時代の欧米化の歴史が色濃く残っており、政府の欧米列強への「追いつけ、追い越せ」の政策が裏目に出たと言ってもいい.
しかし1km、mやグラム数量の表記を考えると明治政府の判断は仕方がなかったことのようにも思える.
現在では四桁区切りの認識さえ忘れられてしまったが、そろばんと同様日本独自の和算文化が廃れていくのは何とも悲しい限りである.