好きと、呼べずに好きを

ノートの端に 落書きのように
書きなぐった文字が
また わたしのなかに生まれようとしている

人は何かから回復するときに
物語を必要とすると聞いた

没頭するための物語が必要だ と。

わたしには
回復すべき 問題点
それはすなわち 大なり小なりの
傷ついた過去
があったような気がするが

そんなものは 誰にでもあると
目隠しさせて、

すみっこに追いやった

わたしをもう少し 待ってやりたい

自分を好きと、呼べずに好きを
たわわにしている

あべこべ だ

理屈っぽいあたまを
どこかに 忘れてしまえれば。