人生の大一番、そんな9、10月
高校三年生の最後の夏が終わり、着々と進路が決まっていく時期。僕も、他の人に負けじと勉強に励む日々。
8月が過ぎ、9月、10月と時間は過ぎても暑さはずっと付いてくる。「付いてくる」が正しい日本語なのかはわからない。だけど、10月の下旬を迎えた今も二の腕の赤い部分が痒い。
新書・単行本
渋沢栄一氏著『論語と算盤』(守屋淳訳)
現代日本の経済の父と呼ばれる渋沢栄一は論語の言葉と商家の算盤を掛け合わせ、人々に在るべき道を説いた。日本には「武士道」という概念があったが、商家にとっては無用の長物。数字を追い求め、事業を大きくすれば正しい道。その流れを断ち切ったのが「論語」の概念だった。
武士を律する「正義」「廉直」「儀容」「敢為」「礼儀」を商いの儀にすることで正しい生き方を考えさせる。若い内に「論語を読め」とよく言われたけど「これが理由か」と納得できる。
井上 岳久氏著『人生を変えるプレゼン術』
世の中にはスティーブ・ジョブズだったりドナルド・トランプといった名プレゼンターがいるわけで、、、
目を見ているだけで引き込まれそうで魅力的で自信家で、とにかく熟成された自分の存在を売り出す方法を見つけられそうな糸口の一冊になった。
リーアンダー・ケイニー氏著『ティム・クック』
iPhone16が発売された時に書棚から発見した一冊。誰もがスティーブ・ジョブズのいないAppleを悲観した中でプレゼンスを発揮したティム•クック。環境や人種,プライバシーなど自身の価値観とスティーブ・ジョブズの遺した文化を融合させた製品がiPhoneXを生み出し、ジョブズが全く視野に入れなかったApple Watchシリーズ,環境保全、労働環境改善に乗り出すことができた。iPhoneだけだよ
タル・ベン・シャハー氏著『ハーバードの人生を変える授業』
大学受験になると1つ、2つしか変わらない偏差値で序列を作り,社会人になると年収を自慢し出す。
競争は人を成長させる上で正しい方法だが心虚しい人が増えすぎた。
伊佐 千尋氏著『ゴルフ上手は、ことば上手。』
紳士のスポーツと呼ばれる「ゴルフ」。スコアが自己申告性であり、常に相手を気遣ったプレーは正に紳士。
プレー人口が増え、日本国内に500万人近くのゴルファーがいるが、日本人のプレーの悪質さも目立つ。
-我々はウィスキーを真似たようにゴルフをスコットランドから借用した。スコットランドのものだからではなく、(真に)良いものだからだ。-(和訳)
桑原晃弥氏著『amazonの哲学』
日本人の3人に1人が使っているamazon。「amazon prime」の破格の値段設定もそうだが,考えてみると休日は「prime video」で過ごし、平日の電車の中で「kindle」、本の補充に「amazon」、他のサービスを使うにもサーバはamazonの「AWS」。
正にlife with amazon。
トーマス・S・マラニー + クリストファー・レア氏著『リサーチのはじめかた』
安原和見氏=訳
安宅さんの『イシューからはじめよ』と一緒に読むと的確なイシュー設定と問題に対する解決のアプローチが取りやすく なる。最大の魅力はアウトプット方法の提案。自分の知識は専門用語や形容詞、副詞、動詞の使い方で決まると言えるほど重要な力を持っている。
佐々木圭一氏著『伝え方が9割』
連絡手段がインターネットになってから言葉の力を実感するようになった。何気ない「ありがとう」も文字にすると素っ気なく感じられてしまう。ちょっとアクセントをつけて「ありがと!」、「マジで助かった、ありがと!!」にすると全く違う言葉になる。
NHK取材班『外国人労働者をどう受け入れるか』
昨今のインバウンドの弊害として観光客の迷惑行為が問題となっているが、外国人労働者(外国人技能実習生)の問題は別問題。
日本には差別や偏見、違法な賃金設定など人権侵害と言える境遇に在る実習生がいる。ベトナムに住んでた僕も日本人というレッテルで現地の人から色眼鏡で見られることはあったが、人によるが結論。その「人による差」をなくすために効力を発揮するのが法律なんだと思い知らされる。
水野和夫氏著『資本主義の終焉と歴史の危機』
16世紀のイタリア、ジェノヴァの「利子率革命」が21世紀の先進国で起こっている。各国は総じて低金利政策に乗り込んだ。現在のマネーゲームは富者による投機ゲームになり、中産階級の人々は無産階級へ転落をしている。
先進国内での格差が拡大し、先進国と新興国は同じような構図の社会になっている。
今は、世界中でモノが溢れ供給はピークに達している。さらなる追い討ちをかけている人口減少を考えると供給先のフロンティアはもう残されていない。
世界は新たなフロンティアを探しメタバース空間を創造しているが、現物取引は限界であり、国家運営には必要な項目。解決するためには資本主義の形を変えるしかない、、、
まさに。プロレタリアート層は社会から見捨てられる。
アメリカのラストベルトの住人も同じように、一時の材料として扱われ必要がなくなれば捨てられる事もなく、ただ空気のように見捨てる。
2016年の大統領選挙で見事勝利し、来月の5日(11/5)に行われる大統領選でも勝利する可能性があるトランプ氏は、正に、ラストベルトに住む見捨てられた住人をターゲットに語りかけ、票を集めることに成功した。
それを象徴させるのが、アメリカ国民の中でも水準レベルの生活を送る白人や欧州地域の住民がトランプ氏を批判していたこと。現政治はプロレタリアーとブルジョワジーを分断させ票と支持を集め扇動する事に成功している。
小説
村上春樹氏作『海辺のカフカ 上』
少年の知識への欲,性への目覚め,旅立ちが15歳の貪欲さを感じる.自分にとってはジョニー・ウォーカーさんの存在は重要ではないけれども殺した事実は重要.
好きなように見ちゃえばいいし解釈していい上巻なんですね.
村上春樹氏作『海辺のカフカ 下』
とにかく関係性と時間が面白い.同じ世界で起こっている出来事が繋がりそうで繋がらない関係性.(多分交わる必要がない,交わってはいけない)
白い物体が意味を持っていない事実というのも面白い.別に何でもいいんだろうな.
久しぶりに徹夜で読み耽る一冊.
内田康夫氏作『御堂筋殺人事件』
1997年の浅見光彦を越えてやろうと思ったが、まんまと坩堝にハマってしまった。
あと一歩及ばず、、
内田康夫氏作『讃岐時殺人事件』
村上春樹の『海辺のカフカ』の主要地は香川県。この讃岐時殺人事件も同所なのが読んでいて楽しい。地理要素のある作品は、いつかは行ってみたいな。って思いながら景色を想像するのが楽しかったりする。
内田康夫氏作『イーハトーブの幽霊』
今回の舞台は岩手県花巻市。最近だと甲子園だったり、大谷翔平関連のニュースにたびたび出てくるからなのか既視感を覚える。花巻といえば宮沢賢治、少し北に行った盛岡には石川啄木といった文化人の聖地。今回の作品はラストで身震い。
内田康夫氏作『ぼっちゃん殺人事件』
浅見光彦シリーズはミステリー界の「暴れん坊将軍」のような茶番が毎回の掟。常にミステリーでありながら水戸黄門のような安心感を与える作品。
内田康夫氏作『軽井沢殺人事件』
軽井沢の話題が挙がると確認するのが軽井沢の所在地。旧軽井沢は華族の地として高貴なイメージを持ち、正に「軽井沢」なんて思ったりするが、北軽井沢は群馬県に属する。今回の舞台となった軽井沢の名所(心霊)といえば「軽井沢大橋」。
東野圭吾氏作『鳥人計画』
テンポよく読みやすく登場人物の心境を描いているので作品の中に自分がいるような感覚になりました。スキージャンプ界のホープが遂げた不審死の内側には互いに絡み合う憎悪や嫉妬があり、登場人物の性格が露呈していくストーリーが面白い。
スキージャンプと言えば、2022年の北京オリンピックで24年越しの金メダルを小林陵侑選手が獲得したのが記憶に新しいですね。冬季種目の中でスキージャンプは前のめりになって見てしまうような迫力なのか、大丈夫なはずなのに少し心配になってしまう部分があるなと。
注目の次の開催地は2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ、、、待ち遠しいです。
村上春樹氏作『使いみちのない風景』稲越功氏=写真
滔々と言葉が流れていく中、置いてきぼりにされそうなほどリズミカル、だけど途中で止まってくれる話。